えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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横須賀美術館に「生誕110周年 野口久光 シネマ・グラフィックス」展を見に行く。

野口久光というとぼくなどは、油井正一とともにオールドジャズの評論の偉大なる草分けというようなイメージが大きいのだけど、そのキャリアのはじめは、ヨーロッパ映画の配給会社で色付きの絵を描く仕事であったらしい。日本でのミュージカルやジャズの紹介、評論と並走しつつ、1933年から1970年までいろりろなヨーロッパの映画のポスターを描いている。その膨大なポスター画の中からの一部が横須賀美術館にオールド・ジャズ・マンのポートレイト画とともに並べられていた。

純粋芸術ではない映画やジャズへの愛にあふれた作品をぼくはとても素敵だと思う。映画がほぼカラーとなってから1970年に映画のポスターをカラーで描くという仕事自体がなくなってしまったのだろう。ほぼ半世紀の時代の麗しくも美しいあだ花でもあったのだ。そんなあだ花が素晴らしいのです。

野口久光さん、国賊ものと呼ばれたジャズや映画、ミュージカルを愛した若かりし頃だったのだけれど、どんな青春だったのだろう? そんなこと思いつつ、ルイ・アームストロングとジャック・ティーガーデンを聴きながらの明け方、これを書きました。



生誕110周年 野口久光 シネマ・グラフィックス - 横須賀美術館

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町田市立国際版画美術館で「パリに生きた銅版画家 長谷川潔展―はるかなる精神の高みへ―」を見ました。

一木一草に神、仏が宿るという言葉があるのを知ってはいましたが、長谷川が第二次世界大戦中の最も苦しい時に、一本の木が、自分にボンジュールと挨拶ししているのを聞いたのだそうです。それから、すべての事物に神が宿り、象徴として輝いているのを感じ、版画の黒い線や面が、輝き始める。その静かなる輝きも少しはぼくも感じることができたような気がしたのです。静かな黒の輝きです。

いつも町田市立国際版画美術館に来ると思うのだが、版画を自分でもやってみたいな。そして、CDを出すなら自分の版画をジャケットにするのです。もちろん輝けるモノクロームで。

パリに生きた銅版画家 長谷川潔展―はるかなる精神の高みへ― | 展覧会
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相模原市民ギャラリーに「パレスチナ・ガザの画家を支援する交流展」を見に行く。ガザは今、屋根のない監獄と呼ばれ、巨大な壁が外の世界に立ちはだかる。そこに今、住み、絵を描き続けている三人、モハメド・アル・ハワジリさん、ソヘイル・セレイムさん、ライエッド・イサさんの絵と相模原の新進の画家たちの絵がところ狭しと飾られていた。

新進の画家たちの絵は抽象画も多くあるのだけど、ガザの三人の絵はどれも具象画で、閉じ込められた、人としての当然の権利の奪われた環境にも屈せず、何かやさしい風が吹いているようなのだ。

ガザ地区の画家を支援 相模原で交流展、映画上映も - 相模原町田経済新聞
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松濤美術館で「終わりのむこうへ : 廃墟の美術史」展を見た。いろんな廃墟を描いた絵を集めた展覧会でした。

廃墟って、なぜか、何かほっとします。すべては、いつかはこうなるのでしょうか?

元田久治さんによって廃墟となった渋谷の街が想像の中で描かれていたりします。ポール・デルヴォーの胸をはだけた美女がたたずむ石の建物も廃墟であるらしい。不染鉄という画家の描いた廃船の美しさ。

時の重なりは思い出となり、美しくもある何かとなるのでしょうか?
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この前の週末に東京都美術館に「ムンク展―共鳴する魂の叫び」を見に行きました。生涯、二度目の「ムンク展」でぼくは何度も同じ構図と手法で書き直された「叫び」の最終稿の絵を見たのです。薄暗い美術館の中でごーっというような音が聞こえるかのような「叫び」を前にして、たくさんの絵画を見る人を見送りながら、ぼくは立ちつくしてしまう。

なぜか、頭の中ではドアーズのサード・アルバム"Waiting for the Sun"の中のメランコリックなジム・モリソンの歌"Love Street"や"Yes, the River Knows"が木霊のように鳴っていたのです。ムンクの人生、「太陽を待ちこがれて」の人生だったようにも思う。何度も描かれた「日の出」の絵のうちのひとつも見ることができたのだけど、ぼくは、まったくムンクらしくないこの絵が好きです。

ムンク展―共鳴する魂の叫び|東京都美術館
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横須賀美術館に「矢崎千代二展 絵の旅」を見に行きました。展示されていた絵のほとんどがパステルで描かれた風景画。とても美しい。クレヨンとパステルの区別も判然としないぼくだけど、パステルというチョークみたいなものでここまで表現できるのかと驚く。

高校の美術の時間に高校の隣にあった牧場の牛を描きに行ったことを思い出す。風景画というのは何だか絵を描くことの原点であるような気もするけれど、チューブ入りの絵の具が発明され、それによって初めてできるようになり、その外の光の美しさの発見は美術史でいうところの印象派を生んだそう。矢崎千代二は生涯、旅に生きた絵描きだったそうだ。その旅はユーラシア大陸のすべてにおよび、第二次世界大戦の終結の2年後に日本に戻らず、北京で亡くなっている。風景に美しさを見て、パステルで紙に描くそんな人生も美しいと思います。

横浜美術館には別館に谷内六郎館があり、季節季節に展示を変えているそれを見るのも楽しみ。週刊新潮の表紙でもあった谷内六郎の原画を見ながら、とても懐かしく、美しいのだけれども、谷内六郎描くそんな美しい風景は日本から失われてしまっていることに溜息をついてしまった。


帰りに金沢八景にある瀬戸神社に寄った。昔、勤めていた会社の営業部、制作部と工場の中間地点に金沢八景駅にあり、よくここに来て、お参りしていたことを思い出した。周りの景色は変わりつつも、瀬戸神社の風景は変わっていないことに心休まりました。

瀬戸神社で御朱印をいただき、御神籤をひいてみましたら「六番 中吉」でした。蛍射という人の作の和歌が書かれておりました。歌川広重の金沢八景図「小泉夜雨」に記載されているそうです。

「むらたてる
 梢は雨に
 ぬれぬれて
かぜの音なき
 よはのひと里」

横須賀美術館
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町田市立国際版画美術館に「ヨルク・シュマイサー 終わりなき旅」展を見に行きました。開催初日なので入場料が無料でした。

ドイツに生まれた版画家のヨルク・シュマイサという人の展覧会。戦中ののポーランドに生まれ、戦後、ドイツに、そして、日本、オーストラリアとその居を変えていったドイツ人の版画展。日本の人と結婚し、日本に少なからぬ縁があったシュマイサー。奈良の仏閣をめぐる連作を残してもいる。ぼくは、なるほど、異邦の人たちの目から知らされ、気づかされる日本の美しさというものがあることに気づかさられる。

ヨルク・シュマイサーは生涯、旅の人であったあったらしく、どくにアジアには魅かれ、中国やインドに関する多くの作品を残している。そして、オーストラリアを生涯の住み家とし、その生のフィナーレのころ、南極に旅し、彼の作品は、自由に奔放に花ひらく。

ぼくはシュマイサーの終曲ともいうべき作品群にとくに魅かれてしまった。終わりなき旅はふいに途切れ、未完となってしまったような印象すら感じてしまったのだが、それもまたいいことなのではないかしら。

ヨルク・シュマイサー終わりなき旅 | 展覧会 | 町田市立国際版画美術館
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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