えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ
椹木野衣さんと会田誠さんの対談本『戦争画とニッポン』が面白くて一気に読んでしまった。椹木野衣さんは美術批評家で多摩美術大学の教授であらせられる。会田誠さんは美術家で「戦争画RETURNS」シリーズという問題作がある。
会田誠さんは戦争画の暗い叙情に惹かれると発言しているが、確かにぼくもその魅力を感じるけれど、やはり危険だよ。椹木野衣さんは西洋画の少なからぬ戦争画が名画とされているという指摘になるほどと思う。ドラクロアの「民衆を導く自由の女神」などがその典型であるように、ぼくは思い浮かべる。
この対談を読んでも、藤田嗣治の戦争画についての芸術か否かのぼくのわだかまりは消えなかった。もしかして藤田嗣治のいくつかの玉砕図は本ものの芸術かもしれない。藤田は戦争協力者として、一人で批判を被り、攻撃され、日本をなかば追放された。日本の国籍すら捨てて、フランスで客死。
『戦争画とニッポン』を読みながら、草間彌生さんがあまりにたくさんの国家からの褒章を受けているのに困惑する。さらに、この本によれば、毀誉褒貶の激しい村上隆さんは「俺は藤田みたいになる。最後には国を追われるしかない」とまで言っていたそうなのだ。さてどうなるか?
国家、戦争、芸術を語ったこの本に興味はつきません。
『戦争画とニッポン』(会田 誠,椹木 野衣) - 講談社
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