えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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千葉市美術館の「田中一村展」にドライブがてら行ってきました。

生涯にわたる田中一村の絵を見て、50歳を過ぎて、南の琳派とも呼ばれる自分の、自分らしい、自分にしか描けないような世界に開眼し始めたたことを知りました。無一文同然で奄美大島に渡ったのです。そこでも紬工場の染色工として働きながら、自分の絵を追求していきます。そして、1969年、61歳で美しすぎる代表作「アダンの海辺」を描きます。実物で見るその絵の美しさは、何かこの世のものとは思えないような気配すら漂わせ、「田中一村展」で飾られておりました。ぼくは、われを忘れて、その絵の前にたたずみ、見続けておりました。

田中一村展 ―千葉市美術館収蔵全作品
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ポーラ美術館にドライブがてら行ってみました。日本有数の近代絵画のコレクションを所蔵するポーラ美術館は箱根の山奥にあります。そこにセザンヌや、モネ、ルノアール、ゴッホ、マティスなどの錚々たる絵が飾られております。モネの睡蓮の絵やルドンの花瓶にさした花の絵などの美しさは、印刷された画集では決して再現できないことをいつも実感します。

企画展では日本の絵画と西洋の絵画のつながりについて展示されれておりました。江戸時代の浮世絵がいかに西洋絵画に影響したか、そして、明治以降、ほかのさまざまなこと同じく、西洋の模倣から始まるというねじれた関係がありました。戦犯画家として日本を追われ、再び、パリに舞い戻るレオナール・フジタこと藤田嗣治の人生をどうとらえたらよいというのか、ぼくは少しの困惑を感じてしまっていました。

森の木々に囲まれた美術館は、波乱の画家たちの人生とはまったく異なって、どこまでも平和な場所でもあったのです。

ポーラ美術館
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「ダブル・ファンタジー ジョンアンドヨーコ」展に行ってきました。ジョン・レノンとオノ・ヨーコとの出会いと別れまでの展覧会です。

ジョン・レノンに勝るとも劣らぬ、ぼくはオノ・ヨーコのファンなのです。昔、埼玉の美術館で見たオノ・ヨーコさんの大回顧展の感動は忘れられません。想像力を刺激される本当に今の時代を代表するぼくの大好きな芸術家だ。そんな彼女とともに歩いたロックンローラー、ジョン・レノンも大好きで、アルバムを何かあるたびに、よく聞いてしまう。

ジョン・レノンの"Starting Over"で始まり、オノ・ヨーコさんの"Hard Times Are Over"で締めくくられる、この展覧会の題名となっている"Double Fantasy"というジョンとヨーコの共作アルバムも素晴らしかった。他にもジョンとヨーコがお互いに曲をもちより、ともに歌い演奏した多分に政治的と評される"Some Time In New York City"も二人と時代の熱さがビニールのレコード盤につまっているようなかっこいいアルバムだった。

1980年のあの凶弾による事件がなければ、ジョン・レノンはその後の時代に何を歌っていたのだろう、といつも想像してしまう。

さて、2021年の2月18日まで会期の延びたこの展覧会で、ぼくのような年配者だけではなく、若い人もちらほら見かけました。ジョンとヨーコは永遠です。オノ・ヨーコさんは夢についてこんな風に言ったという。

「ひとりで見る夢は夢でしかない。しかし誰かと見る夢は現実だ」

DOUBLE FANTASY John & Yoko | ダブル・ファンタジー −ジョン&ヨーコ
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横須賀美術館に行って来ました。企画展は開催されていなくて、横須賀美術館の収蔵作品展のみでした。たくさん日本を描いた昭和以降の絵画を見ていると、なんとも不思議な懐かしいみたいな気持ちになりました。山口猛彦の「雨」という絵にはびっくりしました。昭和16年の雨降る都会の街頭の絵なのですが、普通の街なのです。この後の4年間で日本と日本人は戦争で何もかもを失い、日本という国すらなくなってしまう。

この美術館にに訪れたくなるのは、季節季節に展示替えをしている谷内六郎館があるからです。懐かしい叙情と子どもたちのつかの間の幻想に、しばしぼくは立ち尽くします。

横須賀美術館 所蔵作品

谷内六郎館 谷内六郎〈週刊新潮 表紙絵〉展「ふくらむイメージ、あふれるユーモア」
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日本民藝館に「アイヌの美しき手仕事」展を見に行く。衣装にほどこされた海の波にような、もしくは野の花のようなアイヌの文様を見ていると、それは分けへだてのない命ということを感じさせ、南アメリカやアフリカの文様に地下茎によって繫がっているようにぼくは想像してしまう。二十一世紀は始まったばかりで、まだ混迷しているけれど、この展覧会のような新しい見つめなおしによってアイヌの時代になっていき、光がさしてくるのではないかしら?

日本民藝館
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町田市立国際版画美術館で「西洋の木版画 500年の物語」展を見ました。

聖書やキリスト教の本の挿絵として、初めは発展して来た、ヨーロッパやアメリカの木版画はその本の挿絵としての役割を銅版画にゆずり、木版画そのものの美術として発展してゆく。挿絵が木版画が銅版画が変わっていく狭間でのリチャード・ドイルの妖精の絵本の挿絵がとても素敵でした。

その頃、日本からたくさんの浮世絵が輸入され、美術界を揺るがしもする。黒色を大胆に使ったフェリックス・ヴァロットンの作品の形は浮世絵というより花札の図柄を思い起こさせるもの。

ポール・ゴーギャンの版画も見ることができた。けれど、ぼくは、ある時、ゴーギャンがタヒチを描いた絵にはどうして女たちばかりで男たちは出てこないのかという論考を読んで以来、これらの南の国の楽園などはなかった、その南の国の楽園はゴーギャンが彼の心の中に作ったもので、それを描いたものだあったと思ってしまう。ゴーギャンの罪深さは植民地主義の問題も内包しているのではないかしら。絵は心で感じるものではあるけれども。

などと思いながら、来た順路をさかのぼり、ぼくは再び、リチャード・ドイルのかわしらしい妖精の版画を見に戻っていました。

西洋の木版画 500年の物語 | 展覧会 | 町田市立国際版画美術館
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この前、テレビで横浜の街のぶらぶら歩きをするみたいな番組の中で、バンクシーの展覧会を紹介していた。有名な花束を投げようとする男の作品を見て、そのタレントさんは、石ではなく花を投げろというメッセージかなと言っていたのに、ぼくは驚いた。この花束を投げる絵のメッセージは、命すらも脅かされる抑圧の中にいるパレスチナの人々にとって、せめてもの石つぶてを投げることは、花を投げているに等しいことなのだというようなことだと了解していたのだが、タレントさんとぼくとの感じ方はまったく逆で、だからこそアートは素晴らしい。

ぼくも「バンクシー展 天才か反逆者か」に行ってみた。若い人たちがいっぱいで、びっくりした。バンクシーのような左よりの作家の展覧会などは、今時はがらがらだろうと思っていたのだが、新型コロナウィルス禍の中、事前予約の入場制限はあるものの、若い人たちでごったがえしてした。ちなみに「左より」とういうのは、バンクシーが自身の作品を指して言った言葉でもあります。

展覧会を見ながら、このようなアーティストを生み出したイギリスという国はなんて自由な国なんだなと思う。もしかして、アメリカよりも自由であるのかもしれない。昔、ユーチューブで、BBCにどうしてBBCは公共放送にもかかわらず、番組の放映終了の時、国歌を放送しないのかという抗議に、BBCのアナウンサーは、では私たちの「God Save The Queen」を放送しましょうと言って、セックスピストルズの「God Save The Queen」をかけたのには、びっくりした。

イギリスの半世紀前の小説家、ジョージ・オーウェルの名作「1984」や「動物農場」、「カタロニア賛歌」を思い出し、それらと同じく、バンクシーの鋭い批評眼が作品を芸術にまで高めているとも思える。

壁に塗りたくっているジョー・ストラマーみたいなバンクシー。自由じゃなければ、生きていられない。

Stay Free!

バンクシー展 天才か反逆者か
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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