えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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神奈川新聞「時代の正体」取材班の編集による『ヘイトデモをとめた街 川崎・桜本の人びと』を読了しました。

ラストの章「デモ中止」には本当に感動しました。

憎悪に愛であがなった桜本の人たちに躊躇なくぼくはエールを送りたいと思います。やっぱ、「どっちもどっち」とか言っていたんじゃだめなんだ。

この戦いに愛によって勝ちつつも、人びとの架け橋となるべくして生まれ育ったふれあい館には、まだ卑劣な脅迫の手紙が最近もまた来ていると、神奈川新聞の紙面で知り、さらにぼくは桜本の人たちを応援しているのです。この拙文もそのようなために書いているようなもの。

未来は勇気ある行動でバックラッシュを押し返した桜本の人たちと有形無形で彼らたちを支えるそんな人たち、ぼくたち、わたしたちの手の中にやってくるに違いない。フーレー、フーレー!!







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国際環境NGO FoE Japanの発行した68頁の冊子『福島の今とエネルギーの未来 2021』を読みました。

表紙のイラストはこの前、もやい展で原画を見た鈴木邦弘さんの絵。

特集「3・11から続く道」で文章を寄せられている福島で東日本大震災の震災にあわれた五名の方々の文章が生々しくも、誠実を感じさせられるものでありました。

「トピックスと解説」では日本と世界の原子力発電をめぐる1年間の動きを読めました。日本はこの10年、何も変われずに、いろんな面で世界から取り残されていって、後退しているようにも感じます。

「原発の稼働状況 東日本では「原発ゼロ」」では西日本で数基の原発が稼働されてしまっているのを知りました。大飯原発、玄海原発、川内原発。いつかまた事故が起こるような気がしてならない。二度目の過酷事故でやっと多くの日本人は気づくのでしょうか?

あー、わが国土に暮らす、わが国の人たちよ、無関心は力のある人たちによって狂わされた無知でもあるのではなかろうか? リタイア後に大好きな日本からの移住すらも考えてしまう、ぼくは悲しいです。

「福島の今とエネルギーの未来 2021」発行! | FoE Japan

国際環境NGO FoE Japan
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山田孝子さんの著した講談社学術文庫本のの『アイヌの世界観「ことば」から読む自然と宇宙』を読了しました。アイヌのことを知りたいと思い、こんな本を読み始めたのですが、『アイヌの世界観』は本格的な学術文献の集成でとても難しく、読むのにとても時間がかかりました。少しだけ「補遺 現代に生き続けるアイヌの世界観」から、山田さんの聞いたアトゥイ(豊岡征則)さんの言葉を引用します。

「すべての生き物は自然の摂理の中で役割を担い合うものである」

「アイヌの精神は我々がお互いに育みあう世界(ureshipa moshiri)に生きるという考えに基づいている」

「アイヌのアミニズム的考えの方の神髄は他者を尊重し、敬うことにあり、それは《共生》の哲学である」

ぼくのアイヌの人たちと出逢う旅は始まったばかりです。






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中筋純さんの写真集であり、文章も載せられ『コンセントの向こう側』を読みました。

コンセントの向こう側には何があるのか? 事故を起こした原子力発電所があって、今でも放射能ただよっている帰還困難の地となり、そのようなところを中筋さんは10年間、写真に撮り続けている。

日本とはこんなところでもあると、ぼんと日本のなにがしかを差し出されたような感じでもあり、ぼくは何度もその写真集を食い入るように見てしまうのです。復活となった駅のセレブレーションの後、人の去った後の駅前に現れた一匹の狐の写真に、言葉を越えたリアルを感じ、じっと見つめずにはいられない。この写真に添えられた中筋さんの文です。

「2020年3月14日、聖火リレーの直前に常磐線が全線開通した。新しくなった二葉駅。だが、こけら落としの賑わいが醒めた駅前はぼくと古狐のふたりっきりだ」

目をそむけることはもうやめようとも思う。なんとも言えないような世界にぼくは生きていて、そんな現実から目をそむけさせようとする力を持ったあの人たちがいるとしても、明日のためのてがかりは、ぼくたちで見つけるしかないのだと思う。

そこにまた、現実の悪いニュースが入ってきました。福島第一原発のトリチウムなど含む水海洋への放出の政府の方針が決められたそうなのだ。そして、原子力発電所の再稼働が進められる。そんなこの日本という国のありようと、それによって未来の命を育たぬようにするかのごとく、何か、大切なものごとが刈り取られていくようでもあるのに困惑する。いつかぼくの知った水は誰のもの、土はだれのもの、それは未来からの借りもの、というネイティブアメリカンの言葉は、日本の事故を起こした原子力発電所と、そこからあかあかとした明るすぎる電気を受け取ってきていたぼくたちへの向けられているかのようなのだ。






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「もやい展」で三冊の本を買いました。絵本やら画集です。厳しい現実を見つめたどの本も素晴らしい。一言そえてご紹介します。

文 葉方丹 絵 山内若菜『ウマとオラのマキバ』


放射能により死んでいく馬たちのことの絵本です。悲しすぎる話なのですが、読み終われば、ぼくの魂が浄化されるようでもあります。

小林憲明『ダキシメルオモイ』


親が子を抱きしめている絵の画集です。お母さんたちの少しの文もそえられています。本当の愛を感じました。

絵・文 鈴木邦弘『いぬとふるさと』


避難してきた犬が飼い主のおじさんと被爆した町を訪れるお話です。かわいい犬と灯りのともらない変わり果てた町の悲しさ。切々と胸に迫ります。

おやすみZZZzzz.....
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佐久間裕美子さんの『Weの市民革命』を旅先の宿で一晩で読みました。

この本を読んで、アメリカで革命が起きつつあるらしい、といことを知りました。革命が大げさならば、1960年代以来の社会の変動が20代、30代の若者たちが引っぱられて、今、起きつつあるらしい。それは暴力を伴わない革命で、例えば、Black Lives Matter(黒人の命は大事)のムーブメントでたくさんの白人がプラカードを持って、去年、街頭に飛び出した。ダイバーシティー、環境問題、海外での労働者搾取に関する抗議する不買を伴う消費者運動の広がりに大企業も無視することはできなくなった。この本に書かれた佐久間さんの率直な問いかけはこのようなものです。

「気候問題やパンデミックがもたらす新たな時代の課題を、現状の資本主義のシステムが解決してくれるのだろうか」

そして、かの地ではこうも叫ばれているらしい。

「自分以外の誰かのために、声を上げたり、行動を起こすから、「We」なのだ」

共感します。

と同時にぼくは3人の歴史上の日本人思い出してもいた。左派の側からの批判も多いけれど、『論語と算盤』の中で金儲けよりも倫理の方が大切だと説いた渋沢栄一。粉ミルクの製造にどれだけ多くの人が関わり、結ばれ合っているか、という話も登場する『君たちはどう生きるか』を書いた吉野源三郎。そして、「資本主義も社会主義もどちらも人間の尊厳や自然環境に対する配慮が足りない」といい、「社会的共通資本」の必要性を説いた、今年で没後6年となる経済学者の宇沢弘文。この早すぎた経済学者の彼が復活して今のアメリカの若い人を動かしているかのようでもあるのだ。

やっぱ、本当の革命は始まったばかり。






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石牟礼道子さんの著した『水はみどろの宮』を読みました。この本には「水はみどろの宮」と、その続きの「花扇の祀」の二編が収められ、石牟礼さんが、子どもたちに読んで欲しいと、一世紀以上前の肥後の国、阿蘇の山の森のどこか、今の熊本県のある女の子を主人公にして書いた本なのです。けれど、まがりなりに大人のぼくが読んでも、胸にじーんときました。

近代の日本になって失われた豊かで大切なものごと、命の響き合いがこの『水はみどろの宮』の物語にはあふれています。

石牟礼道子さんは今はもう亡き人で、この『水はみどろの宮』、「花扇の祀」の続きは書かれることはないのだけれど、読み終えて、本を閉じる時、ぼくはまたどこの人里離れた山の森のどこかで、おじいさんに育てられている女の子、お葉や片目の真っ黒な山猫のおノンに会えるような気がしました。お葉やおノンはこの天変地異が続き、疫病はやる日本のどこかにまだいる、そんなことをぼくは想像してしまう。

石牟礼道子さんの「あとがき」に書かれた真摯なメッセージを引用して、この拙文を締めくくります。

 私たちの生命というものは遠い原初の呼び声に耳をすまし、未来にむけてそのメッセージを送るためにある。
 お互いに孤立した近代人ではなく、吹く風も流れる水も、草のささやきも、光の糸のような絆をつないでくれているのだということを、書き表したかった。とは言っても、風はともかく、草の声、水の声も聴きとれなくなった日本人のなんと多くなったことだろう。
 水俣のことで長い間、沈潜している思いがある。エネルギーをたくわえ、自分自信を炊かなければならない。そんな火を炊く祈りの場所を『水はみどろの宮』ときめて、わたしは、山の精たちをここに呼び出した。
 
 
 
 
 

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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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