えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

クリストファー・カーの著した『最期に見る夢―終末期体験の奇跡』を読みました。友人の島田啓介さんが訳しています。アメリカのホスピスの医師の書いた本です。
延命治療を絶って、日々を過ごし人たちの見た夢や会話から人生とは何だろう、と考える。読み進めるのが時に辛くなる。特に「死を語る子どもの言葉」など。それは誰にでもやってくることなのだけれども。
ぼくはフロイト、ユングの説く夢に関心があって、ユング派の医師である河合隼雄さんの本は本当にたくさん読んできたけれど、この『最期に見る夢』を読みながら、夢とは解釈したり、分析、解析したり、ましてや、それで占ったりするものではなく、そのまま感じ、生きるものではないだろうか、と思いました。
「夢の解釈を越えて」の章の献辞、アメリカのカトリック教会、厳律シトー会(トラピスト)の修道司祭、作家のトマス・マートンの言葉をあげて、この拙文をしめくくりたいと思います。
「人生とは問題を解くことではなく、神秘を生きることだ。」


ぼくの通う心身統一合氣道会雄心館町田道場、その心身統一合氣道会の会長であられる藤平信一さんの著された本『心と体が自在に使える「気の呼吸」』を読みました。
普段、雄心館の館長であられる吉田雄二館長のいわれておられることと同じことが、書かれております。
そこに仏教の禅にも通じる世界観、哲学がちらほらと結び合わされ書かれてもおります。気を臍下の一点に合わせ、そして、忘れてしまいなさい、と説く。その心は一点にもとらわれてしまってはならない。養生に何も無理をすることなかれ。
この『気の呼吸』に書かれておりました「菜根譚」の一説を引用しつつ、この本の紹介いたします。
「風、疎竹に来る 風過ぎて、竹に声を留めず」
技だけではない合氣道、この言葉は合氣道の心のひとつでもあるようなのです。


谷内六郎館のある横須賀美術館で購入した二冊の本『谷内六郎 いつか見た夢』と『谷内六郎のえのぐ箱 想像のひきだし』を読みました。
今年で谷内六郎、生誕、100年だそう。絵を見れば、谷内六郎は今でも生きていて、はにかみ、微笑んでいて、子どもたちと遊んでいる。そう、谷内六郎のたくさんの絵が載せられたこの二冊の本は読むと同時に見るものかもしれません。しかも、何度もそのつかの間の昼間の夢のような絵を見て、いつまでも眺めていたくなります。
この前、横須賀美術館で見た谷内六郎の大規模な展覧会では、なぜか、若い人たちもたくさん見にきていたのだけれど、その理由は『谷内六郎 いつか見た夢』の本の帯にあるように「懐かしいのに、新しい」からなのかもしれません。ぼくは何度も、この二冊のページをめくってしまう。


石井妙子さんの著した『魂を撮ろう ユージン・スミスとアイリーンの水俣』を読了しました。
この本は、今、話題のジョニー・デップの主演した映画『MINAMTA -ミナマタ-』のユージン・スミスとアイリーン・スミスの3年間の水俣での活動をとらまえたノンフィクションなのです。映画『MINAMTA -ミナマタ-』のスミス夫妻に起こったできごとと実際のできごとの違いを越えて、映画『MINAMTA -ミナマタ-』は二人をよく描き切った素晴らしい映画だとも思いました。
この本にもどり、それにしても、「第四章 不知火の海」を読みながら、国とか企業とかって、時に恐ろしいものだと思います。それでも、その巨悪と、今と未来のため、今いるものと、明日くるもののために戦わなくてはならない時がある。そう、そんな時、心の不安定な、癒されぬ傷をかかえた青春のとばちりの女子と、昔日の栄光の伝説も遠くなり、世界から忘れかけられていた、心の壊れた写真家がニューヨークで出会い、恋に落ち、遥か日本、水俣の旅に出る。3か月のはずの旅は3年間の長旅になった、その旅の地、水俣には海を糧にして生きる、命を奪われるほどの巨悪に苦しめられる人たちがいて、二人はカメラを武器に戦い始める。ユージンはこれが最後の旅となるのも知らず、カメラのシャッターをきりつづけ、それは晩年の偉大な仕事となる。
面白かった。『MINAMTA -ミナマタ-』以上に『魂を撮ろう ユージン・スミスとアイリーンの水俣』は素晴らしい。




中河伸俊さんの著した『黒い蛇はどこへ 名曲の歌詞から入るブルースの世界』を読了。35曲のアメリカのブルースの歌詞が取り上げられていて、読むと、ブルースの不思議な魅力が輝き始めます。間男の誘いなどの日常の些事(ロバート・ジョンソンの「うちの台所へお入り」)から、人類が月に宇宙船で降り立った社会のこと(ハウリン・ウルフの「月のクロ助」)まで、なんでも歌うブルースは素晴らしい、とあらたにぼくは認識しました。おいらの今の楽しみだってブルースとフライフィッシングだよ。この本の「あとがき」に中河さんが書かれているように、ぼくもリトル・ミルトンに合わせてこう唱和したく存じます。「Hey, Hey, the blues is alright!」


ブレイディみかこさんの著した『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』を読む。面白くて、旅先、忍野村の宿で、一気に一晩で読んでしまった。旦那さん、みかこさんいうところの配偶者、そして、この本の主人公でもあるぼく、みかこさんの息子とみかこさんの在英生活記。
こういうのを読むと、日本は30年間、いろんなことが止まってしまっているようにも思え、後塵に期してしまった国であることを悩ましく考えてしまう。アフガニスタン、ミャンマー、香港のように、時代が急に逆戻りしてしまう国もある。マレーシアの大統領から"Look east"といわれ、日本の経済発展を羨望され、手本とされたことも遥か昔に過ぎ去った。入国管理所でいじめ殺されたスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんのことが申しわけなく、悲しい。日本も今や、とても遅れています。アジアのみなさま、進みはジグザクだけど、がんばって行きましょう。
さて、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』にもどり、やはり、英国と日本のあらゆるところの違いに驚く。と同時に、少しづつ子が親から離れていく、その時の物語でもあった。ぼくが中学生のころはどうだったけかな? 中学三年生の時、ぼくはパンク・ロックに出会ったんだ。
改めて日本が好きなぼくは、6章の「再び、母ちゃんの国にて」に日本のこれからの希望の一筋を見つけた気がしました。


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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


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