えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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吾妻光良さんの著した『ブルース飲むバカ歌うバカ[増補改訂版]』を読みました。読みながら、吾妻さんのブルースという音楽への愛を感じていました。そして、ぼくもブルースという音楽が大好きです。

この本を読んで、吾妻さんが絶賛するブルースマン、ブルース・ギタリスト、あまりぼくが聴いたことのないアルバート・コリンズのモダン・ブルース・アルバムなども買ってしまって、読後感に浸りながら聴いてしまいます。

さて、「ブルース飲むバカ歌うバカ」という変なタイトルですが、「増補改訂版あとがき」によれば、ビッグ・ジョー・グリア―さんの歌う“Drinkin' Fool”だそうで、『ブルース飲むバカ歌うバカ』から吾妻さんの訳した歌詞を引用します。

♪ 俺が酔っぱらってる時には ブラックコーヒーをくれ
  そう、俺が酔っぱらってる時には ブラックコーヒーをいれてくれ
  でも俺がシラフの時にゃあ きつい酒をくれ
  ママ、だってお前知ってるだろ 俺は飲みまくるバカなんだから
 
  俺が寂しい時には ベイビー、黙っててくれよ
  そう、俺が寂しい時にゃあ ベイビー、口をつぐんでてくれ
  でも俺がハッピーな時には ちょこっとギターを弾いてくれ
  ママ、だってお前知ってるだろ 俺は歌いまくるバカなんだから
 
  俺が死んじゃっても 棺なんかは買わないでくれ
  そう、俺が死んじゃっても 棺なんかはいらないさ
  俺の体を川に投げ込んでくれよ
  ママ、だってお前知ってるだろ 俺は泳ぎまくるバカなんだから ♪

ブルースはいつもおあとがよろしいようで。

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水口憲哉さんの著した『桜鱒の棲む川 サクラマスよ、故郷の川をのぼれ!』を読みました。この本は、東京海洋大学の名誉教授であらせられる水口憲哉さんの、日本の河川から姿を消しつつあるサクラマスをどうやって再生させたらよいのか、その学術研究の成果がいくつものエッセイとして書かれた、少し難しい内容でありました。

「サクラマスよ、故郷の川をのぼれ」というのは、サクラマスというのは生まれたところの川から海にくだり、半年か一年を過ごしたあと、生まれたところの川を遡上する、その性質を述べた言葉で、あくまでも、サクラマスの故郷の川であって、観察者である人間にとっての故郷ではないところに、水口憲哉さんの生物に対してのやさしさを感じるようで、ぼくはうれしくもなる。

水口憲哉さんと同じく、ぼくも、原発を作り続け、ダムを作り続け、川を荒らしつづける日本の政治と行政に異を唱えたいと思う。環境省と水産庁が特定の魚を行政と政治、利権の都合によって、レッドデータブックの絶滅危惧種に出したり入れたりしているということをこの本『桜鱒の棲む川』で知り、その昔から続くご都合主義に唖然とする。「国破れて山河在り」というけれど、この三十年間、国政の失政がつづき、しかも、この国は山河すら破壊しつくそうとしているのかな?

『桜鱒の棲む川』にはサクラマスのしたたかな生き延びていく戦略のようなことについても書かれてれていて、それは微かな希の一筋ではあるのだけれども、この本の刊行は2010年でその後の今までの11年がどうなっているのか、とても気になり始めました。






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瀬戸内寂聴さんの著した『句集 ひとり』を読みました。句集と俳句についてのエッセーを組み合わせた本でした。本を読めば、死と孤独の匂いが立ち込め、圧倒されました。よくテレビなどで拝見される楽しいことを語る女のお坊さんの姿は、そこにはなく、その孤絶の厳しい美しさには、読みながらはっと息を呑む。一句だけ引用いたします。

御山のひとりに深き花の闇

これは寂聴さんが色紙にきまって書いていた俳句でもあるそう。「あとがき」に一遍上人の言葉が書かれていた。

生ぜしもひとりなり
死するもひとりなり
されば人とともに住すれども
ひとりなり
添いはつべき人
なきゆえなり







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高森顕徹さんが監修し、高森光晴さんと大見滋紀さんの著した『歎異抄ってなんだろう』を読了しました。あー、吉本隆明の書いた親鸞についての本とくらべ、何と、わかりやすいことかと思いつつ、わかりやすいから、こんなんでいいのだろうかと疑心のわくぼくは、何とも救いがたい人間であることか。この『歎異抄ってなんだろう』は親鸞の語ったことを書いた唯円の歎異抄からいくばくかは離れて、親鸞聖人の説く「信」と「救い」について書かれておりました。この本のおしまいの章に歎異抄の原文が載せられていて、読み返すに、ぼくは、その歎異抄の第九章が一番好きです。ぼくなりに意訳すると、こんな内容なのです。

唯円「アホ禿さま、あっしには阿弥陀さまがお救いくださるというけれど、なんか、うれしいとも何とも感じられなーのです。どういうことでしょうか?」
親鸞「そーか、じつは、わたしもそれ、同じなんじゃ。なーんもうれしくもないし、信じているかもうたがわしい。そんな愚かで、いつもくよくよ悩んだりするあたしも阿弥陀さまは救ってくださった。なのとも頼もしいと思えませぬか、唯円ちゃん」
唯円「そうですな、なんか頼もしく、楽しく、うれしくなってきちゃいました」
親鸞「みんな、往生、間違いなしじゃ」

これは、落語のやっさん、くまさんですな。おあとがよろしいようで。






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吉本隆明の著した『親鸞の言葉』を読了しました。吉本隆明の本は愚鈍なぼくには難しくてよく内容が入らないし、心にも響かないから、読むのはやめよう、などと思いつつ、仏教、そして、浄土真宗や親鸞には関心があって、読んでしまった。

よかったのは、吉本の現代語訳の「教行信証」でした。とてもわかりやすかったです。ただ「[中略]」となっているところが多い。完全にすべてが訳された吉本隆明のの現代語訳の「教行信証」を読んでみたいが、すでに吉本隆明は故人となり、かなわぬこととなってしまっている。ちなみに、浄土真宗の葬式の時に僧侶が唱えるのは経文ではなく、この「教行信証」なのです。

この本には「『最後の親鸞』からはじまりの宗教へ」と題された中沢新一さんとの対談が載せられているけれど、二人とも麻原彰晃こと松本智津夫のオーム真理教にやられ、もっていかれたしまった。ほかに、この対談の中で小林秀雄の最後の著である『本居宣長』を煽上げていて、なにが、「もののあわれ」かとぼくは思ってしまう。

昔、吉本隆明と花田清輝との論争で、花田清輝は、真円より楕円の方が豊かだと書いていたけれど、ぼくも真円より楕円が好きなのです。






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瀬戸内寂聴さんの著した『寂聴精撰 美しいお経』を読みました。

こういうのを読むと、本当に寂聴さんはお坊さんだったのだなぁ、と思います。批評や難しい解説とかが書かれていないから、寂聴が心をこめて選んだお経が、その美しさとともに、ぼくの心に違和感なくすーっと入ってきて素晴らしい。

僭越ながらも、ぼくは寂聴さんを、なぜか、同じ何か大切なことのためにの戦っている同志のようにも感じていました。

巨星は堕ちたのではない。瀬戸内寂聴さんという星は、夜空をどこまでも高く昇っていてって、輝き、この暗い世界で正しい方を指し示す羅針盤の針のようでもあり、今、世界を照らしてくれているかのようでもあるのです。






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李琴峰さんの著した真新しい芥川賞受賞作『彼岸花が咲く島』を読みました。日本は言霊の幸ふ国です。この本の帯にこんな言葉が謳われておりました。

「流れ着いた島では<ニホン語>と<女語>、二つの言語が話されていた―」

不思議な小説のおしまいのところで、びっくりするようなことが綴られていて、それが暗い雲の陰る東アジアの一筋の希望のようにも思えました。言霊の幸ふ国に新たな小さい美しい物語が付け加わったかのようなのです。本の装丁もとても美しい。

読み終えたら、ふと、中上健次が生きていたらこの小説をどう評していたのでしょう、と考えていました。中上健次ならば、輝ける才能の李琴峰はもっともっと先に行けると咤激励していたと思います。

今は、注目すべき新たな新進作家、李琴峰に芥川賞受賞、おめでとう、と祝いの言葉をのべ伝えたく思います。






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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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