えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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ニ月三日、新宿末廣亭で令和八年ニ月上席昼の部です。見た演目です。前座の三遊亭東村山くんの「平林」、二ツ目の三遊亭歌彦くんの「動物園」、三遊亭わん丈師匠の「一目上がり」、こばやしけん太さんの音まね漫談、春風亭 一之輔師匠の「桃太郎」、古今亭志ん輔師匠の「宮戸川」、風藤松原のお二人の漫才、春風亭正朝師匠の「蔵前駕籠」、柳家さん喬師匠の「替り目」、アサダ二世さんの奇術、古今亭志ん彌師匠の「不精床」、五街道雲助師匠の「狸賽」でお仲入りです。二ツ目の三遊亭伊織くんの「寄合酒」、笑組のお二人の漫才、三遊亭圓歌師匠の「夜間工事中」、林家木久扇師匠の「明るい選挙」、入船亭扇遊師匠の「蛙茶番」、柳家小菊さんの三味線弾きの、唄いの粋曲、主任は三遊亭歌奴師匠の「掛け取り」でした。

とくに印象に残った演目でごさいます。春風亭 一之輔師匠の「桃太郎」とそれにつづく古今亭志ん輔師匠の「宮戸川」で早くも笑いのピークとなりました。林家木久扇師匠の「明るい選挙」は何度、聞いても面白いなあ。三遊亭歌奴師匠の「掛け取り」のきれいな滑稽噺で、大笑い。

暗いこの世のつらさ忘れ、寄席は心のオアシスです。
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芥川賞作家であり、臨済宗の僧侶であらせられる玄侑宗久さんが監修・解説し、水野聡さんの訳した『現代語訳 十牛図』を読みました。中国の宋の時代、十二世紀に廓庵師遠禅師の著した『十牛図』の十のそれぞれの「序」と「頌」を水野聡さんが分かりやすく現代語訳し、それぞれに「鑑賞」として、玄侑宗久さんの簡素な解説が付けられています。今までにいろいろな「十牛図」に関する本を読みましたが、読んでいると簡素である利と理を感じつつ、何事にも偏ることのない、この『現代語訳 十牛図』が一番、よかったです。手元に置いておいて、何度も読みかえしたくなる本が見つかりました。あー、京都の相国寺承天閣美術館で実物の「十牛図」が見てみたい。

現代語訳 十牛図 | 書籍 - PHP研究所
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国立能楽堂で能楽を見ました。今日、見た能楽は、能の観世流「當麻」、狂言の大蔵流「文蔵」、能の金剛流「妻戸」でございます。能を二本見るという変わったパターンであります。

「當麻」は奈良の当麻寺に伝わる捨てられた皇女の中将姫の霊異譚。前場では僧侶が廃寺の当麻寺に訪れると、阿弥陀如来と観音菩薩が老尼と女の姿で登場し、後場では菩薩となった中将姫が美しい舞を披露する、「南無阿弥陀仏」もありがたい浄土宗の他力本願の信仰をテーマとした作品。 2時間ほどある能で、ぼくは、前場ではうとうとと、しばし居眠りしてしまいましたが、大作にして世阿弥の名作であります。

「文蔵」は、無断で旅に出た太郎冠者が主人に叱られ、京都で伯父に振る舞われた食べ物の名前を思い出せず、問い詰められるという滑稽話。

「妻戸」は、菅原道真にまつわる怪異と霊異の話で、ついには菅原道真の霊は、人の世の幸福を願い、舞を踊る。

20分の休憩を合わせると、全部で4時間、素晴らしい舞台芸術を堪能しました。

「當麻」や「妻戸」を見つつ、ぼくは、古来、日本人には「天国」と呼ばれるところはなく、あるとすれば「浄土」なのだ、と思う。しかも、「浄土」は河ではなく、小さな川により、この世と隔たっているにすぎず、あの世とこの世は地続きで、あの世からはこの世の安穏を願われているのだ。ありがたや、ありがたや。
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VODで小津安二郎監督の『秋日和』を見ました。1960年の映画です。冒頭、東京タワーが映し出されます。そういう年だったんだ。敗戦で焼け野原となった15年後に、こうなった、その風景に驚きます。

小津のいつもの嫁を送り出す話でした。送り出す夫を亡くした母を原節子が演じ、送り出される娘は司葉子が演じております。司葉子の娘の友だち役が岡田茉莉子が演じていて、これが面白い。物語を動かす、いつもは杉村春子が演ずるような役回りです。岡田茉莉子はある宴席で野球好きな小津安二郎に俳優で四番バッターは誰ですか、と聞いたことがあるそうです。小津は、やっぱり杉村春子かな、と答え、杉村春子がいないと物語が始まらない、とも付け加えたそうなのです。岡田茉莉子、早くも四番バッターか? この『秋日和』の岡田茉莉子は面白くて、可笑しくて、楽しい。

悪巧みをする三人のおじさんたちを、佐分利信、中村伸郎、北竜二の三人が演じていて、とても楽しい。この三人組、以外な人気者ですな。その三人に繰り返されるセリフは「痒い、痒い」。中村伸郎に「痒いところは直ったのかい」と聞かれ、北竜二は「いや、まだ痒いよ」と答えるのには吹いた。

『秋日和』は肩のこらない楽しい名作なのです。
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蔦哲一朗監督の『黒の牛』を見ました。禅の「十牛図」にインスパイアされた日本・台湾・アメリカの合作映画であります。ぼくは「十牛図」が好きで、いろんな解説本も読んでみましたが、本当に納得した本には未だ出会っておりません。近ごろでは、あなたにはあなたの「十牛図」があり、わたしにはわたしの「十牛図」があるのではなかろうか、などと思ってもおります。けれども、いつか京都の相国寺に伝わる「十牛図」は見てみたいものです。

この蔦哲一朗監督の『黒の牛』の「十牛図」ですが、「一、尋牛(じんぎゅう)」、「二、見跡(けんぜき/けんせき)」、「三、見牛(けんぎゅう)」、「四、得牛(とくぎゅう)」、「五、牧牛(ぼくぎゅう)」、「六、騎牛帰家(きぎゅうきか)」、「七、忘牛存人(ぼうぎゅうぞんじん/ぼうぎゅうそんにん)」、「八、人牛倶忘(じんぎゅうぐぼう/にんぎゅうぐぼう)」とたどりながら、空気すらも感じさせるモノクロの映像が美しく、なかなかのものでごさいました。セリフのほとんどない映画にもかかわらず、以外に眠くもなりませんでした。そして、「九、返本還源(へんぽんかんげん/へんぽんげんげん)」と「十、入鄽垂手(にってんすいしゅ)」では映画的な驚きの展開ともなり、また一つ、新たな「十牛図」が、ぼくの胸に深く響いたようでもあったのです。

映画「黒の牛」公式サイト - alfazbetmovie.com
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VODで大島渚監督の『日本の夜と霧』を見ました。1960年の映画です。公開開始後、4日目に会社の自主規制により、上映禁止とされた映画は、その後、数年間、日の目を見なかったという。結婚披露宴を舞台に1960年の安保反対闘争の敗北へとつらなる学生運動が告発されながら語られる会話劇は、「若者よ 身体を鍛えておけ 美しい心が 逞しい身体に からくも支えられる時が いつかは来る その時のために 身体を鍛えておけ 若者よ」という歌詞が何度もリフレインされつつも、異様な緊迫感で、ぼくは圧倒されてしまう。学生運動が肯定的には描かれてはおらず、その内部から批評的、批判的に描かれていて、その内実は、1970年の学生運動の内ゲバと連合赤軍同士リンチ殺人事件により、終焉していく、それを予言しているかのようなのだ。『日本の夜と霧』の上映禁止を受け、大島渚は松竹を抗議のために退社する。所謂「松竹ヌーヴェル・ヴァーグ」の崩壊。そして、大島は1960年代に、自主製作により、猛スピードで何本も映画を作り続け、時代を疾走する。
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東京証券会館ホールで『師弟四景〜雲助一門〜』でした。見た演目を書き出してみます。前座の隅田川わたしくんの「狸の札」、蜃気楼龍玉師匠の「鹿政談」、五街道雲助師匠の「二番煎じ」で仲入りです。隅田川馬石師匠の「締め込み」、主任は桃月庵白酒師匠の「抜け雀」でした。

主任はてっきり人間国宝の五街道雲助師匠がとるものかと思っていたのだけれど、そうでもないのですな。そういう飄々とした無頼の心の雲助師匠が素敵だし、その師匠ぶりも素晴らしく、桃月庵白酒師匠、隅田川馬石師匠、蜃気楼龍玉師匠という別々の味の名人を育てたなんざ、まさしく国宝だ。さて、今日の落とし噺、どの噺もはしょらない長講で語ってくれたのが嬉しい。とくに桃月庵白酒師匠の「抜け雀」は大好きな噺です。楽しかった。

暗いこの世のつらさ忘れ、落語は心のオアシスです。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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