えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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内田樹さんの著した『武道論 これからの心身の構え』を読了しました。武道家としての立ち位置から内田樹さんが、社会や人生、政治、生活などいろいろなもの、いろいろなことを論じ、感想を述べておられ、随所でぼくはなるほどと思わされます。

柔道の講道館の嘉納治五郎先生について、記述もあり、鹿鳴館的な西洋化によって途絶えようとしてた、日本の美しい何かが、偶然のような必然によって、再発見され、存することができたことも、この本によって知ることができました。この『武道論』には登場しないのですが、合氣道の植芝盛平先生もしかりですな。

今、内田樹さんの書棚には北一輝、頭山満、権藤成卿、宮崎滔天といった人たちの本が増殖しつつあるという。極めて右翼じゃんか。彼らとくらべるに、今の日本に瀰漫しているナショナリズムは空疎のように感じるともいう。本格的な研究成果が待たれます。

白川静の「富貴」や鈴木大拙の「大地の霊」について書かれ、その博学と、武道家の視点からの独特の視点が面白い。

灘高の文化祭での高校生からインタビューがあり、そのまま口述筆記されていて、東日本大震災の話から奥羽越列藩同盟の話ともなり、出色。その中で武道について内田さんはこういっている。引用します。

「武道というのは、危機的状況をどうやって生き延びる、その能力を開発するためのプログラムですから。ルールがあるところでライバルと競争するためのものじゃない。危機を生き延びる力を養っている。
 だからよく「どうして合気道では試合がないんですか?」って訊かれるけど、武道ですから、あるわけがない。試合があるのはスポーツでしょう? アリーナがあって、レフェリーがいて、ルールがあって、時間制限があって、何月何日何分試合開始って決まっていてやるのはスポーツ。武道というのは、いつ、どこで何が起こるかわからないという条件で、そのときに生き延びるための心と体の使い方を学ぶものです。」

この本にはこれからの日本をよい日本人としてどう生きるかということについて、たくさんのよいヒントが書かれております。

武道論 :内田 樹
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小林エリカさんの著した『女の子たち風船爆弾をつくる』を読了しました。特殊で特別、美しく詩的な文体で綴られる、戦前・戦中・戦後記でありました。美しい叙事詩のような記述からの読後感は重く、打ちのめされるかのようで、深く感動しました。戦争の記録ではあるけれど、戦争のヒーローは一人も出てこず、戦争遂行者には冷めて批評的で、市民の戦争責任のことも市民の視線から綴られております。内容の紹介のために目次を引用します。

プロローグ
第一幕 昭和十年― 1935-
第ニ幕 昭和十七年― 1942-
第三幕 昭和二十年― 1945-
エピローグ

なんともいえない余韻を残す『女の子たち風船爆弾をつくる』は新しい文学にして新しい小説、新しい詩であるかのようでもあるのです。

『女の子たち風船爆弾をつくる』小林エリカ | 単行本 - 文藝春秋
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静岡大学大学院で植物学を教えておられる稲垣栄洋さんの著した『生き物にとって死とはなにか』を読みました。どのような本なのかを表すに長くはなりますが、目次を記してみます。

 1章 どうせ死ぬのに、なぜ生きる
夏の終わりとともに命が尽きる――カブトムシ
アスファルト上の望まぬ最期――ミミズ
新しい葉を出し続ける目的――ダイコン
生きてきた道に輝きを残す――カタツムリ
食われるものの生き抜く恐怖――野ウサギ
命を謳歌する最後の夏――セミ
敵だらけの世界で守りたかったもの――クマ
 2章 「死に方」は悲喜こもごも
ふるさとを目指す月夜の長旅――ヒキガエル
老兵たちのラストミッション――働きアリ
年老いた護衛隊は最後まで巣のために――ミツバチ
紛争地域に暮らす小さな命――ハムスター
親元を離れ、心寂しい冒険へ――タヌキ
日本への片道切符で死出の旅――ウンカ
光に群がってしまう悲しい習性――蛾
 3章 誰かの「死」は、誰かの「生」へ
長生きよりも短命を選択した意味――キリギリス
絶滅動物の最後の一頭――ニホンオオカミ
「生」が支配される苦しみ――イモムシ
殺されるために生まれてきた――ウシ
家畜化しても見続けた叶わぬ夢――カイコ
名前もなければ、すみかもない――サンショウウオ
4章 それでも、命のバトンはつながれた
命をつなぐ男たちの生きざま――羽アリ
じっと「死」を待ち続ける勇気――ジョロウグモ
メスに食われながらの命がけの交尾――カマキリ
未来へつながる「死のプロポーズ」――セアカゴケグモ
生き残るために、弱さを選んだ――雑草
我が子を残して立ち去る想い――ネズミ
雪虫は、ただ風に乗って――ワタアブラムシ
 5章 「生きざま」に正解なんてない
ゴールが見えない山で見つけた屍――ザトウムシ
生命のマニュアルが誤作動を起こすとき――アシナガバチ
「自分の命」は、誰のもの? ――大木
死を前にして、何ができるか――ネコ
「生」が循環する毒花の不思議――ヒガンバナ
死なない生き物の「生きがい」――ベニクラゲ
あなたが今を生きている奇跡――X
「老後」が持つ他ならぬ価値――人間

僧侶向けの雑誌『月刊住職』に連載されていた文章でありますが、ぼくは『生き物にとって死とは何か』を仏教書を読むかのように読みました。もっといえば、読後、人生にとっての永遠の書でもあるように思えたのです。この本に出会えたことに感謝、感謝です。

生き物にとって死とはなにか
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林家ペーさんの『ヨレヨレ人生漫談』を読みました。聞き書きしたのはフリーライターの野原広子さんで、一時期、野原さんは林家ペーさんと、林家パー子さんのマネージャーを務めていたそうです。林家ペーさんが自らの人生を振り返りつつ、ペーさんの寄席での漫談のように楽しい本でありました。この本を読んでよくわかったこと、ペーさんとパー子さんって本当のおしどり夫婦ですな。それから、ペーさんって、いい人だなぁ。ペーさん、ありがとう。

ヨレヨレ人生漫談 | 書籍
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手塚治虫の漫画『ながい窖(あな)』を読む。どのような本かなのか、紹介するために本の帯の言葉を引用します。

「手塚治虫の全集未収録作『ながい窖(あな)』。戦前から戦後にかけての在日朝鮮人の姿を通し、忘却された歴史の実態を克明に描き出した1970年初出の重要作が、原稿からの再スキャンによる復刻。作品の時代背景を精緻に紐解く80頁の解説を付し、手塚治虫の現代性を捉え直す。」

二段組の体裁の解説も重要な内容で、今こそ発刊されるべき内容の本書であります。その解説の題を僭越ながらも作者の敬称を略しつつも引用いたします。

差別を見つめる人 手塚治虫【四方田犬彦】
単線的な手塚像の修正を迫る作品【本浜秀彦】
強く日本人であること【李鳳宇】
在日コリアンと日本社会【神谷丹路】
まっとうな世界への序曲【林晟一】
「朝鮮人」の物語を今読むということ【李英美】

この本には、いい意味でとても心揺さぶられました。手塚治虫も今の日本ではある種の人たちから「パヨク」などと呼ばれるのかね? 愚劣な世界になったものだ。右とか左とか関係なく、本書は歴史の反動からの押し戻しのとても重要な何かであろう。初版はあっという間に売り切れたそう。出版元の方々、重版をお願いします。

ながい窖
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DNAからいきものの過去と現在を読み解く研究者、福島大学共生システム理工学類教授であられる兼子伸吾さんの著した『そのシカ、どこから来たと思います?』を読みました。この前、奈良を旅して、奈良公園のシカを見て、興味を持ち、触手を伸ばした本であります。シカのいろんなことが楽しく書かれております。

「第4章 シカが教えてくれること」では日本のシカやその周りの自然の保全ということについての厳しい内容を述べられております。例えば、兼子先生と同じくに、これから先の1000年の奈良公園のシカの人、自然の穏やかな結びつき、環境が守られていくことを願わずにはおられれません。読了し、ぼくに何かできることはないか、と思案し、本を閉じました。

そのシカ、どこから来たと思います?
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奈良国立博物館で自分へのお土産として買ってきた、金峰山寺修験本宗の宗務総長と執行長であられる五條永教さんの著した『金峯山寺の365日』を読了しました。映像作家の保山耕一さんの制作したDVDも付いております。口絵の写真も美しいこの本は吉野のお山への旅を誘うかのような本でありました。その旅に誘うかのような本は、祈りを誘うかのような本でもあります。

金峯山寺の山伏さんや東大寺の僧侶の方々は「とも祈り」ということをされているそうなのです。宗派、宗教を超えて、「みんな、ようなれ」を合言葉に疫病退散や世界平和を祈念することだそうです。少しこの本から離れて、金峯山修験本宗の管長をされている五條良知さんの言葉です。

「新型コロナウイルス以降、奈良の東大寺様をはじめ多くの方々とともに毎日正午に「とも祈り」をしてきました。場所は違えども、時を同じくして、気持ちを同じくして祈るものです。どなたでもいつからでもご一緒しましょう。南無阿弥陀仏でもアーメンでもかまいません。ごちそうさま、ありがとう、おやすみ、おはよう。こうした挨拶で、随分と日々の生き方が変わってくるもの。分断ではなく、一緒に続けること。蔵王権現様は「過去現在未来を救うてやる」と言っておられます。思い煩っていることをお預けしていいんですよ。それで心身がちょっと軽くなったら、自分が今できることを頑張ってみる。今頑張れたら過去のことが報われます。今頑張れたら未来の道が開け、次世代の子供たちの世界が少し良くなるのです。人が人のために祈る。そういうことが大事だとお伝えしているところです」

とても美しい「信」があるように思えました。金峯山寺では今日も山伏修行の利他行が続けられ、別け隔てなく人びとを救うために祈りが続けられておるようなのです。

金峯山寺の365日

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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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