えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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椹木野衣さんと会田誠さんの対談本『戦争画とニッポン』が面白くて一気に読んでしまった。椹木野衣さんは美術批評家で多摩美術大学の教授であらせられる。会田誠さんは美術家で「戦争画RETURNS」シリーズという問題作がある。

会田誠さんは戦争画の暗い叙情に惹かれると発言しているが、確かにぼくもその魅力を感じるけれど、やはり危険だよ。椹木野衣さんは西洋画の少なからぬ戦争画が名画とされているという指摘になるほどと思う。ドラクロアの「民衆を導く自由の女神」などがその典型であるように、ぼくは思い浮かべる。

この対談を読んでも、藤田嗣治の戦争画についての芸術か否かのぼくのわだかまりは消えなかった。もしかして藤田嗣治のいくつかの玉砕図は本ものの芸術かもしれない。藤田は戦争協力者として、一人で批判を被り、攻撃され、日本をなかば追放された。日本の国籍すら捨てて、フランスで客死。

『戦争画とニッポン』を読みながら、草間彌生さんがあまりにたくさんの国家からの褒章を受けているのに困惑する。さらに、この本によれば、毀誉褒貶の激しい村上隆さんは「俺は藤田みたいになる。最後には国を追われるしかない」とまで言っていたそうなのだ。さてどうなるか?

国家、戦争、芸術を語ったこの本に興味はつきません。

『戦争画とニッポン』(会田 誠,椹木 野衣) - 講談社
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『雲助おぼえ帳 滑稽噺から芝居噺まで厳選55席を語る』を読みました。演芸評論家の長井好弘さんを相手に、この前、人間国宝たる重要無形文化財保持者となられた五街道雲助師匠が、「第一章 落し噺」、「第二章 廓噺」、「第三章 人情噺」、「第四章 世話噺」の章立てで語りまくっておられます。

この実演者による芸談は、もしかして、格好の歴史的な資料であり、後任の落語家たちへのまたとない指南書でもありましょう。素人のぼくのようなものが読めば、楽屋裏の奥深い話題に興味はつきません。とても面白い読みものでございます。

「第四章 世話噺」でたくさん取り上げられているのですが、寄席ではかからない長講の噺もあって、ホールでの落語にも行きたくなってしまいます。雲助師匠はホール落語で「宮戸川」を全編、かけるそうですが、ぼくは寄席では前半の噺しか聞いたことがありません。

五街道雲助師匠の古典落語の探求、研究の凄みも感じられる、そのような『雲助おぼえ帳』なのです。

書籍:雲助おぼえ帳
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塩出浩之さんの著した『琉球処分「沖縄問題」の原点』を読了した。読み進めるのが苦しくなる、そのような本であった。というのも、読んでいくと、150年前のことであるのだけれど、当時の為政者の加害、日本から琉球への日本人の加害に向き合わざるえなくなるからである。それは苦しい。苦しいけれど、日本の文物や伝統の好きなぼくだからこそ、向き合わなくてはならないのだ。嘉手苅林昌の唄う名曲「廃藩ぬ武士」、それが少しは理解できたようだ、というのもぼくの言葉はどうしょうもなく軽い。

琉球処分 「沖縄問題」の原点 -塩出浩之 著|中公新書

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合氣道の道場の先生から勧められ、広岡達朗さんの著した『93歳まで錆びない生き方』を読みました。

野球界の誇る名選手にして名監督の広岡達朗さんには二人のの師がおりました。中村天風と藤平光一のお二人です。藤平光一先生はぼくの通う道場の流派、心身統一合氣道を拓いた人でもあり、藤平光一先生は道場の先生に実際に合氣道を教えた人でもあります。藤平光一先生には二人の師がおりました。植芝盛平と中村天風のお二人です。植芝盛平先生の源流には大本教があり、中村天風先生の源流には玄洋社があります。あらためて、年をとって、すごいところに身をおいたもののだ、驚いてしまいます。

最近、道場で聞くのは「愛」ということです。心身統一合氣道には『誦句集』というとても大切な本がありますが、その中のまず初めに出てくる言葉を紹介いたします。

「一、座右の銘

 万有を愛護し、万物を育成する天地の心を以て、我が心としよう。
 心身を統一し、天地と一体となることが、我が修行の眼目である。

心身統一の四大原則
一、臍下の一点に心をしずめ統一する。
二、全身の力を完全に抜く。
三、身体の総ての部分の重みをその最下部におく。
四、氣を出す。」

王貞治さんの「一本足打法」を生み出されるきっかけとなったのが藤平光一先生の教えあると広岡達朗さんは『93歳まで錆びない生き方』で明かされております。

「一本足打法は「足を上げて勢いをつけて打つためのもの」と思われがちですが、実態はまるで違います。臍下の一点に心を静め、盤石の姿勢で立つためのものなのです。」

なるほど、と思いました。ほかにもためになる話がいっぱいで、『93歳まで錆びない生き方』には心身統一合氣道の氣がいたるところに通っていて、人生を本当に生きるための素晴らしい指南書であります。

『93歳まで錆びない生き方』広岡達朗
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読みかえせば『神神の微笑』での芥川龍之介の卓見は鋭い。この国(日本)の霊の一人がキリシタンの宣教師に語っております。

「私が昔知っていた土人に、柿本人麻呂と云う詩人があります。その男の作った七夕の歌は、今でもこの国に残っていますが、あれを読んで御覧なさい。牽牛織女(けんぎゅうしゅくじょ)はあの中に見出す事は出来ません。あそこに歌われた恋人同士は飽あくまでも彦星(ひこぼし)と棚機津女と(たなばたつめと)です。彼等の枕に響いたのは、ちょうどこの国の川のように、清い天川(あまのがわ)の瀬音でした。」

「しかし我々の力と云うのは、破壊する力ではありません。造り変える力なのです。」

「事によると泥烏須(デウス)自身も、この国の土人に変るでしょう。支那や印度も変ったのです。西洋も変らなければなりません。我々は木々の中にもいます。浅い水の流れにもいます。薔薇の花を渡る風にもいます。寺の壁に残る夕明り(ゆうあかり)にもいます。どこにでも、またいつでもいます。御気をつけなさい。御気をつけなさい。………」

青空文庫でお読みくださりまし。

芥川龍之介 神神の微笑
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画文集『松本竣介 線と言葉』を読みました。この本を読み、掲載されている絵を見て、ぼくは松本竣介という夭折した稀有な画家のことを少しは分かったような気がするのです。しかも、ぼくは、これからの暗雲漂う日本をどう生きていくのかのヒントと貴重な何かを、この戦争に背を向けた若い画家から少しだけもらったような気もするのだった。ただ、もうぼくは、松本竣介に倣って、ひとりぼっちの孤独となっても、世界を見つめることだけはやめまい。それは荒んだ暗い世界への一つだけの残された石礫かもしれないではないか? 松本竣介の絵と言葉は、ぼくの心に無数の突き刺さる何かがあるようなのです。
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中川右介さんの著した『昭和20年8月15日 文化人は玉音放送をどう聞いたか』が面白く、一気読みしてしまいました。この本でいう文化人とは、作家、マンガ家、映画人、演劇人、音楽家といった文化・芸能の分野の著名人のことで、数えあげれば135人が取りあげられていて、三島由紀夫に始まり、黒柳徹子のあと、著者による「あとがき」で了となる。「あとがき」にこんな言葉がある。

「同じ日の同じ出来事が何度も繰り返されるループものは、起きるたびに違いが出てくるところに面白さがある。この本も、同じ放送を同じ日に聞いているのに、反応は人さまざまだ。戦時体制ではあるが、人びとの心はひとつではなかった。」

敗戦を泣くものもいれば、喜ぶものもいる。所詮、人の心とはそんなものだ。すると、タイとガンボシアの国境線で戦争を始めたというニュースが入ってきた。兵士ではない住民も亡くなっているという。戦争は人類の犯す罪悪の愚行だ。

昭和20年8月15日 文化人たちは玉音放送をどう聞いたか
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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