えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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シェリダン・アンダーソンさんと田渕義雄さんの共著の『フライフィッシング教書』を読みました。

読み始めると、以前にいつかこの本は読んだことがあるような、デジャブ(既視感)を感じてしまいました。魚釣りを少しだけかじって、昔、魚釣りの本を読んだことがあるとしても、難しそうなフライフィッシングをしようと思ったことはなく、この『フライフィッシング教書』は決して読んだことはないのに、何か不思議さを感じます。

1979年に初版が出され、2021年の今年で34刷となる、ロングセラーの教科書的名著なのです。シェリダン・アンダーソンさん、田渕義雄さん、二人とも悲しいことにすでに故人となっておられます。この本は「PART1 カーティス・クリーク宣言書」、「PART2 日本のカーティス・クリークのために」、「PART3 わがカーティス・クリークのほとりで」の3つのパートに分かれていて、「PART1」をシェリダン・アンダーソンさんが書かれておられ、「PART2」と「PART3」を田渕義雄さんが書かれておられます。「PART1 カーティス・クリーク宣言書」が初心者にも分かるロバート・クラムの漫画のような楽しいイラスト入りの入門編をかねた実践編。「PART2」と「PART3」はとても専門的で、今のぼくには書かれていることがあまりピンとこないのですが、何年か後に読み返せば、なるほどと溜飲を下げることもできるのでしょうか?

さて、「カーティス・クリーク」とは何でしょうか? シェリダン・アンダーソンさんによればこういうことらしい。

「カーティス・クリークは、文字通りには“カーティスの川”ということ。そして、これはこっそりと釣りにいく川という意味。カーティス・クリーク、それは、冷たい流れにマスたちが泳ぐ、喜びに満ちたどこまでにつづく川の広がり……、誰にも教えない秘密の川、心の川」

「カーティス・クリーク宣言書」のおしまいにシェリダン・アンダーソンさんは、この宣言の読者のぼくにこう課しています。

「きみの最期のレッスンとしてぼくはきみに、きみ自身のカーティス・クリークを発見する仕事を課す。それは喜びに満ちた、汚されていない、何処までもつづく川の広がりであり、きみはその川を他の何物よりも大切にするだろう。この人生には、カーティス・クリークはいくらも存在しない。だから、きみがそれを発見したら、秘密にしなさい」

ぼくはカーティス・クリークを探しにいくぞ。







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ぼくの大好きなシンガー、友川カズキさんの著した『一人盆踊り』を読んだ。友川さんが数十年にわたって、いろんなところで書いた文章や詩を集め、文庫本のしたもので、語りおろしも含んでいる。

いろんな人との交遊も書かれていて、そのいろんな人たちとは、中上健次さん、深沢七郎さん、大島渚さん、たこ八郎さん、篠原勝之さんなど、ひとくせもふたくせもあるぼくの好きな人ばかりなのです。

深沢七郎さんとのラブミー農場でのことなども書かれていて、同じころ、ぼくもラブミー農場に訪問したことを思い出した。その時のラブミー農場で深沢さんと音楽の話になり、ぼくは、最近、友川かずき(当時は「友川カズキ」ではなく、友川さんは「友川かずき」と名のっていた)の歌にすごく惹かれますと言うと、深沢さんは友川の歌はいいんだけどよ、あれは歌かね、むずかしい言葉、使って、歌っちゃってよー、この前、ロッド・スチュワートのコンサートに行ったんだけどよ、歌っていうのは、ロッドとかエルビスみたいにアイラブユーとかアイニードユーとか歌っていればいいんじゃねーの、などとおっしゃっておりました。けれども、『一人盆踊り』を読むと、深沢さんは友川さんの歌について、友川さんへ小包で送った私家版の本『みちのくの人形たち』と『秘戯』に添えられた手紙で、あなたのウタはネンブツですね、とお書きなっていたそう。最高の賛辞ではないですか。羨ましい。

語りおろしで近況を語る友川さんはなんだか楽しそう。五十歳を越えたことから、海外で友川さんの歌が聞かれるようになり、何度かヨーロッパ、アメリカ、アジアにコンサートツアーをしているそうだ。ヨーロッパへは、灰野敬二さん、三上寛さんと回ったそうです。あまりに濃ゆいメンツです。

本のタイトルの「一人盆踊り」で、友川さんは群れることが本当に嫌いだそうな。アメリカをけなしつつ、一人でコンサートを見に来るニューヨークのオーディエンスを友川さんは絶賛していた。それでさ、デモにもライブバーにも一人で行って、一人で帰ってくるおいらって、やっぱ、イケてるんじゃねーの。

友川さん、まだまだ、ひと花もふた花も咲かせてください。







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上間陽子さんの著した『海をあげる』を読みました。これは沖縄で未成年の少女たちの支援・調査をつづけている上間陽子さんが沖縄のことを書いたエッセイで、エッセイというより私小説に近いもの。近ごろ、本を読んで、これほど感動したことはありません。

沖縄の悲しみが心に染みます。絶望から詩が生まれることを知りました。沖縄のように軍機の音をよく耳にする、アメリカ軍の基地のたくさんある神奈川県の相模原に住むぼくも加害者であることに気づかされました。







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神奈川新聞「時代の正体」取材班の編集による『ヘイトデモをとめた街 川崎・桜本の人びと』を読了しました。

ラストの章「デモ中止」には本当に感動しました。

憎悪に愛であがなった桜本の人たちに躊躇なくぼくはエールを送りたいと思います。やっぱ、「どっちもどっち」とか言っていたんじゃだめなんだ。

この戦いに愛によって勝ちつつも、人びとの架け橋となるべくして生まれ育ったふれあい館には、まだ卑劣な脅迫の手紙が最近もまた来ていると、神奈川新聞の紙面で知り、さらにぼくは桜本の人たちを応援しているのです。この拙文もそのようなために書いているようなもの。

未来は勇気ある行動でバックラッシュを押し返した桜本の人たちと有形無形で彼らたちを支えるそんな人たち、ぼくたち、わたしたちの手の中にやってくるに違いない。フーレー、フーレー!!







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国際環境NGO FoE Japanの発行した68頁の冊子『福島の今とエネルギーの未来 2021』を読みました。

表紙のイラストはこの前、もやい展で原画を見た鈴木邦弘さんの絵。

特集「3・11から続く道」で文章を寄せられている福島で東日本大震災の震災にあわれた五名の方々の文章が生々しくも、誠実を感じさせられるものでありました。

「トピックスと解説」では日本と世界の原子力発電をめぐる1年間の動きを読めました。日本はこの10年、何も変われずに、いろんな面で世界から取り残されていって、後退しているようにも感じます。

「原発の稼働状況 東日本では「原発ゼロ」」では西日本で数基の原発が稼働されてしまっているのを知りました。大飯原発、玄海原発、川内原発。いつかまた事故が起こるような気がしてならない。二度目の過酷事故でやっと多くの日本人は気づくのでしょうか?

あー、わが国土に暮らす、わが国の人たちよ、無関心は力のある人たちによって狂わされた無知でもあるのではなかろうか? リタイア後に大好きな日本からの移住すらも考えてしまう、ぼくは悲しいです。

「福島の今とエネルギーの未来 2021」発行! | FoE Japan

国際環境NGO FoE Japan
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山田孝子さんの著した講談社学術文庫本のの『アイヌの世界観「ことば」から読む自然と宇宙』を読了しました。アイヌのことを知りたいと思い、こんな本を読み始めたのですが、『アイヌの世界観』は本格的な学術文献の集成でとても難しく、読むのにとても時間がかかりました。少しだけ「補遺 現代に生き続けるアイヌの世界観」から、山田さんの聞いたアトゥイ(豊岡征則)さんの言葉を引用します。

「すべての生き物は自然の摂理の中で役割を担い合うものである」

「アイヌの精神は我々がお互いに育みあう世界(ureshipa moshiri)に生きるという考えに基づいている」

「アイヌのアミニズム的考えの方の神髄は他者を尊重し、敬うことにあり、それは《共生》の哲学である」

ぼくのアイヌの人たちと出逢う旅は始まったばかりです。






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中筋純さんの写真集であり、文章も載せられ『コンセントの向こう側』を読みました。

コンセントの向こう側には何があるのか? 事故を起こした原子力発電所があって、今でも放射能ただよっている帰還困難の地となり、そのようなところを中筋さんは10年間、写真に撮り続けている。

日本とはこんなところでもあると、ぼんと日本のなにがしかを差し出されたような感じでもあり、ぼくは何度もその写真集を食い入るように見てしまうのです。復活となった駅のセレブレーションの後、人の去った後の駅前に現れた一匹の狐の写真に、言葉を越えたリアルを感じ、じっと見つめずにはいられない。この写真に添えられた中筋さんの文です。

「2020年3月14日、聖火リレーの直前に常磐線が全線開通した。新しくなった二葉駅。だが、こけら落としの賑わいが醒めた駅前はぼくと古狐のふたりっきりだ」

目をそむけることはもうやめようとも思う。なんとも言えないような世界にぼくは生きていて、そんな現実から目をそむけさせようとする力を持ったあの人たちがいるとしても、明日のためのてがかりは、ぼくたちで見つけるしかないのだと思う。

そこにまた、現実の悪いニュースが入ってきました。福島第一原発のトリチウムなど含む水海洋への放出の政府の方針が決められたそうなのだ。そして、原子力発電所の再稼働が進められる。そんなこの日本という国のありようと、それによって未来の命を育たぬようにするかのごとく、何か、大切なものごとが刈り取られていくようでもあるのに困惑する。いつかぼくの知った水は誰のもの、土はだれのもの、それは未来からの借りもの、というネイティブアメリカンの言葉は、日本の事故を起こした原子力発電所と、そこからあかあかとした明るすぎる電気を受け取ってきていたぼくたちへの向けられているかのようなのだ。






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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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