えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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『問いかけるアイヌ・アート』を読了しました。この前、日本民藝館で『アイヌの美しき手仕事』展を見てからアイヌのことがとても気になります。『問いかけるアイヌ・アート』はいろんな人のアイヌの文化にまつわる文集となっていて、著者は池田忍さん、五十嵐聡美さん、貝澤徹さん、小笠原小夜さん、吉原秀喜さん、高橋桂さん、山崎明子さん、中川裕さん。アイヌ文化に携わってきた研究者や作家、アイヌ文化そのものを体現する芸術家、イラストレーターの人たちの真摯な文集でした。そして、カラーのものも含む楽しく美しい口絵もたくさん添えられた楽しい本でした。

さて、21世紀が始まり、20年経ち、20世紀を振り返れば、植民地からのいろんな国の独立の世紀であったようにもぼくには思えて、となれば、21世紀はどんな世紀となってゆくのだろう? 21世紀は少数民族や先住民族の世紀となり、少数民族や先住民族の伝えてきた文化が、つづいていく戦争をもたらす国と国の争い、宗教と宗教の争いを止揚し、光となるのではないかしら?

これは、この本でも紹介されているアイヌの神話です。


これは『問いかけるアイヌ・アート』で文を書いておられる小笠原小夜さんのホームページ。

TAKE ART EAZY! [ TAEZ! ]小笠原小夜

この本で紹介されていた貝澤徹さんも紹介されている二風谷のアイヌの工芸作家のホームページもある。

http://nibutani.jp

そして、中川裕さんが取り上げた漫画『ゴールデンカムイ』のヒロインのアイヌの少女も溌剌として生きている。

https://kamuy-anime.com

ぼくは楽天したい。

この本の中からアイヌ文様刺繡家であるチカップ美恵子さんの言葉を紹介して、この項を了とします。

「美しく気高い祖母の励ましの夢だった。美しく刺繍した着物を広げて、私に説明してくれた。いくら説明しても、のみこめない私を祖母が叱った。祖母の声で目が覚めた。ああ、あのような美しい着物がほしい。天然色の美しい夢を見たのだ」






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この前NHKのEテレの「日曜美術館」で絵本作家の田島征三さんの特集を放映していて、田島征三さんの生き方っていいな、と思い、最新の絵本『つかまえた』を読んでみました。大きな絵本から飛び出しそうな絵で、ぼくも子どものころ、多分、触れて、どっきとしたような(絵本作家のいうところの)命のグリグリを感じましたよ。「日曜美術館」の中でアトリエでできあがった絵本『つかまえた』を見ながら、これはいい、と言う御年八十歳の田島征三さんがとても素敵でした。








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「改訂版 ねじ式 つげ義春作品集」を読む。ぼくが、昔、読んだつげ義春の漫画は小学館から出された文庫本サイズだったから、この週刊漫画本サイズ、B5判のつげ義春さんの漫画は格別のものがある。素晴らしい。

近年、海外でますます高まる評価に、フランスのアングレーム国際漫画祭で特別栄誉賞を受賞しているつげさん。この「改訂版 ねじ式 つげ義春作品集」の巻末にある年表を見ると、長らく翻訳本の出版を固辞していたらしい。近年では海外での作品集の出版がつづき、つげ義春さんは最も国際的な日本の漫画家なのです。

何度、読み返しても飽きません。胸の奥に何かが響いて、瞼が熱くなります。







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熊本の地で永い間、田中正造の思想を研究されている大学の先生でおられる小松裕さんの著した『真の文明は人を殺さず 田中正造の言葉に学ぶ明日の日本』を読みました。人の作り出した二酸化炭素のもたらした熱波によって、地球上のどこかの森が焼けていくこの今の地球に、田中正造の思想は確かに読み返されるべきだとも思いました。田中正造のもっとも有名な言葉です。

「真の文明は 山を荒らさず 川を荒らさず 村を破らず 人を殺さざるべし」

みなさまもどこかで聞いたことがあるのではなかろうか? この本で知った田中正造のこんな言葉にもぼくは実際、驚き、畏怖してしまう。

「吾常に語るに、世界人類はもちろん、鳥獣虫魚貝山川草樹、およそ天地間の動植物は、何一つとして我に教えざるなければ、これ皆我良師なり」

田中正造翁は晩年に渡良瀬の公害問題に奔走していた生涯を「一夢のごとくして」と述懐し、「愛」ということばの書を友人に送ったという。







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大矢英代さんの著した『沖縄「戦争マラリア」-強制疎開死3600人の真相に迫る』を一気に読みました。この前、見た映画『沖縄スパイ戦史』を三上智恵さんとともに共同で監督した人が大矢英代さんで、2009年の時から2020年までの長きに渡った間の「戦争マラリア」の取材記録であるとともに、まぶしいような青春の記録でもあるような本でした。「戦争マラリア」とは軍名によってマラリアのはびこる地域の強制移住された人々が、次々に病死していった史実でもあることで、そこのは、軍というものが住民の生命を惨たらしく犠牲にするのかということでもある。そんな話を重い口を開け、すこしづつ話してくれた波照間島のおじい、おばあとの暖かい心の交流も書かれていた。そして、「最終章 なぜ今、戦争マラリア」で問いかけていることは、とても鋭い。この章から強制移住を経験した潮平正道さんの言葉を引かさせてください。

「戦争になると、国歌は「国」というものを大事にして「民」を犠牲にする。でも、「国」は「民」があって初めて成り立つものでしょう? 戦争になるとね、そんなことは国民は忘れてしまうんですよ。八重山の人たちも、「お国のため」「天皇のため」と言って、マラリアで死ぬと分かっていながら軍の命令に従ったんだから」

そう、戦争マラリアを生き抜いた八重山のおじい、おばあたちは、口々に「また戦争をするんかやぁ」と言っているそうなのだ。今、国が喧伝し始めている敵とする国のこととかを敵として安易に信じてはいけない。

この本『沖縄「戦争マラリア」』の取材の結晶である『沖縄スパイ戦史』は数々の賞も取り、国内では自主上映がつづき、海外の韓国、ドイツ、スイスでも上映され、第二次世界大戦後、もっとも戦争をしている国、アメリカでも上映が始まるそうです。本当におめでとうございます。










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村上春樹さんの『猫を捨てる 父親について語るとき』を読む。今をときめく長年のノーベル賞候補の作家、村上春樹が父について書いた珍しい私小説。

ぼくは、父と男の子の間には何かの物語が生まれる揺り籠のようなものがあるとも思う。歌だってそうだ。ロック・ミュージックには特に父との葛藤を生涯の一つの歌うべきテーマとなってしまったシンガーもいて、浜田省吾から尾崎豊、ブルース・スピリングスティーンを思い出す。

村上春樹さんはどうのように父親を語るのだろうか? それは前の大戦の記憶をも呼び覚まし、この読書は、ぼくの身もつまされる。

父さん、あなたは戦争に行ったのですね。父さん、あなたはどうしてそんなに速く走るのですか? あなたの背中しか見えないではないですか。本を読みながら、そんなぼく自身の声を聞いたような気もするのです。

台湾の新進のイラストレーター、高研さんの表紙やカラーの口絵も何かを思い出させるかのようで、素敵な小さな本です。





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「木喰五行明満上人道歌抄」を読みました。たった二十二頁の木喰上人の歌集で、この前、訪れた木喰の里微笑館で購入したものです。木喰上人とはどんな人か? この本というより冊子に書かれた「木喰上人略伝」から引用すれば、こんな人だったらしい。

「心願として八宗一見を志し、日本全国中普く霊仏霊者を参して其法印を印せざる所なく、永き遍路の一生を随所に一夜の説教と、一切四百衆の病を見る事と、而て因縁のある所に千体仏を遺す事とを以て特に優れたる行蹟として、今尚ほ国々の全土に其跡が残って居る」

木喰上人は生涯の旅の途中でたくさんの書画も残した人で、この「木喰五行明満上人道歌抄」の歌はその一部であるとのこと。ありがたき、いくつかの歌をご紹介いたします。

日月の。心の神の。天てらば
     祈る心も。おなし日月

皆人の。心に咲きし。白蓮花
     花は散りてもたねはのこらむ

我心。にごせばにごる。すめばすむ
     すむもにごるも。心なりけり
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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