えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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石牟礼道子さんの著した『水はみどろの宮』を読みました。この本には「水はみどろの宮」と、その続きの「花扇の祀」の二編が収められ、石牟礼さんが、子どもたちに読んで欲しいと、一世紀以上前の肥後の国、阿蘇の山の森のどこか、今の熊本県のある女の子を主人公にして書いた本なのです。けれど、まがりなりに大人のぼくが読んでも、胸にじーんときました。

近代の日本になって失われた豊かで大切なものごと、命の響き合いがこの『水はみどろの宮』の物語にはあふれています。

石牟礼道子さんは今はもう亡き人で、この『水はみどろの宮』、「花扇の祀」の続きは書かれることはないのだけれど、読み終えて、本を閉じる時、ぼくはまたどこの人里離れた山の森のどこかで、おじいさんに育てられている女の子、お葉や片目の真っ黒な山猫のおノンに会えるような気がしました。お葉やおノンはこの天変地異が続き、疫病はやる日本のどこかにまだいる、そんなことをぼくは想像してしまう。

石牟礼道子さんの「あとがき」に書かれた真摯なメッセージを引用して、この拙文を締めくくります。

 私たちの生命というものは遠い原初の呼び声に耳をすまし、未来にむけてそのメッセージを送るためにある。
 お互いに孤立した近代人ではなく、吹く風も流れる水も、草のささやきも、光の糸のような絆をつないでくれているのだということを、書き表したかった。とは言っても、風はともかく、草の声、水の声も聴きとれなくなった日本人のなんと多くなったことだろう。
 水俣のことで長い間、沈潜している思いがある。エネルギーをたくわえ、自分自信を炊かなければならない。そんな火を炊く祈りの場所を『水はみどろの宮』ときめて、わたしは、山の精たちをここに呼び出した。
 
 
 
 
 

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『路傍の反骨、歌の始まり 姜信子 × 中川五郎 往復書簡』を読みました。

読みながら、この本を少なからぬ人数の歌いつづける人生を選んだぼくの友だちに回覧をしたい、などとも思ってしまう。

この本は、近ごろは語りべを始められ、たくさんの著作もある姜信子さんと、半世紀以上も歌い続けてきたシンガー、中川五郎さんのとても深い内容の公開された往復書簡集で、熊本で大きな災難をもたらした地震のあった、およそ一か月後の2016年5月31日に石牟礼道子さんの童話『水はみどろの宮』の話に始まる姜信子さんの手紙は、何通ものやりとりがあり、それはいつしか「「無縁」の場」のこととなり、新型コロナウィルス禍に世界が席捲されてしまう前夜のような2020年2月1日、中川五郎さんの姜信子さんへの新しい旅への誘いで幕を閉じる。ぼくもその旅の席にどこかにいて、同じ列車の中にいれればいいな、と思った次第。

さて、姜信子さんの手紙に出てきた「「無縁」の場」とは脚注によればこんなこと。

「無縁の「場」 無縁はもともと村社会や寺社から切り離された場所や状態を指す言葉だが、中世日本の研究者網野善彦が著書『無縁・公界・楽』において、世俗から切り離された特殊な空間で権力から自由や平等が確保され、いきいきとした人間性が発揮されていたことを指摘し、その概念を捉え直した。また、権力の及ばないそのような自由なエリア、聖域はヨーロッパや中国でもアジール等と呼ばれる特別な場として歴史的に社会内に確保されていたことも指摘された」

そうか、無縁の場は何度も立ち現れて消えていくもので、ぼくが惹きつけられるものは、人を縛る「絆」ではなく「無縁」ではなかったのか? いくつかの場所も思い浮かびもする。今、ウィルス禍の中、そのような場が奪われて、失われつつあるのかもしれないけれど、何度でもそれはこれからの未来に立ち現れるのだろう。旅の途中のそのような無縁の場で、ぼくは、また、きみと再会したいのです。






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水木しげるの漫画『漫画で読む戦争と日本―敗走記―』につづき、『漫画で読む戦争と日本―壮絶!特攻―』を読む。『敗走記』にくらべ、『壮絶!特攻』は反戦色が薄まったようにも感じたけれど、この本の中の一編「鬼軍曹―それは何だったのか―」に水木しげるの、ユーモアまじりの戦争についてのこんな感想がある。

「鬼軍曹は強がりに生き
 影山伍長は要領よく生き…
 水木上等兵は反対しながら生きた。
 そして結果は鬼軍曹はすべてを失い
 (まことに気の毒なことだ)…
 影山伍長は何も失わず
 水木上等兵は五体の一つを失った。
 〝戦争〟とはある見方からすると〝台風〟のようなものだった。
 ばか正直に立ち向かうでもなく身をかがめて台風の去るのを待ったような
 影山伍長が勝利者だったのかもしれない
 いずれにしても…
 なんだか〝国家〟にいじめられているみたいだった。
 いわゆる〝忠義〟だの〝国賊〟という言葉で国民はがんじがらめにされて
 一部の「勇ましい人々」によって他国民の幸福までふみにじるはめになったわけだが
 願わくは〝国家〟はむやみに過酷な義務を課すことなく
 老漫画家から税金をむしりとるようなことをしないやさしい国家であってほしい
 そうなれば外敵がきても国を護ろうという気が起きる」

こんな漫画を読むと、昔、NHKで放送していた『戦争証言アーカイブス 兵士たちの戦争』を思い出してしまう。この番組の中で、たくさんの生き残った兵士たちは、怒りが抑えられなく、声を震わせて証言していた。水木しげるも戦争のころを思い出すと、怒りの感情がむしょうにこみあげてきて、おさえきれなくなる、と言っていた。そして、今、水木さんのようなたくさんの戦争を知っている人たちが鬼籍に入られて、政治家、文化人、起業家、一般人、多くの、戦争はいいことだ、みたいにいう人たちが日本に現れてしまっている。嘆かわしく、危機を感じます。水木しげるの戦争の漫画やNHKの『戦争証言アーカイブス 兵士たちの戦争』は後世に伝えていくべきもっとも大切な日本人の経験だと思う。

番組|NHK 戦争証言アーカイブス





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セブンイレブンで水木しげるの漫画『漫画で読む戦争と日本―敗走記―』があって買って読んでしまった。従軍した水木しげるの十二編の戦争ものの漫画を読みながら、これがリアルというものなのだろう、と思う。「地獄と天国 前編」と「地獄と天国 後編」は水木しげるが経験した戦争そのものだろうし、この本の締めくくりの「戦争と日本」は水木しげるの後世に残したメッセージそのものだろう。

そのメッセージそのものの「戦争と日本」を読みながら、最近、起こったミャンマーのクーデターのことを考えてしまう。ミャンマー軍のトップがテレビのニュースに映し出されて、この人がロヒンギャの民間人を殺した軍の司令官であるのだろう。なんとも気色悪い。日本軍も外地と呼ばれたところの日本で同じようなことをたくさんしていた。日本は再び戦争をしてはいけない。戦争の方に行こうとする政治家を警戒しなくてはいけない。空しく滑稽と思われても本望です。武器を捨てろ、そんな声をあげつづけなくてはいけない、とぼくは改めて思っています。

トーチweb 漫画で読む「戦争と日本」
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『文藝別冊 ジャニス・ジョプリン 孤独の破滅の歌姫、50年目の祈り』を読みました。

このムックの題名の「50年目」とは何の50年目かというと、去年の2020年がジャニスが死んで50年目、今年の2021年がジャニスの最期のスタジオアルバム「パール」が発売されて50年目だそうで、いろんな人のジャニスに関する文集なのです。

思い出せば、ぼくもティーンエージャーのころ、ジャニス・ジョプリンの歌が好きで、毎日のようにレコードプレイヤーでレコードをかけて、聴いていた。聴くのに飽き足らず、町田にあった古本屋、高原書店で買った、デヴィッド・ドルトンの著した「ジャニス ブルースに死す」を何度も読み返していた。今、アナログレコードを町田のディスクユニオンで買って、再び、買って、あのころのように聴いて、『文藝別冊 ジャニス・ジョプリン』を読んでいたりするのだけれど、この『文藝別冊 ジャニス・ジョプリン』を読みながらの通勤電車で、ぼくの目頭は何度も熱くなり、涙ぐんだのです。

ジャニス・ジョップリンを初めて聴いたのはいつのことだっだのだろう? 多分、それは中学生のころNHK-FMのヤングジョッキーで渋谷陽一さんが、「夏だからめずらしく、こんな曲をかます」とおしゃべりして流した「サマータイム」だったと思い出す。強烈だった。ぼくはあのころからずっと、ジャニスに恋しているのだと告白しよう。

いろんな文章が載っている『文藝別冊 ジャニス・ジョプリン』だけど、「ジャニス・ジョプリンのための断章」でスタイリストの北村道子さんが談話するには、彼女は1969年に比較言語学の研究者たちとアメリカを旅していて、「どうやらタダでマリファナが吸えるらしいぞ!」と情報を得て、ウッドストックに向かったそうなのだが、それはジャニスも出演したウッドストック・ミュージックフェスティバルだった。彼女はジャニスについて、こんな風に思い出している。

「歌い方の独創性、政治的な意思表明の呼びかけ、社会への態度が明確にある。ジャニスは社会学者になりたかったの? なればよかったのに。やりたいことを全部やればよかったのよ。でも、自らあのヴォイスを作ってしまったんだよね。その道のカードを引いてしまった。

 わたしの世代は心のどこかにジャニスみたいなものを持っているんです。好きとか嫌いとか、二元論じゃないんです。ああいうやつがこの世界にいたんだ、っていう」

ジャニスの歌は聞けばすぐわかるほど独創的だ。そして、独特の心を持った人だった。

ジャニスのティーンエージャーのころの過酷な経験。アメリカ文化研究のウェルズ恵子さんはこの本の「幸せになりたい人の炎の声―ジャニス・ジョプリンとブルーズ」でこう書いている。

「ジャニス・ジョップリンの声を聞くたびに、私は傷つく。でも、私はそうして彼女と―正直で勇敢な魂の彼女と―対話しているのかもしれない。ジャニス、できれば、生きて戻ってきてほしい。そして今度こそ、幸せになってほしい」

ぼくも、そう思う。





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五木寛之さんの著した『死の教科書―心が晴れる48のヒント―』を読みました。五木寛之さんの書くものは好きなんです。ファンといっても差し支えありません。

昔、五木寛之さんは「五木寛之の夜」というラジオ番組をやっていらして、その始まりの時のセリフがこんな風でなんとも粋でした。

「人生は短く、夜もまた短い。今日できることは明日に延ばして、せめてこの深夜の一時を」

この番組を聴いて、ぼくは今は無きソ連(旧ロシア)の反体制シンガーソングライター、ヴィソツキーやアルゼンチンのフォルクローレのギター弾き語りの詩人、ユパンキを知ったのです。

さて本の話に戻り、この『死の教科書―心が晴れる48のヒント―』は読者の死や老いにまつわる質問を五木さんの八十八年の人生の実感を通して答えるというもの。五木さんはこの本の前書きに、この答えとまったく違う方に行ってしまってもいいと言う。ちょっとだけこの本の紹介のために引用します。

「年長の先輩に何かをたずねるとき、人は必ずしも正しい答えを期待しているわけではない。その問題について語り合いたいのではあるまいか。答えはたぶん自分で決めている。問題の周辺を一緒にぐるぐる歩き回ることが必要なのだ。
 私自身、先輩や友人にアドバイスを求めたことが何度もあった。そしてほとんどの場合、よい助言や忠告を受けた記憶がある。しかし、実際には私はそのアドバイスにしたがわず、自分で決めた道を選択した場合が多かった。
 では、私が受けたアドバイスは意味がなかったのか。いや、決してそうではない。むしろ、その言葉に背中を押されて、反対の方向へ歩きだしたことが多かったのだった」

「前車の覆しは後車の戒め」、そして「自分のことは棚にあげて」、自由に発言していこう、と五木さんは初めて思い、この本を出したそうなのです。

人生の重たい話をある軽みでもって飄々と普段の言葉で語る五木さんに、読みながら、ぼくは、そうか、と何度も安堵の溜息すらついていたのです。

あー、そして、いつか、五木寛之さんの「青春の門」を全巻、読みたい。







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ブルータスの特集が「音楽と酒。響く、聴く、語る、レコードとバーの話。」なので、買って、読んでしまった。

いつか、レコードやCDで音楽をかける昼、喫茶店、夜、バーのオーナー兼店員になるのを心のどこかで夢見たりしています。そんなお店のオーナーになったら、音楽だけは、自分の大好きなものしかかけないのだ。サム・クックやロバート・ジョンソンね。

その昔、下北沢にリズム・アンド・ブルースをかけるバー「ストンプ」があって、毎日、必ずダニー・ハザウェイの「ライブ」をかけるようなのだった。もう、そのお店はなくなってしまったけれど、近藤房之助さんがオーナーをしていました。房之介さんはけっこう頻繁にカウンターで飲んでいて、ソウル・チルドレンとか、いろんな知らないミュージシャンの音楽をそこで知りました。

いつか行ってみたい一関の「ベイシー」は載っていなかったけれど、このブルータスに、ぼくと縁のあった下北沢の「いーはとーぼ」や「マサコ」が紹介されているのも、うれしかった。

夢のつづきを見つづけて、おいしいコーヒーやジントニックを作る練習をしないとな。




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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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