えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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島田裕巳さんの著した「なぜ八幡神社が日本でいちばん多いのか」を読みました。古い神社や寺を巡るのが好きで、いつのまにか御朱印帳にたくさん印が押されているのだけれど、その神社の由来というのも気になるものです。この本ではそのようなたくさんの神社を解き明かしたもの。日本で一番多い八幡様はもとは朝鮮半島からの渡来の神であったらしい。「託宣集」に書かれた八幡神の起源についての引用。

「辛国の城に、始めて八流の幡と天降って、吾は日本の神となれり」

神道の神は多様であって、古事記や日本書紀の神々であったり、実在の皇族や武士、官士であったりして、また、そのどれにも当てはまらないものも多い。言霊の幸ふ国は神々のの幸ふ国でもあって、それらにさらに足して、仏教の仏らが日本の国に現れた姿でもあるという。明治政府のよる廃仏毀釈の前までは本地垂迹の神仏習合として信じられてきたものだった。ぼくはそんな古い日本を訪ね歩いているのかもしれん。






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ブレイディみかこさんの著した「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」がおもしろくて、一気読みしてしまった。

みかこさんは、日本の福岡に生まれ、イギリスと日本の間に行き来するうちにアイルランド系のイギリス人と暮らすようになり、結婚し、子どももでき、今はイギリスのブライトンという町の元公営住宅地に暮らしている。元底辺中学校に通うことになった中学生になる息子をとりまくいろいろな話が十六話。一話一話がおもしろく、イギリスと日本の違うところと、それでも地続きの同じ時代の世界にいる共通なとこと、そこから透けて見えてくる日本について考えさせられ、しまいには、子どもたちの持つ希望というようなものに十六回も感動してしまった。

ときおり出てくるみかこさんとその大型トラックの運転手をしている旦那さんの会話が漫才のボケとツッコミのようにおもしろかったりして、そこに割って入り、はっとするようなことを口から漏らしていたりする中学生の「ぼく」。例えば、二つのルーツを持つ両親に生まれた子を「ハーフ」というのは差別で、「ダブル」といった方が良いらしいのだけれど、それもどこか差別であるかもしれず、中学生の「ぼく」は「ハーフ・アンド・ハーフ」でいいんじゃない、半分と半分を足したら「1」になる、などという。なるほどなぁ。もっと詳しい内容は本を読んでお知りくださいとみなさまにお勧めします。

さて、この話は今も新潮社の「波」に連在中で、続編が本となるでしょう。もちろん楽しみです。

このムービーはみかこさんぼ大好きなJohnny RottenことJohn LydonのSex Pistols解散後のバンド、Public Image Ltdです。この本のプロモーションのインターネットでのインタビューを見たら、ぼくも好きなこのバンドのTシャツを着ていた。おやすみZZZzzz.....







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ブレイディみかこさんの著した「女たちのテロル」を読む。三人の女性、日本の金子文子、イングランドのエミリー・デイヴィソン、アイルランドのマーガレット・スキニダーの生涯が並走して語られるこの本を読みながら、良い方にも悪い方にも時代が変わる時、怒れる若い女たちが立ち現れるのだろうかと、思う。この三人を表すだろう言葉を、サフラジェットが19世紀の終わりから20世紀の始まりにかけてイギリスで女性参政権を求めて戦った女たちのことであるということわりをいれて、そのエミリー・デイヴィソンの最期の文章をこの本から引用します。

真のサフラジェットとは、自分自身の魂を持たんとする女性の決意を体現するものだ。
神の言葉は永遠の真実である。「人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の魂を失ったら、何の得があるだろう?」
そして、この理念を実現するために、もっとも進歩的なフェミニストたちは、今日、すべての犠牲を払っても徹底的に抵抗するに至ったのだ。

(Tom Robinson Bandの"Right On Sister"に出てくる"Suffragette city"とはこのことだったのか。)

Right on sister!






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澤地久枝さんの著した「14歳〈フォーティーン〉 満州開拓村からの帰還」を読みました。

澤地さんは、ちょうどぼくの父や母と同じ世代ですが、父や母は面と向かってぼくに戦争について話してくれたことはないですし、ぼくから、無理に戦争について話を聞こうとしたことはありません。それほど、戦争は重たい経験で、おいそれと話せるものではないのかもしれません。澤地さんにとっても自らの戦争体験について書くことは初めてのことだそうです。

「少女」を主人公とする三人称の美しい小説のような文体のこの「14歳〈フォーティーン〉 満州開拓村からの帰還」は、すべて澤地さんの記憶から丁寧に紡がれたもうのだそうです。「おわりに」と題されたあとがきから一説を引用します。

「戦争がどんな残酷なものか、戦争下の情報隔絶状態によってどこへ連れてゆかれたかを語るいとぐちとして、少女の物語を書いた。だが、なんという時代になってしまったのだろう」

もう少しで夏休みもおしまいですね。中学生や高校生には、ぜひ「14歳〈フォーティーン〉 満州開拓村からの帰還」を読んで、宿題の読書感想文を書いてみてはどうでしょう?





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町田のディスク・ユニオンで見かけ、買ってしまった、今は亡き中村とうようさん著したの「アイウエ音楽館」を読んだ。もうこんな唯一無二の視点で世界中のポップ・ミュージックを論じれる人はいないだろう。

この本は「アイウエオ」順に「ン」まであって、子ども向けに、それぞれポップ・ミュージックを独自の視点で3頁ほど紹介しているそれが51章ある。例えば、「イ」は「イギリスの音楽」となっており、その欄外に白眉で独自なビートルズとジョン・レノンの論が述べられていて、素晴らしい。それをご紹介し、中村とうようさんにぼくはいつまでもレスペクトを表したいのです。

「イギリスのリバプールなんて町を、日本の若い人たちが知っているのは、ビートルズのおかげだろう。
 むかしイギリスが世界一の大国であったころ、リバプールの港は奴隷貿易で栄えた。この港を出た船がアフリカからアメリカに奴隷を運んでタンマリもうけたのだ。奴隷の子孫の黒人たちの音楽がアメリカでロックになった。リバプールの町がすっかりさびれてしまったころ、そこで生まれたビートルズが新しいロックでリバプールの町を有名にした。ビートルズがなくなってしまって、ビートルズは失業者だらけのさびしい町となっている。
 ジョン・レノンやポール・マッカートニーがロックに夢中になったのは自分たちの町の暗い過去がいやでたまらなかったからじゃないだろうか。とくにレノンが、いつも人びとに愛と平和の大切さをうったえつづけたのは、イギリスが世界でたくさん悪いことをしてきたのを知っていたからだろう。それで、かれはインド音楽のラビ・シャンカールの教えをうけ、日本人の小野洋子さんと結婚し、アジアの心に近づこうと努力した。
 レノンはマイケル・ジャクソンとはまったくべつの意味で、これまでのポピュラー音楽にはいなかった、新しい生き方をした大スターだった。そして四十歳のときに、ピストルでうたれて死んでしまった。」





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竹村淳さんの著した「反戦歌 戦争に立ち向かった歌たち」を読む。

竹村淳さんというと、昔、NHK-FMの確か日曜か土曜の午前中の番組で、中南米の音楽を穏やかな口調で紹介していた人で、ぼくもよく聴いていたことを思い出すのだが、この本「反戦歌」では、その穏やかさからかけ離れた激しい言葉での現政権への怒りが「まえがき」に表されてに驚かされ、続く本編のいろんな国での二十三もの反戦歌が紹介されている。詞を含めた歌の紹介だけではなく、歌手は作詞者、作曲者のこと、その背景にある社会や政治、現代の今の社会への鋭く怒りに満ちた批評、竹村淳さん自身の個人史も綴られて、とてもおもしろい。十七番目に登場するピート・シーガー「腰まで泥まみれ」は近ごろ、ぼくの大好きな中川五郎さんも自身の日本語詞を歌われていて、この章の冒頭は、こんな言葉で始められている。

「反戦歌をテーマに本を書き、性懲りもなくまた日本を戦争のできる国にしようとする心ない輩たちと音楽の力を武器に戦おう」

日倉士歳朗さんの素晴らしい歌とギターで知った、ぼくの大好きな、ぼくの思う反戦歌「ダニー・ボーイ」はこの本では出てこないのだけれども、竹村さん自身が「あとがき」でほのめかしているように、この本に続編があることをぼくは疑わない。そして、戦争がある限り、そんな反戦歌が歌われることのない世界を願いつつ、歌は歌い継がれ、新しい反戦歌は作られて、歌われていくのでしょう。






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ジム・ロジャーズさんの著した「日本への警告」を読む。ジム・ロジャーズとは、株式のお取引で世界で一番富を得た人だそうな。

こういう本を読むと、日本から立ち去り、永遠にもどらない旅に出ようかとも思う。移住先はどこがいいのだろう? ニュージーランド、カナダ、マレーシア、そこは日本だけど、沖縄とかを思い浮かべる。だけど、日本がいいのだけれど、なんか近ごろの日本は日本ではなくなってきているみたいだというと、ジムからは変化に対応できないバカ者と叱責されそうだ。

この本を読むと、特に、東京オリンピックの後の日本がおそろしくなる。この本の内容のすべてに首肯しるわけではないけれど、オリンピック後の日本についてはあたっていそうな。なにより、ぼくはただ、寂しく楽しい老後をすごしたいだけなのに。

ジム・ロジャースによれば、中国こそが21世紀の覇権国家になるだろうという予測は当たってほしくないのは、かの国がチベットの人々やウイグルの人々にしていることによる。アメリカだってそうだった。中南米に人々になんと酷い辛苦をなめさせてきたアメリカ合衆国。覇権国家とかなくならないのかね? 覇権国家とか馬鹿らしい。

でもお金は欲しいな。使いみちとか知らないけれど。






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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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