えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ
藤原新也さんの著した『メメント・ヴィータ』を読みました。この本を読みながら、NHKのラジオ番組で小児科医の高橋孝雄の語っていた、ヴァーチャルなゲームの中の経験は、所詮、経験とはまったく異なることで、経験ではない、ということを思い出していました。そのヴァーチャルなゲームの中の経験の真逆の『メメント・ヴィータ』に書かれた、「人類の肌色」から「メメント・ヴィータ」までの三十四編はまったく生々しい経験そのもののようなのです。「メメント・ヴィータ」とは「生を想え」ということだそうで、この本は「命の声」を書籍化したものだ、と藤原さんは前書きの「生を想え」で書いておられます。特におそるべきは、ラストの「メメント・ヴィータ」で、日本の社会と政治の底流のもっとも暗い部分に切り込んでいて、とても危なく、藤原さんは武器を携えた身辺警護の人すら雇うべきではないか、とぼくは思った次第です。が、その章も、一点の清浄で締めくくられるところが、藤原新也さんの真骨頂であるようなのです。
メメント・ヴィータ - 藤原新也 (単行本)
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