えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

小津安二郎監督の『長屋紳士録』を見ました。1947年の日本映画です。何度目か再見。
この映画にはいくつかのテーマがあって、その一つが、戦災孤児、浮浪児、ということ。同じ年の映画、黒澤明監督の『素晴らしき日曜日』にも路上生活をする子どもが表されていて、当時の日本で大変な問題となっていたことがうかがわれます。
「長屋」とされているのは空襲後の東京の焼け野原に散見されるバラックの建てものであったりします。すでに東京の町には少しはビルディングも建っている。そんなところにかろうじて残っている人情と礼節を小津は表現したかったのであろう。
老け役ではない笠智衆が登場します。迷子になった子どもを長屋に連れて来てしまう九段の道端で店をだす易の占い師で生計を立てる青年といった役。九段とは靖国神社の参道かと思われ、この「九段」という表現はGHQの検閲を逃れるためかと思われます。小津は後のインタビューで、どうしていつも笠智衆を自身の映画で俳優として採用しているのか、と問われ、ああいう人格者が映画にはいてもらわなくては困る、と答えていたのを思い出します。
貧乏な居間に、後の小津の映画にもよく登場する赤いケトルが置かれていたりします。『長屋紳士録』はモノクロの映画だけれど、あのケトルの色は赤であることを、ぼくは疑いません。
長屋紳士録

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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


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