えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ
島田裕巳さんの著した「浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか 仏教宗派の謎」を読む。日本の仏教にはいろんな宗派があって、今にいたるまでをのそれらを歴史的事実から新書サイズで雑駁に解き明かした本でした。国家護持から個人の救済へと歴史は進んできた、天皇のための宗教から庶民のための宗教へと流れてきたと理解しました。その流れの中で古い宗派も古い宗派のままではいられなくなったということもありそうだ。ただ、この本にはそれぞれの宗派の信仰については何も切り込んではいない。味気ない教科書のような内容でした。改めて、身近にありながらよく解らない日本の仏教の宗派について知る、そのきっかけにはなりそうな本です。
今は考えを変えたらしいのですが、島田裕巳さんはオーム真理教を擁護していたな。亡くなった吉本隆明や中沢新一さんもそうだった。そのことをきちんと再考し、乗り越えなくては、思想家や歴史家、学者としては先にいけないと思うのだが。
今は考えを変えたらしいのですが、島田裕巳さんはオーム真理教を擁護していたな。亡くなった吉本隆明や中沢新一さんもそうだった。そのことをきちんと再考し、乗り越えなくては、思想家や歴史家、学者としては先にいけないと思うのだが。
坂口安吾の「堕落論」を読む。この新潮文庫版は何度目かの再読です。無頼派のエッセイ集。所収されている17編は、「今後の寺院生活に対する私考」、「FARCEに就て」、「文学のふるさと」、「日本文化私観」、「芸術地に堕つ」、「堕落論」、「天皇小論」、「続堕落論」、「特攻隊に捧ぐ」、「教祖の文学」、「太宰治情死考」、「戦争論」、「ヨーロッパ的性格、ニッポン的性格」、「飛騨・高山の抹殺」、「歴史探偵方法論」、「道鏡童子」、「安吾下田外史」。
読みながら、若いころこの本のピンときた文章に赤い線を引いた、その箇所を思い出し、自分の変わらなさを、それでよしと笑う。それは「続堕落論」にあるこんな文です。
「政治、そして社会制度は目のあらい網であり、人間は永遠に網にかからぬ魚である。天皇制というカラクリを打破して新たな制度をつくっても、それも所詮カラクリの一つの進化にすぎないこともまぬがれがたい運命なのだ。人間は常に網からこぼれ、堕落し、そして制度は人間によって復讐される」
かっこいいなぁ。
さて、新しい天皇となり元号も変わり、即位礼正殿の儀が行われるではないか。ぼくは陛下にぜひこれをお読みくだされと、この本を祝意をつくした贈答として差し出したいのです。
読みながら、若いころこの本のピンときた文章に赤い線を引いた、その箇所を思い出し、自分の変わらなさを、それでよしと笑う。それは「続堕落論」にあるこんな文です。
「政治、そして社会制度は目のあらい網であり、人間は永遠に網にかからぬ魚である。天皇制というカラクリを打破して新たな制度をつくっても、それも所詮カラクリの一つの進化にすぎないこともまぬがれがたい運命なのだ。人間は常に網からこぼれ、堕落し、そして制度は人間によって復讐される」
かっこいいなぁ。
さて、新しい天皇となり元号も変わり、即位礼正殿の儀が行われるではないか。ぼくは陛下にぜひこれをお読みくだされと、この本を祝意をつくした贈答として差し出したいのです。
島田裕巳さんの著した「なぜ八幡神社が日本でいちばん多いのか」を読みました。古い神社や寺を巡るのが好きで、いつのまにか御朱印帳にたくさん印が押されているのだけれど、その神社の由来というのも気になるものです。この本ではそのようなたくさんの神社を解き明かしたもの。日本で一番多い八幡様はもとは朝鮮半島からの渡来の神であったらしい。「託宣集」に書かれた八幡神の起源についての引用。
「辛国の城に、始めて八流の幡と天降って、吾は日本の神となれり」
神道の神は多様であって、古事記や日本書紀の神々であったり、実在の皇族や武士、官士であったりして、また、そのどれにも当てはまらないものも多い。言霊の幸ふ国は神々のの幸ふ国でもあって、それらにさらに足して、仏教の仏らが日本の国に現れた姿でもあるという。明治政府のよる廃仏毀釈の前までは本地垂迹の神仏習合として信じられてきたものだった。ぼくはそんな古い日本を訪ね歩いているのかもしれん。
「辛国の城に、始めて八流の幡と天降って、吾は日本の神となれり」
神道の神は多様であって、古事記や日本書紀の神々であったり、実在の皇族や武士、官士であったりして、また、そのどれにも当てはまらないものも多い。言霊の幸ふ国は神々のの幸ふ国でもあって、それらにさらに足して、仏教の仏らが日本の国に現れた姿でもあるという。明治政府のよる廃仏毀釈の前までは本地垂迹の神仏習合として信じられてきたものだった。ぼくはそんな古い日本を訪ね歩いているのかもしれん。
ブレイディみかこさんの著した「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」がおもしろくて、一気読みしてしまった。
みかこさんは、日本の福岡に生まれ、イギリスと日本の間に行き来するうちにアイルランド系のイギリス人と暮らすようになり、結婚し、子どももでき、今はイギリスのブライトンという町の元公営住宅地に暮らしている。元底辺中学校に通うことになった中学生になる息子をとりまくいろいろな話が十六話。一話一話がおもしろく、イギリスと日本の違うところと、それでも地続きの同じ時代の世界にいる共通なとこと、そこから透けて見えてくる日本について考えさせられ、しまいには、子どもたちの持つ希望というようなものに十六回も感動してしまった。
ときおり出てくるみかこさんとその大型トラックの運転手をしている旦那さんの会話が漫才のボケとツッコミのようにおもしろかったりして、そこに割って入り、はっとするようなことを口から漏らしていたりする中学生の「ぼく」。例えば、二つのルーツを持つ両親に生まれた子を「ハーフ」というのは差別で、「ダブル」といった方が良いらしいのだけれど、それもどこか差別であるかもしれず、中学生の「ぼく」は「ハーフ・アンド・ハーフ」でいいんじゃない、半分と半分を足したら「1」になる、などという。なるほどなぁ。もっと詳しい内容は本を読んでお知りくださいとみなさまにお勧めします。
さて、この話は今も新潮社の「波」に連在中で、続編が本となるでしょう。もちろん楽しみです。
このムービーはみかこさんぼ大好きなJohnny RottenことJohn LydonのSex Pistols解散後のバンド、Public Image Ltdです。この本のプロモーションのインターネットでのインタビューを見たら、ぼくも好きなこのバンドのTシャツを着ていた。おやすみZZZzzz.....
ブレイディみかこさんの著した「女たちのテロル」を読む。三人の女性、日本の金子文子、イングランドのエミリー・デイヴィソン、アイルランドのマーガレット・スキニダーの生涯が並走して語られるこの本を読みながら、良い方にも悪い方にも時代が変わる時、怒れる若い女たちが立ち現れるのだろうかと、思う。この三人を表すだろう言葉を、サフラジェットが19世紀の終わりから20世紀の始まりにかけてイギリスで女性参政権を求めて戦った女たちのことであるということわりをいれて、そのエミリー・デイヴィソンの最期の文章をこの本から引用します。
真のサフラジェットとは、自分自身の魂を持たんとする女性の決意を体現するものだ。
神の言葉は永遠の真実である。「人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の魂を失ったら、何の得があるだろう?」
そして、この理念を実現するために、もっとも進歩的なフェミニストたちは、今日、すべての犠牲を払っても徹底的に抵抗するに至ったのだ。
(Tom Robinson Bandの"Right On Sister"に出てくる"Suffragette city"とはこのことだったのか。)
Right on sister!
澤地久枝さんの著した「14歳〈フォーティーン〉 満州開拓村からの帰還」を読みました。
澤地さんは、ちょうどぼくの父や母と同じ世代ですが、父や母は面と向かってぼくに戦争について話してくれたことはないですし、ぼくから、無理に戦争について話を聞こうとしたことはありません。それほど、戦争は重たい経験で、おいそれと話せるものではないのかもしれません。澤地さんにとっても自らの戦争体験について書くことは初めてのことだそうです。
「少女」を主人公とする三人称の美しい小説のような文体のこの「14歳〈フォーティーン〉 満州開拓村からの帰還」は、すべて澤地さんの記憶から丁寧に紡がれたもうのだそうです。「おわりに」と題されたあとがきから一説を引用します。
「戦争がどんな残酷なものか、戦争下の情報隔絶状態によってどこへ連れてゆかれたかを語るいとぐちとして、少女の物語を書いた。だが、なんという時代になってしまったのだろう」
もう少しで夏休みもおしまいですね。中学生や高校生には、ぜひ「14歳〈フォーティーン〉 満州開拓村からの帰還」を読んで、宿題の読書感想文を書いてみてはどうでしょう?
澤地さんは、ちょうどぼくの父や母と同じ世代ですが、父や母は面と向かってぼくに戦争について話してくれたことはないですし、ぼくから、無理に戦争について話を聞こうとしたことはありません。それほど、戦争は重たい経験で、おいそれと話せるものではないのかもしれません。澤地さんにとっても自らの戦争体験について書くことは初めてのことだそうです。
「少女」を主人公とする三人称の美しい小説のような文体のこの「14歳〈フォーティーン〉 満州開拓村からの帰還」は、すべて澤地さんの記憶から丁寧に紡がれたもうのだそうです。「おわりに」と題されたあとがきから一説を引用します。
「戦争がどんな残酷なものか、戦争下の情報隔絶状態によってどこへ連れてゆかれたかを語るいとぐちとして、少女の物語を書いた。だが、なんという時代になってしまったのだろう」
もう少しで夏休みもおしまいですね。中学生や高校生には、ぜひ「14歳〈フォーティーン〉 満州開拓村からの帰還」を読んで、宿題の読書感想文を書いてみてはどうでしょう?
町田のディスク・ユニオンで見かけ、買ってしまった、今は亡き中村とうようさん著したの「アイウエ音楽館」を読んだ。もうこんな唯一無二の視点で世界中のポップ・ミュージックを論じれる人はいないだろう。
この本は「アイウエオ」順に「ン」まであって、子ども向けに、それぞれポップ・ミュージックを独自の視点で3頁ほど紹介しているそれが51章ある。例えば、「イ」は「イギリスの音楽」となっており、その欄外に白眉で独自なビートルズとジョン・レノンの論が述べられていて、素晴らしい。それをご紹介し、中村とうようさんにぼくはいつまでもレスペクトを表したいのです。
「イギリスのリバプールなんて町を、日本の若い人たちが知っているのは、ビートルズのおかげだろう。
むかしイギリスが世界一の大国であったころ、リバプールの港は奴隷貿易で栄えた。この港を出た船がアフリカからアメリカに奴隷を運んでタンマリもうけたのだ。奴隷の子孫の黒人たちの音楽がアメリカでロックになった。リバプールの町がすっかりさびれてしまったころ、そこで生まれたビートルズが新しいロックでリバプールの町を有名にした。ビートルズがなくなってしまって、ビートルズは失業者だらけのさびしい町となっている。
ジョン・レノンやポール・マッカートニーがロックに夢中になったのは自分たちの町の暗い過去がいやでたまらなかったからじゃないだろうか。とくにレノンが、いつも人びとに愛と平和の大切さをうったえつづけたのは、イギリスが世界でたくさん悪いことをしてきたのを知っていたからだろう。それで、かれはインド音楽のラビ・シャンカールの教えをうけ、日本人の小野洋子さんと結婚し、アジアの心に近づこうと努力した。
レノンはマイケル・ジャクソンとはまったくべつの意味で、これまでのポピュラー音楽にはいなかった、新しい生き方をした大スターだった。そして四十歳のときに、ピストルでうたれて死んでしまった。」
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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