えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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サラ・ロイさんの著した「ホロコーストからガザへ パレスチナの政治経済学」を読みました。父と母がナチスのホロコーストの生き残りであるアメリカ在住のユダヤ人の政治経済学者がイスラエルのパレスチナ人への暴力に理路整然と激しく抗議している。それは何か今の日本の状況ともどこか通底していることのように思われるのです。第二次世界大戦の後のナチス無き後も根強くユダヤ人差別のあるポーランドで彼女の母はアメリカに行くことを決め、彼女の叔母はイスラエルに行くことを決めたのだけれども、その時の母の言葉が彼女の正義を目覚めさせ、彼女の人生にあることが貫かれる。今の時代にあまりに切実にも響くその言葉をこの「ホロコーストからガザへ パレスチナの政治経済学」から引用します。

「イスラエルでは暮らさないという母の決断は、戦時中の体験から母が学びとった強い信念に基づいていました。それは人間が自分と同類の者たちのあいだでしか生きないならば、寛容と共感と正義は実践されることもなければ、広がりを見せることもないという信念です。母は言いました。「ユダヤ人しかいない世界でユダヤ人として生きることなど、私にはできませんでした。そんなことは不可能だし、そもそも望んでもいませんでした。私は、多元的な社会でユダヤ人として生きたかった。ユダヤ人も自分にとって大切であるけれども、ほかの人たちも自分にとって大切である、そのような社会で生きたかったのです。」」

この本は、ユダヤ・パレスチナ問題を超えて、21世紀を生きていくぼくたちにもっとも大切な課題を問うているようにも思いました。






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友川カズキのインタビューが読みたくて、週刊金曜日を買ってしまいました。題して「自他に抗う―表現者のハシくれとして」。やっぱ友川カズキさんの話は面白くて、ぼくは全面的に共感してしまうなどというと、友川さんからおまえは自分ってのがあるのかよとお叱りを受けそうだ。何せ、高校生のころから、友川さんはぼくがどこか、忘れずに追いつづけてきた人なのです。友川さんのこのインタビューについての言葉。

「さすが週刊金曜日だけあって、ほかの雑誌ではカットされそうな政治的なことも全部載せてくれたのよ。飲みながらインタビューを受けたら、ついベラベラしゃべりすぎて3軒もハシゴしちゃったな」

そして、インタビューから。

「手拍子も昔からダメなんだ。なんでみんなで一緒に手をたたかなきゃならないんだよよ。群れたがるんだね。俺は一人ひとりに向かって歌ってるんだよ、聴く方も「ひとりで」で聴いてほしいんだよ。ライブは群れる場所じゃなくて、個人になれる場所だと思っているから」

かっこいいなぁ。あとは、四段組み六頁、買って読んでみてください。







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「新版 きけ わだつみのこえ 日本戦没学生の手記」を読む。ほんとうに先の戦争で多くの若い人の命が赤紙と呼ばれた召集令状一枚で奪われたのを実感した。没年18歳から33歳まで。これらの残された手紙や日記にぼくは言葉も出ず、ただ戦争だけは起こしてはならないと思う。







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渡辺一史さんの著した「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」を読みました。感動しました。映画の「こんな夜更けにバナナかよ」もすごくよかったのだけど、それを超えた面白さと感動です。

特に鹿野さんがとても荒れていた時期があって、それを書いた章「第七章 夜明け前の介助 人が人と生きることの喜び」は圧巻で、深く考えさせられたり、感じたりさせられる章、物語でいうと「序破急」の「破」、「故障転結」の「転」にあたるところで、のめりこむように読みました。「介護ノート」と呼んでいる、交換日記のようなものの、介護されりものと介護するもののやりとりが生々しく、それらの疑問符と感嘆符の連続のようでもある文章に、読んでいて打たれるような感じでした。

「エピローグ 燃え尽きたあとに残るもの」は、「序破急」の「急」、「故障転結」の「結」で、読んだ後、ぼくは、「障害者、鹿野靖明、ここにあり」と立ち上がって叫び出したくもなるのです。見事な42歳の人生だったのです。読みながら、涙が止まりません。そして、ぼくはこの本のいくつかの差し挟まれている口絵の鹿野靖明さんの写真を懐かしい友だちの写真を見るかのように眺めつつ、扉の言葉を諒解するのです。

「きみは選んだのだ
 内側から ひそかに
 きみ自身を。

 そして 生きるとは
 屈することなく選びつづけること。
 死ぬことも含めて。- 清岡卓行『四季のスケッチ』より」




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樹木希林さんの「一切なりゆき ~樹木希林のことば~」を読みました。樹木希林さんって年をとればとるほど、なんか美しくなっていった、そのような稀な女の人だったような気もする。樹木希林さんの若かりし頃、結城千穂だったころの「寺内貫太郎一家」のジュリーってポスターの前で叫ぶおばあさん役だったころから好きだったけれど、近年の映画「あん」を見てから、さらにファンになりました。この本もなんか、本音のやさしさと愛がつまっていて、とてもいいんだよね。年をとるっていうこともいいもんだ。いつか誰も死んでいくんだけど、生きるってすばらしい、そんな読後感です。








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佐藤愛子さんの著した「冥界からの電話」を読みました。読み終わり、なんともいえないこの小説とも実話ともつかない物語の結末に三島由紀夫の「豊穣の海」の第四部「天人五衰」のラストのお寺のシーンを思い出してしまった。寂しさと悲しさの有限さの向こうに虚無らしきものが口をあけて、待っているような気もしたのです。これは、もちろん、佐藤愛子さんはそのようなことは書いておらず、多分、まったく逆の意見だとは思うのですが、わからない、わからない、すべてはわからない。ぼくは今のところ、わからないままほうっておくことにします。佐藤愛子さん、つづきの物語が訪れたら、ぜひまた、書いてください。








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吉本隆明の「最後の親鸞」を読む。生涯を通して親鸞はどんな思想の到達点に達していたかを書いてあるそうなのだが、難しくて、ぼくは読んでる途中で眠くなり、眠ってしまう。読み通せたのが不思議だ。吉本隆明の本はぼくには難しくて、大概、眠くなる。この本にある中沢新一さんの解説で少しだけ、わかったような気になれた。また時がたって、いつか再び、吉本隆明の本に挑戦しようかなと思います。







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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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