えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

entry_top_w.png

東京都練馬区下石神井にある「ちひろ美術館・東京」に行ってきた。以前から訪れてみたいと思っていた私設美術館なのです。台風がやってきつつある時だから、がらがらかなと思っていたのだが、ひっきりなしに親子連れが訪れているようであった。

いわさきちひろさんの描く子どもの目、美術館で見るちひろさんの水絵の具で描かれた原画の力というのはすごいもので、それは、かわいらしいというより、その描かれた子どもたちのまなざしは、ぼくの心の深いところに刺さるようでもあったのです。

今の展示は、詩人の谷川俊太郎さんとのコラボレーションとなっていて、詩人の「ちひろさんの子どもたち」をご紹介して、この章を了とさせていただきます。

ちひろさんの子どもたちは
赤んぼのようにまっさらで
大人よりいっしょけんめい考える
女の子はいつもすっぴん
男の子は戦争がきらい

ちひろさんの子どもたちは
手足のびのびいっぱい遊ぶ
昼間は本を読む 夜は宇宙を読む
友だちには子どもだけでなく
おじいさんやおばあさんもいる

ちひろさんの子どもたちは
悲しい時は堂々と泣く
怒っても悪口は言わない
うれしい時はみんなと笑う
花や小川や紋白蝶もいっしょに

世界初の絵本美術館|ちひろ美術館・東京
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png

多摩美術大学美術館という小さな美術館に「エターナル・アフリカ*森と都市と革命」展を見に行きました。

アフリカ文化や思想、政治の研究者として、そして、ぼくにとっては何より、アフリカのポップ・ミュージックの紹介者として思い出される亡き白石顕二さんのアフリカ現代アートのコレクションです。

絵を見ながら、ぼくの心はアフリカの密林や大地に住む精霊たちと心の中で歌い、踊っていました。その精霊たちが、世界中の都市にも侵入し、伝播し、ぼくたちを知らない世界にいざなった、そんな時代の20世紀が、一休みしつつ、まだまだ続いていく予感。それらの人類発生の地、アフリカの精霊たちは、長い長い旅の末にたどり着いた東アジアの端の島の祭りの神やものの怪の姿にも何やら似ているという嬉しい発見。

すると、課外授業で見学に来たたくさんの小学生が美術館に入ってきて、笑い声があふれていた。子どもたちはこれらの絵や像をどのように見たのだろう?
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png

河村要助さんが亡くなったというニュースをネットによって知りました。ニュー・ミュージック・マガジン、そして、ミュージック・マガジンの表紙を描いていたころからのファンでした。

稀代のイラストレータ、河村要助は、時代が昭和から平成に変わり、世紀をまたぐ前に、何かの治りにくい病気となり、シーンから突然、姿を消した。ぼくは真相はよく知らない。だからなのか、今、要助さんの画集「伝説のイラストレーター 河村要助の真実」を見ていると、懐かしいあの時代が真空パックされているみたいなのだ。ぼくが一番好きなイラストは河内音頭三音会オールスターズのアルバム『東京殴り込みライヴ』のジャケットかな。

今はもう令和で、こんな悲しいニュース。昭和にもどりてーなー。今夜はファニア・オール・スターズのサルサを聴いながら、河村要助さん、さようなら、忘れないよ、と献杯します。





entry_bottom_w.png
entry_top_w.png

東京国立博物館へ特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」を見に行ってまいりました。

東寺では毎年元旦から七日まで高僧のみ立ち入りを許された灌頂儀礼が行われているということで、その儀礼の厳かな部屋が第一の展示室で再現されていて、それを見た時に、そこに神聖な美しい霊気が立ち上っているように感じ、鳥肌が立ってきた。

次の展示室で巨大な曼荼羅が飾られていて、空海が言うように言葉では表しがたい世界なのだ。昔、高野山を訪れた時にお坊さんが語っていたのだけど、曼荼羅の真ん中におはす大きな御仏は偉く、周りにおわす小さな御仏はそれよりも偉くないといことではなく、曼荼羅に表わされた小さな獣や鳥、花や草までもが、すべて等しく輝いているのだと思う。この大きな曼荼羅に表わされた絶妙、霊妙なバランス。素晴らしいです。


そして、浄土に幾人もの覚者の立つ林の中を歩くかのような立体曼荼羅なのであった。

今回、見た曼荼羅図は胎蔵界で、展示替えしたら、金剛界を再び見に来たいな。6月2日まで開催中です。

特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png


信州に小さな旅に出ました。

まず向かったところは、前の大戦で亡くなった画学生の絵を展示する「無言館」。来ると姉妹館である第二の展示のための「傷ついた画布のドーム」もたくさんの人の寄付によって新たにそこにできていた。

昭和二十年で時が止まったかのような二つの美術館。人もまばらな静かな美術館で絵を見ていると、古い時代の服を着た快活な若者がぼくに明るい声でを話しかけてくる。

「あの肩のあたりがうまくいっていないんですけどね」
ぼくは答える。
「そんなことはないさ。すごく良く描けているよ。ぼくは今、感動しているところさ」
「いや、あの肩のところだけは描き直したいな。今度、機会があったら、描き直しますよ。その時は、また見に来てください」
「そうだね、また是非、見に来るよ」

ふと、声のした方を見ると、誰もいない。

ぼくは美術館から外に出て、森の中の木立の道を歩きながら、嗚咽し、泣き始めていた。

あの青年との約束を守るためにも、ぼくは「無言館」と「傷ついた画布のドーム」にまたいつか来るでしょう。
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png


横須賀美術館に「生誕110周年 野口久光 シネマ・グラフィックス」展を見に行く。

野口久光というとぼくなどは、油井正一とともにオールドジャズの評論の偉大なる草分けというようなイメージが大きいのだけど、そのキャリアのはじめは、ヨーロッパ映画の配給会社で色付きの絵を描く仕事であったらしい。日本でのミュージカルやジャズの紹介、評論と並走しつつ、1933年から1970年までいろりろなヨーロッパの映画のポスターを描いている。その膨大なポスター画の中からの一部が横須賀美術館にオールド・ジャズ・マンのポートレイト画とともに並べられていた。

純粋芸術ではない映画やジャズへの愛にあふれた作品をぼくはとても素敵だと思う。映画がほぼカラーとなってから1970年に映画のポスターをカラーで描くという仕事自体がなくなってしまったのだろう。ほぼ半世紀の時代の麗しくも美しいあだ花でもあったのだ。そんなあだ花が素晴らしいのです。

野口久光さん、国賊ものと呼ばれたジャズや映画、ミュージカルを愛した若かりし頃だったのだけれど、どんな青春だったのだろう? そんなこと思いつつ、ルイ・アームストロングとジャック・ティーガーデンを聴きながらの明け方、これを書きました。



生誕110周年 野口久光 シネマ・グラフィックス - 横須賀美術館

entry_bottom_w.png
entry_top_w.png

町田市立国際版画美術館で「パリに生きた銅版画家 長谷川潔展―はるかなる精神の高みへ―」を見ました。

一木一草に神、仏が宿るという言葉があるのを知ってはいましたが、長谷川が第二次世界大戦中の最も苦しい時に、一本の木が、自分にボンジュールと挨拶ししているのを聞いたのだそうです。それから、すべての事物に神が宿り、象徴として輝いているのを感じ、版画の黒い線や面が、輝き始める。その静かなる輝きも少しはぼくも感じることができたような気がしたのです。静かな黒の輝きです。

いつも町田市立国際版画美術館に来ると思うのだが、版画を自分でもやってみたいな。そして、CDを出すなら自分の版画をジャケットにするのです。もちろん輝けるモノクロームで。

パリに生きた銅版画家 長谷川潔展―はるかなる精神の高みへ― | 展覧会
entry_bottom_w.png
<< 前のページ   HOME   次のページ >>
[9]  [10]  [11]  [12]  [13]  [14]  [15]  [16]  [17]  [18]  [19
plugin_top_w.png
カレンダー
05 2025/06 07
S M T W T F S
4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
えいちゃんのお奨め

ライブのお知らせ

ぼくのTwitter

plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
最新コメント
[05/19 Pg Soft]
[05/04 ペコ]
[12/23 ロンサム・スー]
[07/27 gmail account]
[08/29 えいちゃん]
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
ブログ内検索
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
最新トラックバック
plugin_bottom_w.png
Copyright えいちゃん(さかい きよたか) by えいちゃん All Rights Reserved.
Template by テンプレート@忍者ブログ