えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

旅の帰り道、何度も訪れたことのある富士川・切り絵の森美術館に行ってきました。
常設展示に海外の作品がふえていたりして、ほーっと感心します。
切り絵って見ていると、それは美術品でもあり、工芸品でもあるようで、さらに二次元でもあり、三次元でもあるような、そんなところに惹かれます。そのようなことが際立つかのような企画展「紙わざ大賞展 in やまなし」も開かれておりました。これって紙でできているの? 手で触れてみたくなりますが、そこは我慢我慢。
企画展「紙わざ大賞展 in やまなし」開催中!


暑い日本の夏、涼を求めるかのように、町田市国際版画美術館で『浮世絵風景画―広重・清親・巴水 三世代の眼―』を見に行きました。
江戸の歌川広重、明治の小林清親、大正から昭和の川瀬巴水の三代の浮世絵版画の展覧会です。見ながら、広重や清親の絵の中の人物が、なかなか生き生きと描かれているのに気付き、巴水の版画に登場する人物のほとんどが背中を向けている姿で描かれていることにも気付く。その背中越しの姿から、川瀬巴水の人となりを思い、失われていく日本の何かに対する強い気持ち、いかんともしがたいノスタルジー、郷愁にいつも打たれてしまう。川瀬巴水こそ、ぼくにとって特別な画人です。
前期と後期ですべての展示替えが行われるそうです。後期も見に行きたい。
浮世絵風景画―広重・清親・巴水 三世代の眼―


神奈川新聞で紹介されていた私設の小さな美術館である横浜本牧絵画館での「トロンプルイユの現在(いま)2021」展を見に行きました。
「トロンプルイユ」とは何かというと、だまし絵と呼ばれるものとは中の一つで、ウィキペディアによれば、「トロンプ・ルイユ(Trompe-l'œil、騙し絵)とは、シュルレアリスムにおいてよく用いられた手法・技法である。ただし、シュルレアリスムに限って用いられるものではない。フランス語で「眼を騙す」を意味し、トロンプイユと表記されることもある。」とのこと。ぼくの好きなマグリットの絵を思い出します。
横浜本牧絵画館のもっとも多いコレクションである岩田榮吉は「トロンプルイユ」の先駆者であり、その絵は日本で最も早くすぐれた「トロンプルイユ」といわれているらしい。
どの絵も絵画の二次元を抜け出そうとするかのようでもあり、美しい工芸品のようでもあります。
その中で中原未央さんの絵に特に惹かれました。スーパーリアリズムの手法からはみ出すかのような生々しいパッションを感じ、「journey of life」という絵は、21世紀のシュールレアリズムだと見とれてしまっていました。
Nakahara Mio


日本とスウェーデンのアーティストたちによる「アートの庭」展も開かれている三渓園に行って、美しいもの、面白いもの見つつ、散歩しました。昔、梅の花盛りのころ、三渓園には来たことがあると記憶していて、これが二回目です。なかなか、「アートの庭」展、見ごたえがありました。旧燈明寺本堂に飾られた日本とスウェーデンのアーティストたちのアートを見ながら、これは熊野の地の補陀落浄土の信仰ではないかと、時と場所を越えてゆくアートの力がそこにあるような気がして、ぎくりと驚いていました。そして、三渓園は素晴らしい。
近くの本牧神社にお参りをしました。爽やかな鯉のぼり泳ぐ神社の石段をおばあさんが看護師に付き添われてお参りをしていて、石段を一歩一歩と登っていく姿に、ぼくの心は動き、昔から伝えられてきた何か大切なことを思ってもいたのです。
御神籤をひくと「吉」でした。
「第二十二番 御神籤
雪の上に
ほのかに
咲ける
白梅に
有明の月
にほふ
すがしさ
雪の上にかすかに梅の花の香りが漂い
曙の月がさしています
幸運はすぐ目の前に来ているのです
しかし祈りの心を忘れてはいけません
幸運は壊れ易いものです
誠心(まごころ)を尽くしなさい
運勢 吉」
ゆめゆめうたがふことなかれ
近くの本牧神社にお参りをしました。爽やかな鯉のぼり泳ぐ神社の石段をおばあさんが看護師に付き添われてお参りをしていて、石段を一歩一歩と登っていく姿に、ぼくの心は動き、昔から伝えられてきた何か大切なことを思ってもいたのです。
御神籤をひくと「吉」でした。
「第二十二番 御神籤
雪の上に
ほのかに
咲ける
白梅に
有明の月
にほふ
すがしさ
雪の上にかすかに梅の花の香りが漂い
曙の月がさしています
幸運はすぐ目の前に来ているのです
しかし祈りの心を忘れてはいけません
幸運は壊れ易いものです
誠心(まごころ)を尽くしなさい
運勢 吉」
ゆめゆめうたがふことなかれ


入場の人数制限のかかったSOMPO美術館に予約して「モンドリアン展」を見に行こうと思っていたのですが、東京都の非常事態制限により、休館になってしまった。くやしくて、湘南にある二つの美術館、平塚市美術館と茅ヶ崎市美術館をはしごし、三つの美術展、「柳原義達展」、「川瀬巴水展」、「ほどく前提でむすぶ 藤田道子展」を見ました。それぞれの感想文です。
「柳原義達展」。一つのフロアー立ち並ぶたくさんの女の人の彫像、そして、もう一つのフロアーに並ぶ鴉と鳩のいくつもの彫像、それらの存在感が具象の力といったものを感じました。
「川瀬巴水展」。今回の美術展巡りのお目当てはこの「川瀬巴水展」でした。大正から昭和の時代にかけての美しい版画に詩情を感じ、じっと見つめていると、その美しい絵の情景の中にぼくの心は染まり、入り込んでしまうかのようでした。やはり川瀬巴水の版画は素晴らしい。見ているとニューヨークを撮りつづけたソール・ライターという写真家を思い出してもいました。景色をふと覗いてしまっている感じです。ノスタルジーとスタイリッシュな現代性が同時に川瀬巴水の版画にもあるようなのです。川瀬巴水の版画は良い! 三十分の川瀬巴水の版画製作をとらまえた映画を上映していました。美しい景色を求めて旅をし、写生する巴水。そして、小さな工房で作業する彫師と摺師が出てきて、その高度な技術を巴水は讃嘆する。偉大なり、版画!
「ほどく前提でむすぶ 藤田道子展」。そよ風が吹いてもほどけてしまうような結ばれた淡い色のリボンのインスタレーションを見ながら、その爽やかさがあまりに儚い。その真逆ともいえる、いつか見た、ダリの絵の中の真っ赤な血染めのようなリボンを思い出していました。そして、RDレインの大好きな詩とも散文ともつかない文集「結ぼれ」も思い出していました。「結ぼれる」とは「糸がからんで結び目ができる」とか、「結ばれてほどけにくくなる」ということ。つまりは、いつもこんがらがってしまうぼくは、「ほどく前提でむすぶ」ことなどできない人間なのです。
さて、非常事態宣言です。寄席は入場制限をして開きつづけるそうです。ミニシアターのユーロスペースも同じく入場制限をしつつ、開きつづけるそうです。朝日新聞の報じるユーロスペースの店長の話では、ミニシアターの営業自粛の協力金は一日二万円なのだそうです。ひどい話だ。ユーロスペースの店長は芸術への香典金かよと毒づいています。一石を投じる寄席や一部のミニシアターの動きにぼくは賛同してしまう。
そして、いつか相模原市にもちゃんとした美術館ができることを願ってやみません。
平塚市美術館
茅ヶ崎市美術館


タワーホール船堀へ「もやい展」を見に行きました。どのような展覧会というとチラシからの言葉を引用します。
「3.11から10年
語り継ぐ命の連綿
3.11
そして福島原発事故から10年。
絵画、彫刻、写真、映像、そしてパフォーマンス……
表現は未来へ何を語り紡ぐのか?
金沢21世紀美術館で好評を博した「もやい展」が 2021年春、東京にあらわる!
そして、立ち寄ったあなたも未来への表現者となる。」
この前、原爆の図丸木美術館で見た山内若菜さんの大きな描いて貼って描いて貼った大きな絵画も展示されていて、さらに改めて彼女の絵は目で見るというより、体全身で浸り感じる絵画なのだと思いました。どの絵も素晴らしかったのですが、山内若菜さんの他に、特に麻布に家族の肖像を描いた小林憲明さんの作品や、飼っている犬と被爆地を散歩するイラストの鈴木邦弘さんの作品に惹かれました。
幾多の作品を見ながら、放射能の恐怖に心を縛られたくなないぞ、と思いつつ、決して忘れたくはない、と思ってもいました。
偶然にこの展覧会で見た、福島の南相馬から京都に避難した井上美和子さんの朗読劇「ほんじもよぉ語り」も素晴らしかった。
しかし、いまだに電力を原発依存から脱しようとしないこの国が信じられなくなってしまう。今回のオリンピックを見ても、そんなことを感じてしまうのだけれども、海外からは、第二次世界大戦の時のように、始めてしまったものは悲惨な破滅をむかえるまでやめられない、日本は異常なバカの国で、日本人は異常なバカの民族と思われてはいやしないだろうか? ぼくは悲しいです。
けれども、この「もやい展」には希望の一筋があるようなのでした。
もやい展2021東京
「3.11から10年
語り継ぐ命の連綿
3.11
そして福島原発事故から10年。
絵画、彫刻、写真、映像、そしてパフォーマンス……
表現は未来へ何を語り紡ぐのか?
金沢21世紀美術館で好評を博した「もやい展」が 2021年春、東京にあらわる!
そして、立ち寄ったあなたも未来への表現者となる。」
この前、原爆の図丸木美術館で見た山内若菜さんの大きな描いて貼って描いて貼った大きな絵画も展示されていて、さらに改めて彼女の絵は目で見るというより、体全身で浸り感じる絵画なのだと思いました。どの絵も素晴らしかったのですが、山内若菜さんの他に、特に麻布に家族の肖像を描いた小林憲明さんの作品や、飼っている犬と被爆地を散歩するイラストの鈴木邦弘さんの作品に惹かれました。
幾多の作品を見ながら、放射能の恐怖に心を縛られたくなないぞ、と思いつつ、決して忘れたくはない、と思ってもいました。
偶然にこの展覧会で見た、福島の南相馬から京都に避難した井上美和子さんの朗読劇「ほんじもよぉ語り」も素晴らしかった。
しかし、いまだに電力を原発依存から脱しようとしないこの国が信じられなくなってしまう。今回のオリンピックを見ても、そんなことを感じてしまうのだけれども、海外からは、第二次世界大戦の時のように、始めてしまったものは悲惨な破滅をむかえるまでやめられない、日本は異常なバカの国で、日本人は異常なバカの民族と思われてはいやしないだろうか? ぼくは悲しいです。
けれども、この「もやい展」には希望の一筋があるようなのでした。
もやい展2021東京


横浜美術館に「トライアローグ」展を見に行きました。近代以降、印象派の後から現代までのアートのコレクションを誇る横浜美術館、愛知県美術館、富山県美術館の合同企画だけあり、見ごたえがあり、とてもおもしろかったです。多分、この三館を合わせると、収集したコレクション数は4万点を越え、5万点に近いらしい。これらの膨大な中から19世紀が終わる頃以降のよりすぐりの120点余りが、展示されていて、素晴らしかったです。
ぽつんと飾られたイヴ・タンギーの絵に、ぼくの心のどこかで何かに感傷し、鳥肌がたってきていた。今のぼくの心のどこかにはタンギーの絵に強く反応してしまう何かがあるのだろう。
芸術は決してむずかしくはない。考えるものでもない。先ずは感じるものなんだ。
横浜はこんなに素敵な美術館があっていいなぁ。相模原市にもいつか、美術館できないかな、と思ってしまいますが、その横浜美術館のこの「トライアローグ」展の後、2023年まで改修工事のために休館するという。新しくなった横浜美術館も楽しみですね。
トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館


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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


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