えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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五木寛之さんと佐藤優さんの対談の『一寸先は闇』を読む。佐藤優さんの「まえがき」の「高市早苗首相に白紙委任状を渡し、大統領型の強い指導者のもとでの生き残りに多くの国民が希望を託している」には異論を感じつつ、対談は面白く、一気読みしてしまった。もしくは、ぼくは「多くの国民」の中にいつものように入っていないのだろう。ただし、同じく「まえがき」にある「「新しい戦前」を生きている私たちが「新しい戦中」に突き進んでいかないようにするため」という志は同じだ、とぼくは信ずる。

この対談は「五木氏の言葉を通じて、私たちは昭和の20年、戦前のと戦中の日本人の心情を追体験できる」というようなもので、それは「新しい戦中」を避けんがためのものであろう。濃厚な対話がつづきますが、やはり「一寸先は闇」。本の帯から紹介のためにいくつかの文を引用しつつ、『一寸先は闇』をお勧めいたします。

・国家ほど信用できないものはない
・軍隊の中は階級はあれど、食事も暴力も平等だった
・明治維新も戦争も、「歌」と共にやってきた
・軍国主義に便乗した戦中のインテリ
・社会的差別はなくなったが、政治的差別は残った沖縄
・アメリカへの幻想は完全に崩壊した
・個人の自己喪失感がファシズムを生む

具体的に何をするかは各々、考えましょう。おやすみなさい。

『一寸先は闇』五木寛之/佐藤優 | 幻冬舎
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斎藤幸平さんの著した『人新世の「黙示録」』を読みました。未来を語れない右翼の論客ばかりのように見える日本の中で、何とか未来の希望をたぐり寄せようとする、このような本を読むと胸がすーっとします。温暖化による地球環境の不全が止められなくなった今の時代に求められるのはカール・マルクスの後期の著作にヒントを得た社会主義と共産主義で、それはフリードリヒ・ハイエクの自由主義の害悪を乗り越え、従来の中国やソビエトの社会主義の悪夢も克服できるとします。とても昔の若い時に読んだマルクスの『フランスの内乱』を再び読もうかとも思いました。二つの書評を紹介してこの項を締めくくりたく存じます。

三牧聖子氏(国際政治学者)
「飽くなき技術革新が人類を救う――
そう囁くテック・エリートが造る「ノアの方舟」にあなたの席はない。
 普遍的な人類の救済へ、ラディカルな希望をつなぐ書。」

柄谷行人(思想家)
「資本主義の暴走による諸システムの崩壊により、少数の富裕層以外は地獄のような苦境に追いやられ始めているという著者の絶望を私も共有している。本書が提言する、新たなる「計画経済」「プロレタリア独裁」の行方を見守りたい。」

人新世の「黙示録
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小林よしのりさんの著した『愛子天皇論3』を読み、『愛子天皇論』を読んだ。『愛子天皇論3』と『愛子天皇論』の間の時期に出された『愛子天皇論2』も読んでみた。

天皇制の議論から離れた、「第1部 愛子さましか勝たん!編」の「第17章 人権は未だカルトなり」には強い違和感をおぼえた。

この本でもたくさん使われる「左翼」だの「右翼」だの、「リベラル」だの「保守」だのの線引きがよく分からなくなる。ぼく自身の感覚からして、そんな線引きのどちらかに属せといわれても困る。

今、女性天皇も女系天皇も認めている議員の多くいる政党は、皮肉なことに日本共産党のみとなってしまった。圧倒的な多数派となった自民党の維新の会の与党は今の国会での皇室典範の改変についての議論の結論を急ぐという。その後に、畢竟、政治によって天皇は利用され、三島由紀夫の愛着した文化としての天皇は朽ち落ち、滅んでいくだろう。寂しいかぎりです。

ゴーマニズム宣言SPECIAL 愛子天皇論2|書籍詳細
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小林よしのりさんの『愛子天皇論3』が面白く、『愛子天皇論』も読んでみた。『愛子天皇論3』が2025年7月の出版で、『愛子天皇論』は2023年6月の出版であった。今、男子男系論によって天皇制の危機であることをぼくはよく了解した。

あるインタビューで小林よしのりさんは私的な公にはされない天皇陛下との懇親会だか食事会に呼ばれることがあり、そこに国会議員のつじもと清美さんがいたそうで、小林さんはつじもとさんを、どうしてお前がここにいるんじゃ、と怒鳴りつけたそうです。その懇親会で小林さんとつじもとさんは打ち解け、天皇制に関して、意見を同じくしているそうです。それ以来、つじもとさんは小林さんに国会及び国会議員の動き連絡してくるという。今では男子男系論に反対する国会議員はまったくの少数派で、天皇制の危機は実際に進行中ということであります。古典芸能を愛好するぼくにとって、それはゆゆしき問題であります。共和制の日本ねー、どうだろう? という感じなのであります。

2010年に『新天皇論』を出版し、女性・女系天皇公認論を唱えるてから今まで、小林よしのりさんの孤立した戦いに、今のぼくは敬意を表すものであります。血統などと競走馬のようなことを言っていると、文化としての天皇は廃滅するのではないか、とぼくも危惧するものであります。三島由紀夫が生きていれば、なんと嘆くことだろう? ここで『愛子天皇論』にもとりあげられている上皇天皇の決定的なお言葉を引用します。

「始めにも述べましたように,憲法の下,天皇は国政に関する権能を有しません。そうした中で,このたび我が国の長い天皇の歴史を改めて振り返りつつ,これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり,相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう,そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく,安定的に続いていくことをひとえに念じ,ここに私の気持ちをお話しいたしました。」

何の自己決定権もなく、自分で自分の人生や運命も決められない天皇だからこそ、お世継ぎだけは皇室内で決められるように皇室典範を改訂できないだろうか? それから統一教会に洗脳された国の首長のもとに皇室の未来が議論されることに暗澹たる思いもつのります。

閑話休題、『愛子天皇論』にもどり、男系男子論者のもっとも許せないことが2つあるのです。「第19章 雅子皇后への眼差しの変化」で書かれている皇室の女性への男子を産めという陰湿で因習的で時代錯誤なパッシングと虐待、「第21章 男系カルトと統一教会」で書かれている男系男子論の論客の天皇・皇族を人間扱いせずに、血統書付きの犬猫か、競走馬みたいなものとしか思っていない、そのありさま、非人間的な醜さ。もともと伝統として続いてきた政治に利用されない文化としての天皇制の存続を願う人は『愛子天皇論』か『愛子天皇論3』をぜひ読んでみてください。ぼくは『愛子天皇論2』も読みたく存じます。

ゴーマニズム宣言SPECIAL 愛子天皇論|書籍詳細
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YouTubeに東京新聞の望月衣塑子さんの主催する『望月いそことオッカくんチャンネル』というのがあって、そこに漫画家の小林よしのりさんが出演していて面白かった。その『オッカくんチャンネル』では小林よしのりさんの独演会のようになっていて、愛子内親王殿下が次代の天皇となるべきだ、と主張していた。それを見て、興味を持ち、小林よしのりさんの『愛子天皇論3』を読んでみました。

最近、ぼくは能楽が面白く、よく見るようになり、例えば『国栖』、『花筐』、『大原御幸』、『松山天狗』、『絃上』のように、天皇や皇室の方々を登場人物とした能がたくさんあることを知ったのです。その天皇家が今でも存続していることに、なんとも有難く不思議な何かを感じ、ぼくの考えは変節し、天皇制を強く廃絶すべきことでもない、と考えるようになりました。小林よしのりさんの意見のすべてに賛成はできかねますが、男系男子のみを皇嗣とする考えに反対意見を述べることには、伝統についても、ヒューマニティの観点からも共感してしまいます。将来、悠仁親王殿下が結婚されて、その妃には男子を産めという理不尽な重さの抑圧が日本中からかけられ、苦しむことにもなりますまいか? と同時に、人権の飛び地とも呼ばれる天皇制は、いつかは無くなってしまうかもしれず、残念なことのようにも思え、しかも不遜にも当然のことのようにも思え、それが遠い未来であってくれ、と願ってもしまいます。

そういえば、この前、佐野元春のコンサートの帰りに皇居の内堀の外の道を友だちの車で走り、その助手席の乗っていたぼくは、あの深い森の奥に天皇陛下のご一家の三人が生活しておられるのを思い、なんと寂しい姿であるだろう、と畏怖のようなものすら感じたのでありました。

閑話休題、『愛子天皇論3』に戻れば、小林よしのりさんは、なんと孤独な戦いをしているのだろうか、とエールも送りたくもなります。この本の『最終章 伝統とは何か?』に出てくる美智子上皇后陛下の説得的で感動的な二つのお言葉でこの項を締め括りたく存じます。

「質問の中にある「皇室」と「伝統」、そして「次世代への引き継ぎ」ということですが、陛下はご即位に当たり、これまでの皇室の伝統的行事及び祭祀とも、昭和天皇の御代のものをほぼ全部お引き継ぎになりました。また、皇室が過去の伝統と共に、「現代」を生きることの大切さを深く思われ、日本各地に住む人々の生活に心を寄せ、人々と共に「今」という時代に丁寧にかかわりつつ、一つの時代を築いてこられたように思います。
 伝統と共に生きるということは、時に大変なことでもありますが、伝統があるために、国や社会や家が、どれだけ力強く、豊かになれているかということに気付かされることがあります。一方で型のみで残った伝統が,社会の進展を阻んだり、伝統という名の下で、古い慣習が人々を苦しめていることもあり、この言葉が安易に使われることは好ましく思いません。
 また、伝統には表に現れる型と、内に秘められた心の部分とがあり、その二つが共に継承されていることも、片方だけで伝わってきていることもあると思います。WBCで活躍した日本の選手たちは、鎧よろいも着ず、切腹したり、ゴザルとか言ってはおられなかったけれど、どの選手も、やはりどこか「さむらい」的で、美しい強さをもって戦っておりました。
 陛下のおっしゃるように、伝統の問題は引き継ぐとともに、次世代にゆだねていくものでしょう。私どもの時代の次、またその次の人たちが、それぞれの立場から皇室の伝統にとどまらず、伝統と社会との問題に対し、思いを深めていってくれるよう願っています。」

「皇室も時代と共に存在し、各時代、伝統を継承しつつも変化しつつ、今日に至っていると思います。この変化の尺度を量れるのは、皇位の継承に連なる方であり、配偶者や家族であってはならないと考えています。
 伝統がそれぞれの時代に息づいて存在し続けるよう、各時代の天皇が願われ、御心をくだいていらしたのではないでしょうか。きっと、どの時代にも新しい風があり、また、どの時代の新しい風も、それに先立つ時代なしには生まれ得なかったのではないかと感じています。」


ゴーマニズム宣言 SPECIAL 愛子天皇論3 (ゴーマニズム宣言SPECIAL)|書籍詳細|扶桑社
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地引雄一さんの著した『ストリート・キングダム 東京ロッカーズと80'sインディーズシーン 最終版』が面白くて、一気読みしました。この本は、つい最近、公開された田口トモロヲ監督の『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』の原作にあたる本です。映画よりも広範囲に時代も少し長く、いろんなバンドやことがらがつづられています。

367ページの本は、143ページまでが写真集であったりします。その写真集のどこかに、愚かなことにも、客席のどこかに自分が写っていないかと探したりしていまいます。

文を読めば、あのころが真空パックされているようで、一気に熱気をおびた風景と人たちの走馬灯が展開されるかのようです。けれども、そのシーンの後半は、ぼくはほとんど経験していないことに気づきました。後半のそのころはブルースやリズム・アンド・ブルース、ソウルに目覚め、そのような所謂ブラック・ミュージックばかりを聞いていたのであります。そんな中で、二つだけ動向が気になり、追いかけつづけたバンドがあって、この本『ストリート・キングダム』にはあまり載せられていないFOOLSとJAGATARAでありました。FOOLSはParliamentやSLY And Familystoneで、JAGATARAはFela KutyやJames Brownみたいで、彼らの音楽にマイノリティや弱者が生きのびるためのビートやリズムを感じたのです。

読了後、ふと、英国の偉大なるパンク・バンド、CLASHのリーダー、ジョー・ストラマーの言葉を思い出します。

Punk is attitude, not style.

STREET KINGDOM The Final – Tokyo Rockers & the 1980’s indies scene by Yuichi Jibiki
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岡倉天心が英語で著し、田中万里生さんが翻訳し、岡倉登志さんの監修した『茶の本』を読了しました。明治人が英語で書いた名著『The Book Of Tea』の決定的な新訳であります。

ぼくは新渡戸稲造の著した『武士道』こと『Bushido: The Soul of Japan』、内村鑑三の著した『代表的日本人』こと『Representative Men of Japan/Japan and the Japanese』とともに、この『The Book Of Tea』こと『茶の本』を明治の日本人の英語で書いた名著だと思うものです。とくにこの『茶の本』は日本の美しさを表して白眉であり、海外をよく知って、仏教や道教の源流であるインドや中国の文化への敬意も忘れず、コスモポライツ、世界市民的な視点で、英語で書かれてこそ、確かに見えてくる日本や日本人とその美しさがあるだろう、などとぼくは思うのです。

ネトウヨらの日本礼賛にも教条主義的左翼の日本嫌悪にも強い何かの違和感を持つぼくには、この本は、この本に付された会田誠さんの解説、エッセイとともに、説得的でありました。現代美術家の会田誠さんは、今の時代の実践と実作の内側から岡倉天心の人と思想を書かれ、出色であります。

名著の新たな復活を祝うばかりでなのです。

茶の本 | 株式会社トゥーヴァージンズ
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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