えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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オンデマンドで小津安二郎監督の『彼岸花』を見ました。アキ・カウリスマキ監督の探しつづけている赤いヤカン(ケトル)がこの映画『彼岸花』にもありましたよ。

『彼岸花』予告編
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オンデマンドで小津安二郎監督の『秋日和』を見ました。

あの小津調もカラー時代になると、画面を縦の線、横の線に割っていて、何かカンディンスキーの絵の中に人が現れ、消えていくようで、不思議な感じなのです。そして、いろんな人がいうように小津のカラー作品の赤い色の小道具が映画に独特の美しさをもたらしています。ふと、フィンランドのアキ・カウリスマキ監督は小津安二郎の映像美にたくさんの影響を受けているのではないかと思いました。

映画の中で事件らしい事件は起こらず、小津安二郎は家族全員で安心して見れる映画を意識していたといいます。

坂本龍一のいうところのひどい音楽(坂本さんは映画音楽としては小津安二郎の狙い通りだとも後に訂正しておりました)は、とても軽快で、映像に合っていて、ぼくは大好きです。

お嫁に行くアヤ子を演じる司葉子の清楚と対比して、アヤ子の友だちを演じる岡田茉莉子は新しい時代の女子という感じで、その存在感がすごい。

同じテーマである『晩春』(父と娘の別れ)とちがい、原節子の演じるラストのお嫁に行ったあとの部屋に一人残された母の秋子の笑顔にすがすしくも暖かい何かを感じて、とてもよかったです。

映画を見た後、偶然、アキ・カウリスマキの小津安二郎への敬意のある動画を見つけ、いたくこれにも感動しました。紹介いたします。

Aki Kaurismaki on Ozu
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ジャン=ピエール・ダルデンヌ監督の『トリとロキタ』を見ました。ベルギーを舞台にした仲良しの10代の少女ロキタと、まだ幼い少年トリ、アフリカから移民してきた子どもの話に今という時代が生々しく映し出される。なんだか、是枝裕和監督の『誰も知らない』を思い出した。ヒューマニティーを訴える映画だけれど、その結末に胸にふたがれる思いです。『トリとロキタ』は何かとても美しいものを描いていて、けれども、映画にはひとすじの希望があった方がいいと思うのだが、どうだろう?

ダルデンヌ兄弟監督最新作『トリとロキタ』3月31日(金)公開
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オンデマンドで小津安二郎監督の『晩春』を見る。

主演の原節子は外国の映画の女優みたいだ。原節子がスクリーンの上で微笑むと、世界全体が明るくなるようです。悲しげな表情は世界が暗くなる。そして、脇役の杉村春子の演技の自然さはリアルですごい。たくさんの名優に尊敬される大女優、ここにあり。

昔の鎌倉はこんなところだったのかと少し驚くけれど、お寺のシーンでは今と同じなんですね。1949年の作品『晩春』のそこかしこの風景で占領下であることが、さりげなく示されてもいる。

原節子の娘が抱く笠智衆の父への思いは、エレクトラコンプレックス的な何かを感じさせもする。ストーリーは特になく、娘と父の別れがあるのみで、それは、ユング的にいえば、人の心の普遍に深く沈んでいる何かであるとも思う。

『晩春』は小津調全開です。半世紀以上も経ち、絶大に評価される小津の映画の独特はこの『晩春』に始まったのかもしれない。
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オンデマンド・ビデオで小津安二郎監督の『麦秋』を見る。小津の映画を見ていると、低い視線の同じ位置から家族の別れ別れになるのを静かに見つめているかのような少し変な気持ちにいつもなってしまう。

映画『麦秋』の物語は、「序破急」の長い「序」の後、「破」がやってきて、「急」で幕を閉じる。「破」にあたる写真撮影のシーンは、さまざまな他の監督の小津安二郎への敬意を込めたオマージュとして引用されていることに気づいたけれど、そのシーンからは万感胸に迫るものがあり、涙を禁じえませんでした。

いろんな映画監督や批評家は小津安二郎の映画を「聖なる映画」と呼んでいて、それにぼくもこの『麦秋』を見て同意してしまいます。
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伊勢真一監督の『PascaLs しあわせのようなもの』を田端駅近くの小さな映画館「CINEMA Chupki TABATA」で見ました。

伊勢真一監督の作った音楽映画は、急逝した三木黄太さんに捧げられた追悼の映画でもあるようです。PascaLsのリーダーのロケット・マツさんは三木黄太さんが亡くなった後、PascaLsのメンバーにPascaLsをつづけたいかどうかを聞いてまわったそうです。その結果とロケット・マツさんの決断はいかに? 答えはぜひ映画をご覧になってください。

映画を見ながら、ときおり幸せな気持ちで眠くなってしまいます。それが素晴らしい。ロケット・マツさんは映画の中で控えめにPascaLsへの思いと音楽観を述べておられました。なるほどとぼくは思う。PascaLs、バンザイ!

新作『PascaLs〜しあわせ のようなもの〜』上映情報
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イエジー・スコリモフスキ監督の『EO イーオー』を見ました。

完全にロバが主人公のロードムービーで、映画を見ながら、自分がロバであったし、今もそうであるような気持ちになってしまった。そして、エンドロールの「この映画は自然と動物への愛から生まれました。撮影に際しては、すべての動物を虐待したり、傷つけたりしてはおりません。」というような言葉が重く心に残り、ぼくの心に感動が響きつづけました。

映画が終わった後、隣の女子の「パンフレットを買って。EOがあの後どうなってしまったか気になるの。」という声を聞きました。あー、確かにぼくも映画の物語の後の物語の中のEOはどうなってしまったのだろうと思わずにはおれません。そう、映画館を出た後、EOのラッキーを祈らずにはいられない自分がおりました。

映画『EO イーオー』公式サイト
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プロフィール
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えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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