えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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ジョン・ニュートンが著し、中澤幸夫さんが編訳した「「「アメージング・グレース」物語 ゴスペルに秘められた元奴隷商人の自伝」を読了した。

著者のジョン・ニュートンは十八世紀のイギリス、リバプールに生まれ、前半生を奴隷商人として生き、後半生を神父として、そして、奴隷解放論者として奴隷貿易反対運動に関わって生きた人。

あのビートルズのリバプールは奴隷貿易で栄えた港町であったことは本当だったらしいし、本当に奴隷貿易などということがなされていたことを、ジョン・ニュートンの友人に残した手紙などでも知ることができる。

さらに、ぼくとはあまり縁のないらしいキリスト教徒の何か高潔で正しいようなところを、この本を読んで感じもした。そういえば、「代表的日本人」を著した内村鑑三も「武士道」を著した新渡戸稲造もクリスチャンであるのを思い出した。

そして、ぼくはゴスペルというアメリカの黒人たちによって教会で歌われた音楽が大好きなのだけど、そのキリスト教の何か素晴らしいところ、驚くべき恵み、Amazing Graceの精髄のようなものがジョン・ニュートンの作詞した「アメージング・グレース」には確かにあると思うのです。

ジョン・ニュートンの原詩を紹介し、この本を閉じ、二百年以上も歌われた「アメージング・グレース」というゴスペルに耳を傾け、すると、クリスチャンではないぼくも小さな声で歌ってしまうのです。Amazing grace!

Amazing grace!(how sweet the sound)
That saved a wretch like me!
I once was lost but now am found
Was blind, but now I see.

'Twas grace that taught my heart to fear.
And grace my fears relieved;
How precious did that grace appear,
The hour I first believed.

Through many dangers, toils and anares.
I have already come;
'Tis grace has brought me safe thus far,
And grace will lead me home.

The Lord has promised good to me,
His word my hope secures;
He will my shield and portion be,
As long as life endures.

Yes,when this flesh and heart shall fail,
And mortal life shall cease;
I shall possess, within the vail,
A life of joy and peace.

The earth shall soon dissolve like snow
The sun forebear to shine;
But,God who called me here below,
Will be forever mine.






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コンビニで見かけ、つい手に取り買ってしまった吉田さらささんの著した「お地蔵さまのことば」を読みました。ほっとさせてくれるような本でした。全国各地のお地蔵さんやらの石仏の写真と短い文の本です。こんなお地蔵さんを見て、その向こうからかすかに語りかけてくれる言葉にそっと耳を傾ける、そんな旅をぼくもしたくなりました。






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この前、見た映画「バンクーバーの朝日」の原作本でもあるらしいテッド・Y・フルモトさんの著した「バンクーバー朝日」を読了した。

映画の方はなんとも抑制の効いた描かれ方がされてあったのだけど、この原作本の方が、ドラマチックな物語の展開がされていた。何せ、冒頭のシーンがカナダの各地で吹き荒れたカナダ白人による排日暴動、異国人排除のシーンに始まり、我らがバンクーバー朝日のエースの一人となるミッキー北山は利き腕に生涯に負傷を負ってしまうのだ。

さて、事実の基づくフィクションと謳われた「バンクーバー朝日」によれば、この野球チームは何回もチャンピオン・シップに輝くカナダでも有数の強豪であったらしい。日系人ばかりを集めたチームにいつしか、白人たちも合流し、そのフェアープレイ精神こそ、武士道の精髄だとも敬意を払われていたたのだけど、太平洋戦争を挟んだ日米の開戦とともにチームは廃され、すべての日系人は強制収容所に送られてしまう。

二度とバンクーバー朝日は再結成されることはなかったのだけど、トム・バックル理事長の言った「我々には借りがある・・・・・・」という言葉とともに二十一世紀になりカナダの野球殿堂入りとなるのだった。

そして、改めて、戦争反対!





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アメリカの有名な脳神経外科の医師であるエベン・アレグザンダーさんの著した「プルーフ・オブ・ヘヴン」を読了した。

この本の副題を「脳神経外科医が見た死後の世界」と付けられ、こういう本を読むと、まだかの地では、ニュー・エイジというムーブメントが続いているかもしれないことに驚いてしまう。しかし、この本はそこから少しか、大きくか逸脱しつつ、徹頭徹尾科学者の視点で書かれてもいて、全米で200万部以上のベストセラーになっているのだけど、伝統的なクリスチャンや科学的思考一辺倒の唯物主義者には相当に反発されてもいるという。

さて、ぼくがこれを読んで、それが本当なのか、どうか、明確に決めつけられないのだけど、むしろ、科学の目ではなく、詩人の目で綴られたもう一つの外編の「プルーフ・オブ・ヘヴン」をエベン・アレグザンダーさんは書いてはくれまいか、などと思いました。

エベン・アレグザンダーさんのような人の話には静かに耳をかたむけますが、けれども、けれども、ぼくは、人もどんな生き物もいつかは死ぬと思って、自分にもたくさんのぼく以外の何ものに対しても、大切に生きたいとも思っているのです。




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旅先の鈍行列車の中で竹村淳さんの著した「国境を越えて愛されたうた」を読了した。

竹村淳さんは、長い間、確か日曜の午前中であったかな、NHKのFMでラテン・ミュージックを中心に世界中の音楽を紹介してくれたDJでもあった人で、ぼくも一時期、日曜の午前中に竹村さんの番組を聴くのが楽しみであった。

この本は国境を越えてみんなに聞かれ、愛された、いろんな歌が、登場し論じられるエッセイ集。坂本九さんの「上を向いて歩こう」から始まり、「アメージング・グレース」をラストに迎え、書かれています。すべてを合わせると22曲のいろんなエピソードが盛られていて楽しく、興味深く、一気に読めてしまいしました。

ここでは一つだけジョーン・バエズが歌いヒットし、もしかして日本の音楽の教科書にも載っているらしい「ドナドナ」の詞をこの本から引用してみるのだけど、そのもともとの作者はワルシャワのユダヤ人強制収容所で殺されたポーランドのユダヤ人作家、ハク・カッツェネルソンという人の詞だという。

「子牛

荷車に子牛が横たわっている、縄で縛られて横たわっている。
空高く燕が飛んでる、
喜んで、くるくる輪を描いて、飛んでいる

風が麦畑で笑ってる、笑って笑って笑ってる、
一日中笑って、夜中まで笑ってる。

ドナ、ドナ、ドナ、ドナ、ドナ、ドナ、ドナ、ドン

子牛が呻く、農夫が言う、
だれがおまえに子牛になれって命じた?
おまえは鳥になりたかったんじゃないか、
おもえは燕になりたかったんじゃないか?

おわれな牛たちを人は縛ったり、
引きずりもすれば屠りもする
だけど翼あるものは空高く翔けて、誰の奴隷にもならない。
(黒田晴之・訳)」

この歌をジョーン・バエズは勃興し始めた黒人差別に抗議する公民権運動のその時代の中で歌ったのか。尊敬します。

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来年の2015年はドアーズ結成50年の年だそうで、近所のタワーレコードで「文藝別冊 ドアーズ 結成50年 最も過激な伝説」という本を見かけ、買ってしまい、読んでしまった。

いろんな人が、ドアーズについて、もしくは今ではもうレイ・マンザレクもジム・モリソンのこの世にはいないドアーズ触発されて、かってなことを書いている。100人の人がいれば100通りのドアーズがあって、そのたくさんのドアを開けると、どんな景色があるのだろうか。

そんなドアーズが結成されたのが50年前の1965年でレイ・マンザレクはカリフォルニアのビーチでジム・モリソンと再会し、その時、ジムはこんな歌を作ったと、朗々と歌い始めたという。つたなく"Moonlight Drive"を訳してみました。

「月まで泳いでいこう
潮をのぼり越えていく
街が隠れて眠っている夜に狙いをさだめ
今夜は泳いでいこう
おれたちは何度でもやるつもり
月光のドライブで
海のほとりに車を駐車する

月まで泳いでいこう
潮をのぼり越えていく
世界を待つことなんて諦めてしまって
おれたちのやりかたで重なり合う
何も開かれていなくていい
何も選ばれない
ただ、月光のドライブで
川に足をふみ入れている

月まで泳いでいこう
潮をのぼり越えていく
きみは手をおれをつかまえようとする
けれど、おれはきみを導くことなんてできないのさ
愛することは簡単なことだし
おまえが滑っていくのをじっと見つめている
月光のドライブで
濡れた森の中を落ちていくよ

さぁ、楽しもうぜ
ちょっとひと乗りしようぜ
海のほとりを落ちていく
もっとぴったりと
もっときつく
今夜は溺れて
どこまでもどこまでも落ちていく」

あぁ、ジム・モリソンにとって愛とはどこまでも落下していくことなのだろうか。この本の中で陣野俊史さんが「レイ・マンザレク フィクションとノンフィクション」で書いているのだけど、この時、レイはジムにすごいじゃないか、おれたち、バンドをやろうぜ、と持ち掛け、ジムはうなづいながらも、こんなふうなことを言い自分の夭折をほのめかしたとレイは回想録を書いている。

「「俺は、自分が流れ星みたいなものだってわかっている。夜、大勢の人と外に出て、ビーチにいるとしよう。誰かが空を指さして、こう言うのさ。「見て! 流れ星!」って。みんなは話すやめて、星を見上げる。そして「ああ!」って口にする。星は人々の心を一瞬だけ捉まえて、そして消え去るんだ」
 そして、彼は、深い、人を信用しきった目で、私を見た。賢明な、未来を予知する目だった…。」

確かにその人は永遠に二十七歳で、けれども、もっとも誰よりも年老いてしまった賢人で、どこまでも遠くまで行った人なのではあるまいか。






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アゴタ・クリストフの著した「第三の嘘」を読了する。「悪童日記」と「ふたりの証拠」に続き、これで双子のリュカとクラウスの登場する三部作のすべてを読んでしまった。

一作ごとに文体が変わり、物語に矛盾も生じ、その一作一作の中にも残された謎のようなものが残り、解決されない、つじつまの合わない悪夢にさまよったかのようだ。そして、この悪夢から覚ましてくれるらしい、唯一かもしれない方法も、おしまいにはほのめかされているのだけど、そのほのめかしが何か怖く絶望的ですらある。興味のある人はぜひ三冊、はしょらずに読んでみてください。この物語が、まるでブラックホールのような暗い人を惹きつける重力のようなものを持っているようなのを感じてもらえると思う。

そして、ハンガリーに中上健次のような小説書きがいたのかとも思った。クリストフにとってのハンガリーの実在の町クーセグは、中上の紀州新宮のようではないか。佐藤亜紀さんのこの本への書評にこんな文章があるらしいのけど、これは中上のいう崩壊した路地への喪失感に近似しているように思えた。

「<いつかいた場所>への帰還が現実にある土地への帰還などではなく、「第三の嘘」そのままに、想像と現実の合わせ鏡でできた迷路を辿って、本当はいるとも思っていない、もう1人との似もつかない自分に会いに行く、悪魔のような経験であることも、そうした読者にはわかるに違いない」

クリストフ自身のこの小説の解説です。

「この小説であらいざらい述べようとしたのは、別離-祖国との、母語との、自らの子供時代との別離-の痛みです。私はハンガリーに帰省することがありますが、自分に親しいそうした過去のなごりはいっさい見出すことができません。自分の場所はどこにもないという気が、つくづくします」

いまやフランスでもなくスイスでもなく、祖国ハンガリーでもない、空の上にいるアゴタにおやすみZZZzzz.....






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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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