えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

石牟礼道子さんの著した「あやとりの記」を読了した。工場が垂れ流した有機水銀で所謂、水俣病が発生するより前の美しい水俣のこれはスケッチのような小説で、その美しさゆえにゆっくり、ゆっくり読まずにはいられなかった。それらの美しい風景を日本は失ってしまったように感じられ、ものがあふれ、人が心をなくしていくようなこの病気のような近代というものが、本当に良いものだったのだろうか、と疑問にも思ってしまいます。あとがきに道子さんはこんなことも書いている。
「九州の南の方を舞台としていますが、高速道路に副う情けない都市のあそこここにも立って、彼岸を見つめ、"時間よ戻れ" と呪文を唱えたのです。
どこもかしこもコンクリートで塗り固めた、近代建築の間や、谷間の跡などから、昔の時間が美しい水のように流れて来て、あのひとたちの世界が、現代の景色を透けさせながらあらわれました」
この本を読みながら、心の奥底で言葉というものの力によって、ぼくもその美しい水にふれたようなのです。こんな美しい言葉はありませぬ。

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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


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