えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

entry_top_w.png
川崎のクラブ・チッタでジミー・クリフを見ました。最高です。

少しはおじいさんぽくなっているのかなと想像していたのですが、実際は声もステージ・アクションも1970年代の映画"Harder They Come"やアルバム"Best Of Live"のあのころのままです。

バック・バンドはしょうぼいツアー・バンドかなとこれもかってに想像していたのですが、ジミーが登場する前のインスト曲のベースとドラムのリフの一発で心も体ももっていかれました。

ぼくにはもう歌声だけで、びんびんにしびれてしまって、涙腺が緩んでしまって、涙も零れ落ちるようなシンガーが二人いて、一人はサム・クック、もう一人が川崎の大きくもないカジュアルなクラブで至近距離で聴き、見て、踊った、そう、目の前にしたジミー・クリフなのです。もう、レゲエというジャンルも超越した本当にグレートなシンガーです。レスペクトを込めて名曲"Meny River To Cross"をご紹介しましょう。

entry_bottom_w.png
entry_top_w.png

とても難しかったけれど、やっとのことで折口信夫の「死者の書」を読みおおせた。神、仏、天皇、御霊、などなど、中国や天竺からの舶来も含めた日本古来の信仰の混淆が目も眩むような神秘を文字、文章から立ちのぼらせている。といっても、半分も理解できていないのかもしれないけれど。若い二十代のころ読んでも、さっぱり分からなかったのだけど、いまは少しは、この幽玄の輝かしき美しい世界が分かるような気がする。数年後、もう一度、読んでみたい。そして、その時、何を感得するのだろうか?

この古い絵はこの書のモチーフの一つである當麻寺の中将姫の「蓮糸大曼荼羅」です。






entry_bottom_w.png
entry_top_w.png


雨宮処凛さんの著した「仔猫の肉球」を読んで、ぼくはこう快哉を叫んでしまいそうになる。そう、だめ人間万歳と、そして、だめ人間こそ本当の人間なのだ。こんないい本を読んだあげくには、あの人にも、あの人にも、あの人にも、この本を読んでみなはれ、と薦めたくなってしまうのです。

ふとこんなことも思い出した。インターネットで古い友だちを見つけ、その友だちはプロのハーモニカ奏者になっていたのだけど、メールを出して、今、なにやっているの、と聞いてみたら、その友だちは、おれは死なない程度に生きてるよ、と答えてくれたのだった。会社とかマスメディアとか、世間一般でいわれていることに何か違うだろうと感じ、この本の中で処凛さんに、ただ生きているだけ、これでいいのです、とバカボンのパパみたく声をかけられてしまい、そうだ、そうだと共感の嵐なのです。






entry_bottom_w.png
entry_top_w.png
「ぶらり一人飲み 東京昭和酒場」を読んだ。

ぼくは一人で居酒屋に行って飲んだりすることはよくしていたりします。別に寂しくなんかなぁい。みんなでさわぐことも、一人でものおもいにふけることも、素敵なことなんだよ。

お店の方でも一人飲みは歓迎ということを聞いたことがあります。一人で飲む人って、友だちとだべって、たいしいて飲み食いもせずに長く居るってことは、あまりないでしょう。一人で飲んでいるんで、へんにうるさくもないしね、

この本は、安くて、雰囲気があって、おいしそうなお店が、これでもか、こえれでもかと紹介されていて、とても実用的な一冊です。ぼくのロックの大先輩の太田さんが後ろの方でエッセイを書いていて、これもほろりとさせてくれてちょっとよかったです。

ひとりぼっちで知らない町でのれんをくぐるってのもいいもんだ。今度は「ぶらり一人飲み 神奈川昭和酒場」を出してください。




entry_bottom_w.png
entry_top_w.png
玉居子精宏さんの著した「大川周明 アジア独立の夢 志を継いだ青年たちの物語」を読む。大川周明 というと東京裁判の時、東条英機の頭をぽんぽんと何回も叩いた映像で有名でもあるけれども、むしろ大アジア主義を掲げた右翼のイデオローグを掲げた人としての方が歴史としては残っているのだろう。戦前と戦中に時の経済界と政界の支援を受け私塾を開き、そこで学んだ青年たちが、少なからず、インドも含めた東南アジア諸国の独立に影響を及ぼしたらしいのだが、この本の中にある光機関やらF機関やら南機関という組織を知るにつけ、工作とか陰謀とかそういうことってあるらしいことを知る。青春の夢物語のような外国の独立運動のかかわりは、終章になって書かれた、さまざまな塾生たちに述懐される歴史の皮肉と悲しさよ。ぼくには「終章 歴史の一部になって」が一番、おもしろかった。引用します。

「大川周明は復興アジア、すなわちアジア独立の精神を最後の弟子たちに打ち込んだが、戦争が終わると、大川塾生が派遣されていた南方の地域では宗主国との葛藤や争いを経てベトナム、インド、ビルマ、インドネシア、マレーシアと独立していった。彼らの宿願は彼らが去ったあと、その土地の人々によって果たされていった」

塾生の一人はこう述べてもいる。

「インド国民軍やインド独立運動というのは、ボースさんや大東亜戦争以前に、数百年の歴史を持っているわけですからね。僕はINAの仕事というのは、その中のほんのわずかのコマにすぎないのだ、主役は常にインド人であったという点で、非常にいいことだと思うのですがね」

そして、この人はこうも付け加えている。

「東亜の解放というのは、スローガンであっても、軍の本当のインテンションではなかったと思います」

ぼくの送る言葉は、若者よ、体を鍛えておけ、若者よ、だまされるなよ、若者よ、だまされちまえ、さて、どれなのでしょう?

http://amzn.to/1GYGlqe
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png
ドナルド・キーンさんと瀬戸内寂聴さんの対談本「日本を、信じる」を一気読みしてしまった。

東日本大震災の後、日本国籍を取り日本人となった、世界に日本の文学を知らしめた偉大なる日本文学研究者が、今の日本をどう思っているのか、知りたいと思ったのです。

当たり前みたいな会話ばかりだけれども、共感しつつ、今の日本の首相やそのまわりの議員らが進もうとしている道と異にしていると感じ、日本の未来を危惧してしまいます。けれど、ぼくもキーンさんや寂聴さんのように「日本を、信じる」ことにしましょう。今が人生で初めて立ち会う日本の危機であるような気もするのです。

この本には目新しいことは書かれていないと言いましたが、ぼくの知らなかったことが一つ、語られていました。瀬戸内さんとキーンさんの共通の友だちに三島由紀夫がいましたが、デンマークのある有名な選考委員が三島は過激な左翼だとの進言し強硬に反対し、三島はノーベル賞を逃し、川端康成になったそうです。この本には載っていませんが、有名な話として、三島は内心は悔しいながらも、次は大江(健三郎)くんの番だねと言いのけ、その言葉は本当になりました。作家同士の立場を越えた不思議な友情を感じさせてくれる話ではありませんか。

九十歳を前に日本に帰化したドナルド・キーンさん、ぼくはあなたにこう声をかけてもいいでしょうか?

(日本に!)お帰りなさい





entry_bottom_w.png
entry_top_w.png
井上理津子さんの著した「さいごの色街 飛田」を読了した。こんなことまで書いてしまっていいのかなというようなところも含む内容で、単行本を取材した飛田新地料理組合の献本をし、その後の生々しいやりとりはぼくの読んだ文庫本の「文庫版あとがき」に書かれていたのだけど、立ち入り禁止にはならなかったもよう。

この「文庫版あとがき」が濃い内容で、文庫本が出た今、単行本ではなく文庫本の方をお薦めします。このルポルタージュにはその取材手法や取材対象に対しての姿勢だの、いろいろと厳しい批判も多いのだけれども、ぼくは読んで良かったと思いました。

「飛田に行ってみたいと思う読者がいたとしたら、「おやめください」と申し上げたい。客として、お金を落としにいくならいい。そうでなく、物見にならば、行ってほしくない。そこで生きざるを得ない人たちが、ある意味、一生懸命に暮らしている町だから、邪魔をしてはいけない」と筆者は「あとがき」に書いているのだけれど、その言葉の剣は井上さん自身にも向けられていようことも、井上さん自身もわかっているだろう。

大阪はディープです。






entry_bottom_w.png
<< 前のページ   HOME   次のページ >>
[49]  [50]  [51]  [52]  [53]  [54]  [55]  [56]  [57]  [58]  [59
plugin_top_w.png
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
2 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
えいちゃんのお奨め

ライブのお知らせ

ぼくのTwitter

plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
最新コメント
[12/23 ロンサム・スー]
[07/27 gmail account]
[08/29 えいちゃん]
[08/29 みさき]
[05/18 えいちゃん]
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
ブログ内検索
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
最新トラックバック
plugin_bottom_w.png
Copyright えいちゃん(さかい きよたか) by えいちゃん All Rights Reserved.
Template by テンプレート@忍者ブログ