えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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ジェームス・M・バーダマンさんが著し、スティーブ・ガードナーさんが口絵の写真を添えた「わが心のディープサウス」を読了した。

ぼくにとってやはりアメリカ南部は憧れの地でもあるのあだけど、それは日本に住まわれているジェームズさん、スティーブさんのお二人も同じかもしれない。ジェームズさんは早稲田大学の先生をしておられ、スティーブさんはフォト・ジャーナリストにして日本各地のライブ・ハウスから日本からアメリカ・ツアーなどもしておられる最高のブルーズ・マン。二人ともしかもアメリカ南部出身。いつかミシシッピーやテネシーをぼくは旅してみたいと夢見るのだけど、'Jap'とののしられる悪夢も怖いのです。でも、きっとジェームス・M・バーダマンさんやスティーブ・ガードナーさんみたいな人もいっぱいいるから大丈夫なんだ。

そして、この本は食べ物と音楽の話が盛りだくさんで、やっぱかの地で、いい音楽をいっぱい聴いて、食いしん坊になりたくなったよ。






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原民喜の小説集「夏の花・心願の国」を読了した。こんな美しい現代の日本語の文章は読んだことがない。その美しい文体で戦争がもたらした地獄絵図のような広島の惨劇とその前、その後が語られる。これは原民喜が残した遺言であるとともに何度も世界を滅ぼしえる道具を手にしてしまった人類そのもの、すべてへの黙示録なのかもしれないと思い、戦慄と悲しみと絶望に近い何かを感じ、あきらめてはいけないという低く小さな声もどこからか聞こえた気がした。

原民喜がその美しい文体でこれを描くのは宿命であり、神からの天命でもあり、多分、ぼくたちへの天からのかけがえのない贈りものでもあったのです。





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神奈川近代文学館で佐野洋子さんの展覧会「まるごと 佐野洋子展 ―『100万回生きたねこ』から『シズコさん』まで―」を見ました。

大人になってから衝撃の感動を受けた子どもの本というのがあって、一冊はサン=テグジュペリの「星の王子さま」、一冊はこの展覧会の主人公である佐野洋子さんの「100万回生きた猫」なのです。

前半は年代を追って作品の原画などを展示しており、後半が佐野洋子さんの人生そのものを追った展示なのでした。佐野洋子さんの人生の特に子ども時代は波乱万丈で、日本占領下の北京で生を受け、敗戦の混乱とその後に、兄弟を何人も亡くしているのを知った。

佐野洋子さんが創作をしなくてはいけなくなった人生の大きな決定的な事件とは兄の死だと思うのだけど、その兄との思い出を綴った「わたしが妹だったとき」を展覧会を見た後、グッズコーナーで買った。

あの「100万回生きたねこ」は人にあげるか、押入れのどこかにしまうかして、なくしてしまった。もう一度、読みたいなぁ。

http://www.kanabun.or.jp/exhibition/3179/
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中脇初枝さんの著した小説「世界の果てのこどもたち」を読了した。第二次世界大戦中の満州(その歴史の地を今の大戦後の中国の人たちが「偽満」と呼ぶのもこの本で知ったのだが)で出会った三人の少女たちの物語を読み、戦争というのは地獄だなと思う。けれど、その地獄すらも、こどもたちのまっすぐで偉大な魂は、煉獄に変えてしまう力があったのです。

この本はキリスト教については、何も書かれてはいなにのだけど、ぼくはそんなことを連想してしまった。カトリックの教えによれば、煉獄とは、神の恵みと神との親しい交わりとを保っていながら完全に清められないままで死んだ人々は、天国の喜びにあずかるために必要な聖性を得るように浄化の苦しみを受けるとされており、この最終的浄化のなさせるどころだという。改めて、戦争の恐ろしさ、怖さを感じ、戦争ってなんだろう、どうして、今でもそれはあるのだろうか、と思う。

読み進めていくうちに、珠子、美子、茉莉の三人のこどもたちに胸の奥から、心からの、がんばれという声援を送っているぼくがいました。

あー、八月六日から八月十五日までの十日間、日本人にとって特別な十日間だとも思うのですが、お盆休みの読書など、どうでしょう。






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クリス・ギレボーというアメリカ人の著した「1万円起業」という本を読んだ。こういうのは読むだけじゃなく始めないとな。で、一言「ぼくは、あなたのお望みのシステムとかアプリケーションを作ります」。どうだろうか?

http://www.asukashinsha.jp/100startup/index.html
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杉浦日向子さんの著した、描いた「百物語」を読む。これ三十年ほど前に「小説新潮」に九十九回も連載された掌編の漫画集。怖い、恐ろしいというより、どこか懐かしいような怪しい小さな物語集で、もちろん、この本から流れてくる夏の夜の風に吹かれれば、そう、丑三つ時にでもなれば、江戸への門がぽっかりと開かているのです。






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石田千さんの著した「唄めぐり」を読了した。民謡を聴き求めて日本全国各地を旅した紀行文は、その日本語にしかないような文体のリズム感が、読んでいて、きっぷの良い歌が耳に届くかのようだった。まずこの文体に魅かれてしまい、そして、その日本を北から南、東から西へと旅している気分にもなり、日本っていいなぁ、とつくづく思い。各章に数枚、はさまれた口絵写真も楽しく、こんな幸せな風景と空気があったのかと、ぼくの頬はゆるんで、微笑んでしまう。

おしまいの章「音頭の渦 福島[あまちゃん音頭、新生相馬盆唄]」では、音頭が今ここで生まれるそれが綴られているのだけど、そこに出てくるミュージシャン、大友良英さんの言葉は民謡が歌われ踊られる音頭のもっとも深い真実をついているようにも思え、引用させていただきます。

「震災前から大変だったこともあるし、震災後から大変になったこともある。二年前まで、盆踊りって大嫌いだったんですよ。でも、いまこれだけやっていたら、もう嫌いとは言えないです。いったん踊りが始まると、だれも僕らのいる舞台をみてない。主人公は踊ってる人たちなんです。それが最高。また来年もやります」

日本の音頭の夏が今年もやってきますな。






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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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