えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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小川三夫さんが語り塩野米松さんが聞き書きした「棟梁 技を伝え、人を育てる」を読了しました。いいこと、ためになることがいっぱい書いてありました。

ぼくは、若いころ、なりたかった職業があって、ミュージシャンとか小説家、それから、古文書や古美術の修復師、そして、宮大工だったのです。もしかして、この本を読んで、宮大工には無理だったのかもしれませんが、何度も出てくる、見習いのころとかは特にそうだという、仕事にひたるということについては、自分がプログラマーをし始めたころを思い出しました。プログラマーし始めた二年間ぐらいは、物覚えが悪く要領の悪い人より劣っていたぼくは、寝ても覚めてもプログラミングのことが頭から離れず、いつもそのことばかり考えていました。本当ですよ。

人を育て技術を伝承するために小川三男さんが創設した寺社建築専門の建設会社「鵤工舎」が手がけた建築物が巻末にたくさん載っていますが、横浜にもあるもよう。弘明寺の修復を手がけているようです。今度、行って、散歩してこようかな。







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河合隼雄さんの著した「深層意識への道」を読了した。今は亡き河合隼雄さんが、自分の人生を振り返りつつ、その時その時で、どんな本を読み、どんな感銘を受けたかを語ったものでした。こういう本を読むと、この本で紹介されている本のすべてが読みたくなるというこまったものでもあります。そいいえば、佐野洋子さんの絵本「100万回生きたねこ」などの生涯、忘れられない名作をぼくは河合隼雄さんの本から教わったようなのです。

臨床医、治療者としての苦しみや困難さもたくさん語られています。毎日毎日、自殺したい、誰かを殺したいといような人の話を聞くそうです。そんな中でコスモロジー(cosmology)とパフォーマンス(performance)ということが両軸として大切だということで、とてもか印象に残りました。コスモロジーとは自分もその世界に入ってそのなかの一人として全体を見るということだそうで、パフォーマンスとは自分がやらなくてはいけないということだそうです。他にも宝石のような発想が平易な言葉で述べられているのですが、この書のぼくの思う白眉の文章を引用させてください。

「たとえば誰かが来て、「ねぇ、あなた、私はこうしているのだけれど、あまり人の役に立たないし、死んだほうがましと思うわ」と言うのを、「うーん」と聴くのは大変ですよ。だいたいは、「そんなことないよ。あなたは役に立っているよ。しっかりやってね。じゃあ、さようなら!」とか言って、ものすごく励ましているように思うけど、要は「さよなら!」と言うてるんです。そのときに、さよなら言わずに、「死んだほうがまし」「あ、そう」と言っていたら、まだ続きます。そこをじっと一緒にいたら、その人が生きるほうに帰るのですが、帰ってくるあいだのリミナリティの世界に一緒に住んで時間を過ごすのは、ものすごいエネルギーのいる仕事です」

この文に出てくるリミナリティ(liminality)とは、人類学者ターナーの用語で、日常生活の規範から逸脱し,境界状態にある人間の不確定な状況をさす言葉だそうです。いつの間にか、ぼろぼろになっていたぼく自身もそこにはいる、もしくは、いたような気がして、しかも、この前、見て感動した映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」ともぼくの中でシンクロしているように思え、これを読んで、少しだけ傷つくのが怖くなくなったような気がしました。






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「原発、いのち、日本人」を読みました。2012年に出版された原発周辺に関してのさまざまな議論についての浅田次郎さん、藤原新也さん、ピーター・バラカンさん、レーナ・リンダルさん、辻井喬さん、豊竹英大夫さん、野中ともよさん、想田和弘さん、谷川俊太郎さんへのインタビュー集でした。谷川俊太郎さんの言葉が一番、胸に響いて共感してしまいました。2011年の震災の時のあの原発事故でぼくの子どもの頃の夢が一つ失われてしまったのだと思うのは、谷川俊太郎さんのこんな言葉からでもあるよう。そして、ついさっきの熊本での地震でも原発は大丈夫なのかと危惧してしまう。「原発、いのち、日本人」から引用します。

「そんな生意気なこと言いませんけど、今、アトムとかウランちゃんがまた逆に攻撃されているわけでしょう。昔はあんなに人気があったのに、あの当時は、原子力っていうものは平和利用、すばらしいという時代だったからね」

そして、大詩人はこう続けるのです。

「この間ちょっと、もうちょっと年とったアトムを書こうと思ったんだけど、うまく書けなくてさ、今、アトムじゃないアンドロイドっていうのが出てきているし、もっと精巧なのがね。アトムはちょっとシンプル過ぎてだめなのかなみたいな感じ。あれ以上頭脳が進化しないのかもしれないっていう。今、アトムに「原子力、今もう、ちょっと問題なんだよ」って言っても、あの方、「そうですか」って言って何かにこにこ笑っていそうな」

このくだりになぜか感動して落涙しました。





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デボラ・B・ローズさんの著した「生命の大地 アボリジニ文化とエコロジー」を読了する。オーストリア先住民の文化と生活について、その人たちの言葉や詩とともに敬意をもって書かれていた。

この本の中に頻繁に出てくる言葉が二つあって、それは「カントリー(country)」と「ドリーミング(dreaming)」。「カントリー」というのは「地」や「川」や「海」のことを多分、言っているのだと思うのだけど、「ドリーミング」とは何だろうか? ちょっと難しい。デボラさんが聞き語るアボリジニの知恵によれば、人も鳥も獣も虫も石もなにもかもが「ドリーミング」なのだそうだ。それは「夢見るもの」ということなのだろうか? するとこういうことなのかもしれない。人も鳥も獣も虫も石も魚も貝もクジラやイルカもなにもかもが地の上、川の中、海の中での夢見るものたちなのだと。とってもすてきです。その夢はとてもかけがえのない美しい夢なのではないかしら? ぼくもときどき同じ夢を見ています。






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姜信子さんが文章を書き、アン・ビクトルさんが写真を写した「追放の高麗人(コリョサラム)天然の美と百年の記憶」を読了した。

1937年、ロシア極東の沿海州で暮らしていた朝鮮民族の人たちがスターリンが統治していたソビエト連邦により中央アジア、今のカザフスタンに強制移住させられたという史実があって、その人たちを追って、そして、その人たちの携えてきた日本ではサーカス小やチンドン屋さんのジンタの響きとしても有名な「天然の美」という音楽をめぐるルポルタージュに美しく深いアン・ビクトルの写真も載せられている。これはそのような民族の悲劇を追いながらも、幸せを求める希望やその強さも発見する物語でもあったよう。ぼくも、どんな時でも希望に向けて一歩を踏み出す、その強さを持った人でありたいと、今さらに思いました。

ソ連の崩壊後、カザフスタンでの排他的民族主義の高まりにより、今、その地、カザフスタンを後にする人たちも多いという。それでも、彼らは希望に向けて一歩、踏み出すことをやめない、したたかな強さの素晴らしさと生きることの美しさ、そのようなことをこの本により知りました。






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コンビニで見かけて、ちょっと立ち読みして、おもしろそうなので買ってしまったノートルダム清心学園の理事長を務められている渡辺和子さんの「幸せはあなたの心が決める」を読みました。なんか、いいことがいっぱい書いてあったよ。本の言葉は難しくないのだけど、それをするのは難しいのかな。ちょっとずつ、ちょっとずつです。もしかして、できなくて終わってしまっても、しかたがないのかもしれません。けれど、やっぱ、ぼくは、ちょっとずつ、ちょっとずつです。いろんなリンゴの表紙も素敵だな。







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文化人類学者という肩書ももつ今福龍太さんの著した「クレオール主義」を読了した。とても難しくて、よく分からないところばかりなのだけれども、それでもおもしろかった。「クレオール」って何だろうと問われて、この本からの浅はかもしれないぼくの理解では、それは、文化や人が幾重、幾層にも混じり合い、混血してゆく、その交通がもたらすその運動であり、そこから常に生み出されていく生成のことをこう表現しているのかなと思った。やっぱ、むずかしいですね。例えば、それをいい表しているかもしれない著者が引用しているロバート・L・スティーヴンソンの言葉がとても魅力的。

「外国というものは存在しない。存在するのは、ただ「旅人」と呼ばれる外国人だけだ。そして彼らはときどき記憶力の閃きによって、地上によこたわる差異に光をあてる」

その差異とそこからもたらされる混淆が美しいのをいい表したアリス・ウォーカーの言葉もこの本から引用してみて、ぼくはそれに普遍に通づるような愛を感じるのです。

「「ママ、どうして私たちは茶色や桃色や黄色で、いとこのみんなは白やベージュや黒なの?」「それはね、人間の世界はちょうどすべての色の花が集められた花園のようなものだからよ」」

きっと、そうだよね。おやすみZZZzzz.....







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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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