えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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片岡義男さんの著した「ロンサム・カウボーイ」を読了した。

片岡義男さんは忘れ去られつつある小説家ではなかったのだ。この「ロンサム・カウボーイ」は1976年の初版が出版され、2015年までの改版が出されるほどの息の長いロング・セラーなのを本の奥付を見て知った。

1970年代のアメリカのありふれた日常が切り取られて書かれているのだけど、なにげない日常ほど奥深く、胸に迫るものはないのかもしれないと、ぼくは読み進めて感じいる。アメリカとは自由とそのうらはらに死の国でもあるような読後感を持ってしまった。

FMラジオのDJ、エンターテイメント小説、ジョン・レノンのインタビュー集「回想するジョン・レノン」の翻訳者、アメリカ音楽の紹介者、エッセイスト、いろいろな顔を持つ片岡義男さんだけど、この「ロンサム・カウボーイ」という短編集はまぎれもない純文学の傑作だと思った。






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なぎら健壱の著した「酒にまじわれば」を読んだ。この本の「酒」は「さけ」ではなく「しゅ」と読むそうなのだけど、なぎら健壱ってすごいですね。歌はうまいし、ギターも逸品、いい曲も書く。そして、「酒にまじわれば」のようなおもしろい文章も書いてしまう。

この本を読みながら、お酒好きで、多分、数えきれない失敗をしたぼくは、笑い泣きと泣き笑いなのです。

ところで、最近のぼくもあるんですよ。この前の夜、会社の飲み会が国分寺であって、酔っぱらって帰って来て、朝になると、身に覚えのない体の傷がところどころに。一番すごかったのが、去年の秋ごろ、朝、起きると、見に覚えのない殴られたような痛々しい跡が、目のまわりにありました。トホホ・・・。酔っぱらって殺される、あー、憧れのブルーズ・マン、ロバート・ジョンソンのようでもありまする。






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ブレイディみかこさんの著した「ヨーロッパ・コーリング 地べたからのポリティカル・レポート」を読んだ。これは労働者の町ブライトンからの欧州の政治についてのレポートなのです。白痴のように午睡しているかのような日本と日本人であるようにも思えるのだけど、欧州も激変しています。サッチャーが葬り去られ、マルクスは墓場から目覚めつつあるというのは本当でしょうか? あとがきでのみかこさんのメッセージです。

「争いのあるところに花束を。
午睡しているところには石のつぶてを」

イギリスの古いフォーク・ソングに「パンと薔薇」の中で「私たちにパンだけでなく薔薇もください」と歌われるそうです。薔薇とは何かもこの本ではふれられていました。"Bread And Roses"を意訳してみました。

♪♪♪
わたしたちは行進していく 行進していく この美しい日に
一万もの暗い台所と一千もの製粉所の屋根裏の倉庫は
突然の隠されることのない日の光の明るさに触れられる
わたしたちに歌わせてください パンと薔薇 パンと薔薇 パンと薔薇をください

わたしたちは行進していく 行進していく わたしたちは戦いもする 愛する男たちのために
男たちが困難のときにあるならば わたしたちは団結し勝利する
生まれてきてこの世界を去るときまで苦役のつづく日々だけれど
体と同じようにわたしたちの心は飢えている わたちたちにパンをください わたしたちに薔薇をください

わたしたちは行進していく 行進していく 数えきれない女たちが死んだ
古い昔からのパンを求める歌をうたい泣きながら進んでいく
小さなわざ 愛 美しさをだすさえて てくてくと歩く精神を知った
わたしたちはパンのために戦った わたしたちは薔薇のためにも戦った

わたしたちは行進していく 行進していく 背筋をすっとのばし 自尊心をもちすくっと立っている
女たちが立ち上がるときはすべてのわたしたちが立ち上がるときなのだ
午睡の中で 奴隷のように働かされたり 足踏みしたり 何度も難渋したり もうそんなときではない
人生の栄光を分け合おう パンと薔薇 パンと薔薇をください♪♪♪



そして、「ヨーロッパ・コーリング」にもどり、この花束を投げるこの本の表紙もとってもいいのです。






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小林正観さんの著した「ありがとうのすごい秘密」を読んだ。たまにこんな本を読んでしまうのです。この本は小林正観さんが主催している伊勢神宮に願いごとをしに行くのではなく、「ありがとう」と神さまに感謝しに行く、そんな会の講演の口述筆記なのだそうです。いつでもなにがあったって「ありがとう」なのです。それからぼくには「ありがとう」と同じぐらい好きで大切な言葉がありますよ。

「おかげさまで」






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「やなせたかし 明日をひらく言葉」を読んだ。たまにこんな本を読んでしまう。やなせたかしさん、大好きです。アンパンマンをテレビで初めて見た時は驚いた。自分の顔をあげてしまうのなんて、すごいと思った。やなせさんの本で一番に好きなのは悲しい、悲しい「やさしいライオン」かな。「明日をひらく言葉」という本の中で、この言葉にはちょっと今の自分にはどきりとして、どこかいいところにつれていってくれそうだと思いました。

「昨日は過去で、明日は未来。
今だけ現実なんだけれど、
過ぎてしまえば夢だから、
一秒きざみに夢になる」





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河合隼雄さんの著した「ユング心理学入門」を読了した。2段組、318頁の大著です。この本は河合隼雄さんがユング派の日本で初めての分析医になったころに書かれていて、そこには、つづく人生で、河合さんが何度も変奏しながら深くまで行こうとする夢と人間の何たるかについてのすべての萌芽がくまなくあると思った。臨床例も豊富ですごくおもしろかった。もっと早くに読んでおけばよかった。






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近藤ようこさんの描いた漫画「説教 小栗判官」を読んだ。昔から小栗判官と照手姫の純愛の話が大好きでした。この話は昔の昔から現代まで代々の日本人に愛されてきた、心の原郷であるような物語かもしれない。江戸を漫画で描く天才が杉浦日向子ならば、中世を漫画で描く天才が近藤ようこ。その近藤ようこさんの漫画を読み、相模の国から熊野の本宮の聖なる湯あみに照手のようなきよい娘とはるばる、てくてくと旅をしたくなりました。照手姫こそ神さまのような女子で、あわれな男を救う天照大神や観音菩薩となりますまいか? 「説教 小栗判官」、その絵と物語が響き合い、美しい漫画です。






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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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