えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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明治大学でドイツ文化史や映画について教えておられるらしい瀬川裕司さんの著した「『サウンド・オブ・ミュージック』の秘密」を読んだ。ロバート・ワイズ監督、ジュリー・アンドリュース主演の名作「サウンド・オブ・ミュージック」をことこまかに解き明かした本です。

いろんなシーンがこういう成り立ち方をしているというようなことなどがこれでもかこれでもかと書かれていて、瀬川裕司さんの「サウンド・オブ・ミュージック」への愛を感じてしまった。というぼくもこの映画「サウンド・オブ・ミュージッ」こそ、これまでの長いのだか短いのだかわからない生涯に見た映画の中で不動の一位なのだ。

ちなみに、二位からは、フェデリコ・フェーリーニの「道」、ヴィム・ヴェンダースの「パリ・テキサス」、チャーリー・チャップリンの「独裁者」、小津安二郎の「秋刀魚の味」などがつづくのだけど、二位以下の順位は季節季節で変わったりします。

とまれ、「サウンド・オブ・ミュージック」を初めて見たのが小学生のころで、相模原市の市民会館で優良映画鑑賞会というのが月に一回、当時でも格安の三百円という料金で開催されていたのだ。もう一度大きな画面でこの映画を見てみたいと願いつつ、「『サウンド・オブ・ミュージック』の秘密」のあまりにマニアックなおもしろさに惹きこまれれ、一気の読んでしまったのでした。なんとこの映画にはモデルとなった家族すらあったのですね。知りませんでした。

それから、ぼくがロックとかの外国の音楽に魅かれていったその原点がもしかして「サウンド・オブ・ミュージック」というミュージカル映画にあったのかもしれません。









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前谷彰さんの訳・解説の「ブッダの教え ~真訳・スッタニパータ~」を読了した。

やはり、これとは別の本「ブッダのことば スッタニパータ」の中村元先生の訳がいかに格調高く、すばらしいものだったかを、今さらながらも思いおこしてしまう。さらに平易な口語訳である「ブッダの教え ~真訳・スッタニパータ~」のそのわかりやすさから、解説はながめる程度として、経典の原文の訳をそのまま読み、何かを感じるのがよいのではなかろうか、などとも思ってしまった。

「スッタニパータ」で説かれている「犀の一角の経」はとくに大好きで、その中で「犀の一角のように、たったひとりで歩みなさい」と何度も謳われるのだけど、ぼくは悟りから永遠かとも思われる距離でへだたっているらしいことを感じもする。中村元さんはこれを「犀の角のようにただ独り歩め」と訳していて、その言葉はぼくを何度も惹きつけるのだけれど、誰かとある時、手をつなぐことも素敵なことだということも確かなことではないかしら。きっと、すべてを手放さなくてはならない時も、いつかはやってくるのです。

ここにあると思えば、ここにはなく、ここにはないと思ったなら、ここにある、とあの人は教えてくれていると思うから。





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高橋健二さんの訳したヘルマン・ヘッセの「シッダールタ」の抜粋に竹田武史さんのインドの写真をちりばめた「シッダールタの旅」を読みました。写真もヘッセの文章も少し残酷で、とても美しい。どこか遠くに旅する時はこの本をリュックの中にしのばせて、クロスシートの列車の中で読みたいですね。それとも、会う機会のなくなったインド好きのあの人にプレゼントしたいですね。ヘッセの「シッダールタ」を再読してみたくなったのは、もちろんのこと。新潮文庫の高橋健二さん訳でですよ。

この本は美しいのですが、ぼくには、この美しさがどこからきて、どこへゆくのか、さっぱりまだわからないのです。





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中上健次の著した「路上のジャズ」を読んだ。中上の最も初期の作品でもある散文詩「JAZZ」と芥川賞を取る以前の小説「灰色のコカ・コーラ」とジャズにまつわるたくさんのエッセイを集めたアンソロジー。それらの文章のほぼすべてを、ぼくは高校生のころ読んでいて、ぼくはこんなものを十代の時に読んでしまっていたのかと驚く。高校生のころは市立の図書館によく行っていて、おもしろそうな本をかたっぱしから読んでいたのを思い出す。この中上健次とか澁澤龍彦とか、好きだったのです。あのころ、パンク・ロックとか古いロックとかも好きだった。新宿ロフトや渋谷の屋根裏、法政大学の学館のコンサート、はてや曼荼羅で友川カズキ、池袋の文芸座で浅川マキも見た。この「路上のジャズ」を読むと、そんなあのころのささくれだった、やさぐれたなんとも表現したらいいかわからない気分を思い出して、胸が苦しくなり、泣き出しそうになってしまう。

そうだ、あのコルトレーンのナンバーを弾くピアニストにどこかのライブ・バーで出会ったなら、この一冊を、読んでみてくれとプレゼントしようかな。すると、ぼくがそうであったかのように目で見る世界の光の色が変わったかのように感じ、彼の弾くピアノが何か変わってしまうのかもしれない。しかし、この本に書かれているのは、それはあくまでも中上健次のジャズなのかもしれないとも思いつつ、こんなコルトレーンを語り、ジャズを定義した文章にぼくはひれ伏してしまう。

「私もそうだが、ジャズ・ヴィレッジの連中は、言ってみれば逃亡奴隷のようなもので、ジャズを創りジャズを支えた黒人の状態に似ている。
 コルトレーンは、そんな聴き手のリアリティに支えられて、コード進行から自由になり、音の消えるところまで行く。自由とは、疎外され抑圧され差別されることからの自由であり、ジャズの持つ黒人のというアメリカのマイノリティの音楽という特性からの自由である。黒人という特性から出発して、特性から解き放たれる、と私はコルトレーンのジャズを聴きながら思ったのだった」

ぼくはこの文章の「黒人」という言葉をいろんな単語に置き換えてみる。「日本人」とか「在日」とか「被差別部落出身」とか「私」とかに。すると、ありありと「自由」が再び輝き始めた。





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小田急線の新宿駅の売店で見かけておもしろそうだなと思い、買ってしまた文庫本、武光誠さんの著した「「地形」で読み解く世界史の謎」を読んだ。

なるほど、地形とそれによってもたらされる気候と風土、たえず移動しようとする人間たちが文明を築いていくことを鳥から視点でこの本は語っている。その鳥からの視点の本を読むと、やはり地べたからの人や動物、虫たち、魚たちなどのさまざまな小さな生きものたちからの視点で語られた物語が読みたくもなります。たぶん、それらの本もたくさんあって、クロード・レヴィ=ストロースの「悲しき熱帯」とか、柳田国男の「遠野物語」とか、ヘンリー・デイヴィッド・ソローの「森の生活」とか、ジョージ・オーウェルの「カタロニア賛歌」とか、山口淑子さんの「李香蘭 私の半生」などなどなど、あげればきりもなく。

さて、「「地形」で読み解く世界史の謎」にもどって、謎解きとしてはどの章もとても、とても、ものたりなかったのだけどね。







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ブレイディみかこさんの著した「This Is Japan 英国保育士が見た日本」を読了した。

ぼくはパンク・ロックに憧れて、英国に何度も何度も旅をし、ついにはブライトンのダンプに運転手という生粋のワーキング・クラスの旦那さんに嫁いで、一児の母にもなり、保育士として働いてもいるブレイディみかこさんのファンなのです。いつもブログは見ているし、出版された本は必ず読んでいたりします。

今度の新しい本は彼女がおよそ20年ぶりに日本にもどってきての今、東西の冷戦とイデオロギーの時代がすぎさった後の日本で進行中の南北問題、つまり、持つものと持たざるものの格差がもたらした問題の現場、みかこさんのボキャブラリによれば、地べたからのルポルタージュ。とてもおもしろかった。そして、「エピローグ カトウさんの話」では涙が止まらなくなってこまりました。

『THIS IS JAPAN 英国保育士が見た日本』特設ページ






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半藤一利さんと出口治明さんが対談した本「世界史としての日本史」を一気読みました。

半藤一利さんは歴史探偵を自認するあの総合誌「文芸春秋」の元編集長にして日本の近代史、現代史の研究者で、出口治明さんはライフネット生命の代表取締役でありながら、世界史の本も何冊か出されている。

主に第一次世界大戦から第二次世界大戦あたりまでをお二人で語りながら、今の日本にも鋭い指摘がくだされております。

半藤一利さんの本はいつもおもしろいです。ぼくはファンなのです。





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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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