えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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ブレイディみかこさんの著した「子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から」を読了した。

この本を読んで、何度も目頭が熱くなってしまった。イギリスのブライトンを舞台にした実話からのエッセイで、五才にも満たない問題児がたくさん登場する。そんな子どもたちが時折見せる、みかこさんのいうところのブリリアントな何かにぼくもやられてしまったのです。

もしも、この本を本屋さんで見かけたら、この本の中の10頁ほどの「リトル・モンスターと地上の星々」を読んでみてください。これはあらくれた小さな天使たちの話だろうか。きみもこれを読んで涙ぐんでしまったら、涙を拭いてレジに駆け込み、全編を買って読んでみて。

世界はすばらしく、どんな時でも生きる価値がある。そして、そこには薔薇が咲いている。





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ブレイディみかこさんの著した「労働者階級の反乱 地べたから見た英国EU離脱」を読了した。ブレイディみかこさんは、最近、ぼくの思う一等注目すべきおもしろいライターです。イギリスのブライトンの公営住宅にダンプカー運転手の旦那さんと子どもと自らは保育士をしながら暮らしている人からの英国からレポート。彼女のまわりはワーキング・クラスばかりなのだそう。本の帯にこうありました。

「彼らは「排外主義に走った愚かな人々」なのか―??」

この本もやっぱおもしろかった。この本の章立てを紹介します。「第Ⅰ部 地べたから見たブレグジットの「その後」」、「第Ⅱ部 労働者階級とはどんな人たちなのか」、「第Ⅲ部 英国労働者階級の100年―歴史の中に今が見える」。ぼくはこの本から、いろいろ知らないことも知りました。例えば、英語の'PEOPLE'という言葉が「人びと」ということと同時に「労働者」という意味であるちうこととか。その労働者が歴史の節々で立ち上がり、世界を動かし、変えてきたこととか。別の本に書いてあったのだけど、EU離脱の決まった次の朝、生粋のワーキング・クラスでEU離脱に賛成を投じた隣のおじさんに朝の挨拶をみかこさんはしたそうだよ。

「大変なことになりましたね」
「あぁ、大変なことになったな。おれたちはこれから、地獄に行くんだよ。そして、そこからまた立ち上がる」

EUに対してはこんな意見があることも知った。英国の労働党左派議員だったスチュアート・ホランドはEUの仕事に深く関わり、今はこう警告を発しているそうだ。

「ドイツは20世紀に二度、ヨーロッパを破壊しそうになったが、21世紀は緊縮財政の押し付けで同じことをしている」

みかこさんは英国の労働者階級の人たちのことをこう書いている。

「EU離脱投票の結果を知った朝、わたしが一番最初に思ったのは、「この国の人たちは本当にやってしまう人たちなのだ」ということだった。いいにしろ、悪いにしろ、英国の労働者は黙って我慢するような人たちじゃない。必ず反撃の一手に出る。ものすごい暴挙でも、大それたことでも、彼らを怒らせたら、本当にやってしまう」

さて、紹介するムービーはこの本でも取り上げられているケン・ローチ監督のドキュメンタリー"The Spirit of '45"。1945年、戦争が終わり、その年に英国では選挙が行われたのだが、英国の人たちは、特にワーキング・クラスは戦勝国の首相、ウィンストン・チャーチルを選ばなかった。命をかけて戦ったのはおれたちだ、おれたちに分け前をよこせと、保守党は敗退し、チャーチルは失脚した。(けれど、ぼくはウィンストン・チャーチルはなんか好きだけどね。)



英国はもっとも尖鋭な民主主義の国かもしれないよ。




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映画も見たのだけれども、東野圭吾さんの「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を読了した。映画は映画で良かったし、本は本でとてもおもしろかったよ。こんな謎解きの物語があったんだねぇ。すこしだけ人生とか時間とかの謎も解けたかな? それはぼくにはわからない。けれど、それでもいいのさ。こんど、ナミヤ雑貨店に手紙を書きます。






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黒田福美さんの著した「夢のあとさき」を読了した。この本の副題には「帰郷祈願碑とわたし」とある。こんなお話。ある日、韓国好きの女優は夢を見る。しらない南の島の砂浜で背の高い若者に会う夢。その若者は黒田さんに屈託なくこう語りかける。

「僕はね、ここで死んだんですよ。自衛隊の飛行機乗りだったんです。天皇陛下の御為に死んだことには悔いはないんですがね、ただ一つ残念なことがあるんです。それはね、僕は朝鮮人だというのに日本人として、『日本の名前』で死んだことなんですよ」

彼女はその不思議な心に残る夢の話を友人にすると、友人はこう解釈した。

「それって、本当は『自衛隊』じゃなくて『特攻隊』だったんじゃないの?」

それから、黒田さんのその夢をつかもうとする旅は始まり、「帰郷祈願碑」を韓国に建立しようとする二十年以上の月日が過ぎてゆく。足跡は、靖国神社、沖縄の摩文仁、鹿児島の知覧、釜山、ソウル、泗川、龍仁とかけめぐり、夢は日本と韓国を行ったり来たりする。

夢は悪夢にも変わり、さらに再び、涼しくも清らかな夢がある人から告げられるのだけど、電車の中でそれを読んでいて涙ぐんでしまった。

すべて実話です。いろいろ考えさせれられる本でした。黒田福美さん、日のあたらない何かを素手でさらい、日をあたらせたあなたのしたことは、もちろん無駄ではありませんでした。尊敬します。

ぼくはこう思ったのです。愛からしか何も生まれない。どうしてぼくたちは愛しあえないんだろう? わかりあえる日がいつかきっと来る。

いつか、法輪寺に行ってみたいな。






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戸井十月さんの著した「植木等伝「わかっちゃいるけれど、やめられない!」」を読んだ。いろんな意味で植木等先輩(植木等と坂口安吾は僭越ながらも母校の先輩と呼ばせてもらうのです)って本当の本物なんだなって思った。とてもやさしくて誠実で誰も決して上とか下とかに差別しない先輩なのです。

この本には植木先輩からの聞き書きがたくさん載っていて、まるでご本人から波乱万丈のお話を聞くかのよう。なんで「わかっちゃいるけれど、やめられない!」かは、有名な話だけど、この本にも出てきます。

ありがとう、植木等先輩。こんな本を書いてくれた戸井十月アニキ。







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星野道夫さんの著した「森と氷河と鯨 ワタリガラスの伝説を求めて」を読んだ。アラスカやシベリアへワタリガラスの神話を古老から聞こうと旅する話だった。

その旅の途中で星野さんはヒグマから襲われるという事故によって1996年8月8日、43歳で急折したのだった。「家庭画報」に連載されたこの文章は、あと二回が残され、書かれなかったその二つ章に変えて、最後の日々の日記が載せられた。

この本を読み終えて、ぼくは、ヒグマの事故ではないもう一つの話を想像してしまう。

ある夏の夜、星野さんはキャンプのすぐ近くの外にいる獣の気配に目を覚ます。気づけば、テントの小さな空気を通す穴から、一匹の熊が覗いている。ついに来てくれたかと星野さんは思い、静かに眠ったふりをする。星野さんはこうも思う。私は襲われるのではない、むしろ、私は、野生の生きものの捧げものになるのだ、ありがとう。静かな夜、オオカミの遠吠えとワタリガラスの鳴く声も聞こえてきた。

本当は何があったのかは何も書かれていないし、もちろん、ぼくもわからない。

ぼくの読んだ文庫本での池澤夏樹さんの解説の文にドキリとする。池澤夏樹さんの解説によれば星野道夫さんの親友でもあるシリア・ハンターはこう言ったそうだ。

Life is what happen to you while you are making other plans(人生とは、何かを計画している時起きてしまう別の出来事のこと)である。

この本に散りばめられたたくさんの星野道夫さんの撮った写真があまりに美しい。






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見に行った原爆の図丸木美術館で購入した岩波ブックレットシリーズの中の一冊、原爆の図丸木美術館の学芸員であり、館長でもあられる岡村幸宣さんの著した「《原爆の図》のある美術館 丸木位里、丸木俊の世界をつたえる」を読了した。

二段組、63頁の小さな本を読み、「原爆の図」が世界を旅する絵であることを知った。まず、この連作の絵が初めて描かれた1950年から数年、日本中をいろんな人たちの力によって巡回している。一番の新しくは2015年にアメリカのワシントンDCとボストンとニューヨークに旅をし、2016年にはドイツのミュンヘンを旅した。

そんな世界のいろんあところで、いろんな人とこの絵は出合い、いろんなことを人と絵は語り合う。「《原爆の図》のある美術館」からの引用です。

「内戦の国から来た青年は「絵の中から音が聞こえる」と耳を塞ぎました」

けれども、帰るところは埼玉の静かな川辺にある小さな私設美術館で、そこで人の命のためにその絵自身が祈りつづけているようなのです。

再び、「《原爆の図》のある美術館」からの引用。

「ぜひ実際に、そして何度でも、丸木美術館に訪れて下さい。絵画が呼び起こす想像力は、遠く離れた時間と場所をつなぎ、生と死の世界を交錯させます。きっとそこから、新たな視界が開けていくことでしょう」






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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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