えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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秋になると繰り返し聴いてしまうアルバムというのがあって、RCサクセションの「シングル・マン」がそうなのです。どうして、発売当時にこのレコードが売れなかったのか、不思議だとも思っていたのだが、最近では、世の中そんなものだろうとも思う。うぬぼれているのかもしれないが、自分自身に思いをいたし、どうして、ぼくの歌のおもしろさに、世間の連中、とくに会社で音楽を制作している人とやらなどが気づかないのは、まあ、よくあることでもあるのだろうとも思うのだ。ブルース・マンのロバート・ジョンソンやら、絵描きのゴッホやら、世間に気づかれぬまま、空の向こうに旅立ってしまった人がいて、多分、ロバート・ジョンソンやゴッホの向こうには、無数のロバート・ジョンソンやゴッホが知られぬままいるかもしれなく、例えば、場末のライブ・ハウスで聴く、名もない歌手の歌に大切すぎる縁というようなものの貴重さを感じてしまう。みんな、歌えばいいし、描けばいい。

さて、この「シングル・マン」、発売され一年もたたずに廃盤になり、名盤、名曲集として再発されたのだった。秋になると聴きたくなるというのは、捨て曲が一曲もないこのアルバムに「甲州街道はもう秋なのさ」も入っているからだけなのだろうか。

忌野清志郎はどこででも歌った。コンサート・ホールで、ライブ・ハウスで、アパートで、スタジオで、街頭ですら歌った、そんな人だっただろうと思い浮かべ、ぼくは、歌とギターの練習をし、昨日あったことを思い出し、言葉が音にに乗って、どこからともなくやってくる予感を感じたりして、今度はどこに歌いに行こうと思い、少し遠足の前の子どものころに戻ってゆく。今度、どこかで歌っている時は、そこに、かの人は肉体を持たなくなったからこそ、尊敬する大先輩のイマーワノキヨシロウが聴きに来ている、その姿の微笑が心に浮かんだりする。

Respect Kiyoshirou Imawano!

ぼくはまだ夢を忘れていません。






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最近、この不況と雇用問題、貧富と格差の拡大によって、マルクスが再び読まれたり、注目されているそうだ。マルクスは共産主義のことを妖怪と呼んだが、妖怪はやはり復活するのだろうか? 二十一世紀には自由を抑圧しない共産主義が作られるのだろうか?

マルクスといえば、大英帝国のロック・シーンにマルキシストのこの人ありで、そのこの人とはRobert Wyattのことだと思う。今、ぼくはRobertの1982年のアルバム"Nothing Can Stop Us"を聴いているのだけど、1曲目の"Born Again Certain"を除いて、全てカバー曲なのです。それらの歌は世界のいろんなところの歌で、世の中にはこんな理不尽なことがあるのだよ、きみはどう思うと、静かにやさしく語りかけてくれるようなのだ。ぼくは、それに答えることに窮し、答えるかわりにRobertが歌って、こんな秋の夜にぼくを震撼させるChicの"At Last I Am Free"を訳してみることにすます。


「ついにぼくは自由だ
前を見ることもできないのさ
目の前もわからないのさ

やっとぼくは自由だ
前を見ることもできないのさ
目の前もわからないのさ

ぼくは孤独で、どうかぼくの言うことを聞いておくれ
こんな人生をもうぼくは生きていくことはできなくて
わかってもらおうと、何度もやってみたけれど
きみはこの愛を嘘と言い
友だちよ、もうこのままではいられないのだけれど

ついにぼくは自由だ
前を見ることもできないのさ
目の前もわからないのさ

やっとぼくは自由だ
前を見ることもできないのさ
目の前もわからないのさ

ぼくは孤独で、だからぼくの手を握りしめてほしい
近くにいてくれたら
そばにいてくれたら、どんなにいいだろう
でも、ぼくはばかだから
それは本当ではないことを知っていて
ぼくの中に感じる
刺さる痛みを隠しきれないのだけれど

ついにぼくは自由だ
前を見ることもできないのさ
目の前もわからないのさ」

Robert Wyatt - At Last I Am Free

http://www.youtube.com/watch?v=6xQx4G11pRo

明日は小田急相模原のスクールオブロック(http://blog.goo.ne.jp/ryusisekine)でにしやんと歌っています。
おやすみ ZZZzzzzzz......







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Elvis Costello & The Attractionsの有名どころの音をCD2枚組、めいっぱい2時間半に曲の発表順につめこんだアルバムです。パブ・ロックに生まれ、パンク・ムーブメントで花開いたCostelloの音楽はとんがっていてポップなのだった。正直、あまり熱心に聴いたことはなかったのだけど、CD1枚目の曲はほとんど知っていた。どの曲もなんかポップスとしてすごくいいし、かっこいい。不思議な甘酸っぱい永遠の懐かしさみたいなものも感じたりして、胸がきゅんとしたりします。

こんなのを聴いていると、ピンボールのあるようなイギリスの安酒場に行って、安ウィスキーでくだをまき、踊りたくなってしまう。
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近所のディスクユニオンで"Relaxin' with the Miles Davis Quintet"のCDが500円で売っていたので、買って帰って、聴いています。そこで、ふと、昔、中上健次の書く小説やエッセイが好きで読んでいたことを思い出し、その中上健次の文章によってジャズという音楽を聴き始めたのかもしれないと思い出す。今、聴いている"Relaxin'"は中上健次が最も愛したジャズのレコードの中の一枚であるらしい。高ぶった神経を沈めるためにジャズ喫茶でよくリクエストしたと、エッセイで書いていた。

中上健次の愛したジャズのレコードをあと二枚、選んでみれば、一枚はAlbert Aylerの"Spiritual Unity"、もう一枚はJohn Coltraneの"Kulu Se Mama"あたりかな? 中上は三島由紀夫が割腹して自殺した同じころ、ニューヨークのハドソン川にAlbert Aylerが死体で浮かんでいたというニュースを三島の事件よりも強い衝撃だったと書いていた。「破壊せよ、とアイラーは言った」というエッセイを中上は書いたのだけど、Albert Aylerのサックスは、破壊というより、見えないものたち、見えなくなったものたちへの、高らかに咆哮する挽歌のようなのだ。

叛乱の1960年代後半に青春を送った人たちの中に中上健次もいた。John Coltraneの"Kulu Se Mama"はその象徴のようなジャズであろう。中上健次がJohn Coltraneについて語った一説です。

「自由とは、疎外され抑圧され差別されることからの自由であり、ジャズの持つ黒人というアメリカのマイノリティの音楽という特性からの自由である。黒人という特性から出発して、特性から解き放たれる、と私はコルトレーンのジャズを聴きながら思ったのだった。
 特性からの自由、それは机上のものではなく、頭でだけ考えたものでない、切って血が出る自由である。コルトレーンのジャズを聴いて、音とは、文章と同じように肉体であると思った」

中上健次の書くようなジャズは消えてしまった。ただし、レコードは残されて、それをぼくは聴いている。Albert Aylerの有名な曲に"Ghost"という曲があるが、東洋の果ての島で、ジャズは霊のように復活しないのだろうか?








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"João Gilberto"と題されたジョアン・ジルベルトのこのアルバムは、日本では「3月の水」とタイトルを付けられたのだけど、ラストの曲にミュシャのボーカルが入る以外は、本当に控えめなパーカッションのソニー・カーとの二人のコラボレーションで、ほぼジョアンの弾き語りが楽しめます。このアルバムを聴き、これらの軽いような弾き語りを繰り返して聴いていると、不思議なことに、アメリカでなかば亡命のような生活をしていたジョアンのブラジルへの強い望郷の思いと、ゆるがない心の芯のようなものを感じ初めてしまう。

ジョアン・ジルベルトは天からの贈りもので、今夜、ぼくは"João Gilberto"を聴きながら、数えきれない感嘆のため息をついてしまう。







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レコードコレクターズ誌で1960年代と1970年代の日本のロック/フォークの特集をしている。自分で1970年代に出されたアルバムでお気に入りのもの、よく聞いたもののリストを作ってみた。

・RCサクセション シングルマン
・荒井由実 ひこうき雲
・荒井由実 MISSLIM
・荒井由実 COBALT HOUR
・荒井由実 14番目の月
・吉田美奈子 扉の冬
・細野晴臣 トロピカル・ダンディー
・細野晴臣 泰安洋行
・細野晴臣 はらいそ
・イエロー・マジック・オーケストラ YELLOW MAGIC ORCHESTRA
・山口冨士夫 ひまつぶし
・友川かずき やっと一枚目
・友川かずき 肉声
・友川かずき 千羽鶴を口に咬えた日々
・友川かずき 俺の裡で鳴り止まない詩-中原中也作品集
・浅川マキ 浅川マキの世界
・村八分 ライブ
・喜納昌吉&チャンプルーズ
・Panta & Hal マラッカ
・憂歌団 生聞59分
・憂歌団 四面楚歌
・小坂忠 ほうろう
・遠藤賢司 東京ワッショイ
・東京ロッカーズ
・東京ニュー・ウェイヴ'79

かたよっております。

「東京ロッカーズ」と「東京ニュー・ウェイヴ'79」は特別なアルバムで、自分がロックを演奏しようと思い始めたそのきっかけとなったもの。

「RCサセクション シングルマン」、荒井由実の4枚、「吉田美奈子 扉の冬」、細野晴臣の3枚、などは今でも良く聴いている。どれか一枚と言われれば、迷いに迷って「RCサクセション シングルマン」を泣く泣く次点とし、「喜納昌吉&チャンプルーズ」を選びます。





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フリー・ジャズの鬼才テナーサックス奏者Albert Aylerがリズム・アンド・ブルース、ブガルー、カリプソみたいなリズムで暴れまくっているのだ。一部、Aylerは、フェーメールボーカル陣のコール・アンド・レスポンスも従えて、ファンキーに歌も歌っている。

ぼくはこんな1968年に奏でられた音楽にのって、今でも古くならないこの音楽の持つ新しいバイブレーションの波にのって、いろんなみんなと街に飛び出してこの二十一世紀の世界を行進したくなってしまう。世界中のあらゆるところで"Free at last!"と歌いながら・・・、すると空の向こうからAlbert Aylerのサックスが高らかに響く。




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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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