えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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高橋源一郎さんの著した『一億三千万人の『歎異抄』』が面白くて一気読みしました。浄土真宗にとって最も重要な文章の一つ『歎異抄』は唯円によって親鸞の述べたことを書いた書物で、それを小説家の高橋源一郎さんが現代語訳したものがこの本で、とても平易な言葉で書かれつつも、原文を損なわず、歪めもしない優れた分かりやすいものでもあります。巻末に原文も掲載されていて、高橋さんの現代語訳を読んでから、原文を読むと、すっきりと胸に落ちます。「宗教って何だ(『歎異抄(タンニショウ)』を「翻訳」しながら考えたこと)」と題された高橋源一郎さん自身による解説も面白い。新しく優れた『歎異抄』の現代語訳本が出来上がっており、浄土真宗に何か縁を感じ、興味をいだいた人にお奨めの一冊であります。

一億三千万人のための『歎異抄』 - 朝日新聞出版
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三上知恵監督の『戦雲(いくさふむ)』を東中野ポレポレで見ました。

南西諸島のドキュメンタリー映画を見ながら、ぼくは撮影期間の七年間でのその地域のあまりの変貌に驚きます。いい方にではなく、悪しき戦争の暗い雲が垂れ込めているような方への変貌に胸がふたがれる思い。

ヘミングウェイの『老人と海』に登場するかのようなカジキマグロを追う漁師のおじいが、この『戦雲』にある種のヒーローとして出てきます。南の島の神話すら心と体の奥に秘めているかのようなその人は、もとは基地や自衛隊が島に来ることを容認していたそうなのだが、軍用車両が我が物顔で行き交うようになった島に、与那国の人間だけだったら、平和なままだったのではないかと心は揺れ、考えてこんでしまう。

次から次へと約束は反故にされ基地は拡張され、夜遅くまで演習の騒音が家々に響く。映画を見つつ、ぼくには内地の人間の沖縄への差別もあるように思えてしまう。パンフレットから三上監督の三つの文を引きます。

「住民まで玉砕を強いられた沖縄戦で勇気を振り絞って命乞いをした「白旗の少女」を今こそ全力で肯定し、「立派な死」という概念が甦ろうとした時代に抗していかなければならない。」

「国を守るために「やむをえない多少の犠牲」になっていい地域など、どこにもない。」

「濃紺に透き通る海に囲まれた、あの豊かな自然と誇り高い文化を紡いできた人々に送られるべきは、敬意と称賛であって、島外避難命令であってはならない。」

この映画『戦雲』にあるように、ぼくはまず、平和を祈ることから始めたいと思います。

映画『戦雲 -いくさふむ-』公式サイト|三上智恵監督最新作
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渋谷のO-WESTへ『闇鍋音楽祭 2024』を見に行きました。主催はいわずと知れたソウル・フラワー・ユニオンでゲストは民謡クルセイダーズ。

まずは民謡クルセイダーズが演奏し、オーディエンスはそのラテンのリズムと日本の土に根を生やした民謡のソウルのとぐろを巻くグルーヴに踊りまくる。

その後、ソウル・フラワー・ユニオンが登場し、そのストレートな自由へのメッセージがびしびしと来ます。カザをめぐる新曲は今の世界の暗い絶望を打ち払うかのようだ。カバーした二曲も素晴らしい。中川敬さんの歌った亡きシェイン・マガウアンのポーグスの「A Pair Of Brown Eyes」とリックルマイさんの歌った、ダニー・レイによって書かれ、オリジナルで録音され、クラッシュも演奏した「Revolution Rock」。

今はソウル・フラワー・ユニオンを離れている伊丹英子さんも登場。彼女の発するオーラがとにかく凄い。中川敬さんが作詞し、ヒートウェイヴの山口洋さんと曲を共作した永遠の名曲「満月の夕(ゆうべ)」はヒデボウこと伊丹英子さんがいなければ、できなかったものだと思われます。今は京都にいて、能登半島の震災復興に尽力されているそうで、能登半島に漁業実習に来ているインドネシアの人のためにハラルフードを送ったということ。変わらず素敵な人です。

ラストはソウル・フラワー・ユニオンと民謡クルセイダーズが入り乱れての大団円。あっという間の三時間ちょっとでした。
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近くの公民館のおかめ桜が咲いています。読んだ俳句が二句。

 早咲きのおかめ桜の春を告ぐ

 公民館おかめ桜は空に映え
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岡真理さんの著した『ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義』を読む。これは、早稲田大学の教授をしておられる岡真理さんが、昨年の十月二十日に京都大学で、十月二十三日に早稲田大学で子どもを含むガザの市民への無差別の爆撃と殺戮の始まった直後の緊急の講義を加筆・収録した本。読みすすめ、パレスチナ人の七十五年前から今までの苦しみを知り、胸が痛くなる。

イスラエルの人道にもとる占領に抗議し、ぼくも何度も即時停戦を訴えます。この二十一世紀に残された最悪のイスラエルという国の犯罪は、ぼくの目の黒いうちに、その残虐さを問われ、解決の端緒は見つかるのだろうか? そうあってほしいと願いつつ、この感想文を書いて、本を閉じる。街でパレスチナを支援する集会に出くわせば、ぼくはいつでもそのラインに加わろう。

ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義 (単行本)
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リサ・コルテス監督の『リトル・リチャード アイ・アム・エヴリシング』を見ました。ロックンロールのオリジネイターであるリトル・リチャードのドキュメンタリーの伝記映画にして、日本でもちらほら見かけるようになった「クイア」という言葉、そのクイア賛歌であることも素晴らしい。今こそ知られるべきリトル・リチャードが時代を切り開いた。そして、黒人教会での信仰、人種差別、麻薬のことなども、リチャードの生涯をたどりつつ、出てきます。

いずれにしろ、ぼくはダイナマイトがこれでもか、こらでもかと爆発するかなようなリトル・リチャードのロックンロールが大好きだ。そして、ロックンロールは、人々を解放した、二十世紀が生んだ最も偉大なものだよ。そして、ロックンロールはリトル・リチャードなんだよ。

映画『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』公式サイト
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新宿末廣亭の令和六年三月中席の昼の部を見に行きました。見た演芸を書き出してみます。前座の三遊亭まんとくんの「寿限無」、柳家こもん師匠の「初天神」、春風亭柳枝師匠の「反対俥」、ストレート松浦さんのジャグリング、柳家小傳次師匠の「寿司屋水滸伝」、桂やまと師匠の「熊の革」、ロケット団の漫才、古今亭圓菊師匠の「シンデレラ伝説」、柳家はん治師匠の「妻の旅行」、林家二楽さんの紙切り、林家正蔵 師匠の「新聞記事」、柳家さん喬師匠の「時そば」で中入りとなりました。そして、松旭斉美智さん、美登さんの奇術、橘家圓太郎師匠の「浮世床」、五街道雲助師匠の「ざる屋」、柳家小菊さんの三味線を弾き唄う俗曲、柳家小袁治師匠の「百年目」。新作、古典と楽しい落語が続きました。

今日は先生に引率された中学生がたくさん来ていました。それでも、吉原にご案内などと唄う柳家小菊さんが素敵ですな。亡き立川談志は落語を「業の肯定」と言ったとか。ぼくは、柳家小袁治師匠の「百年目」を見て、聴くと、落語は何でもない人の営みの滑稽の愛おしさを語るものだとも思うのです。寄席はパラダイスです。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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