えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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上野に行き、国立科学博物館で『氷河期展 〜人類が見た4万年前の世界〜』を見ました。展示を見ながら、クロマニョン人を直接の祖先に持つホモサピエンスという種に属しているらしい人類がネアンデルタール人のように絶滅してしまうことも大いにありうる、とぼくは考えてしまいます。地球は生きものを育む宇宙の中で稀な星であるから、また別の種が現れ、知性を身につけ、その知性が邪悪でないことを願いもするのです。(人類ではなく、)生きものよ、永遠なれ。

その後、鈴本演芸場に行きました。七月十五日、上野鈴本演芸場令和七年中席夜の部なのです。いつものように見た演目を書き出しでみます。前座の隅田川わたしくんの「道具屋」、二つ目の林家あんこさんの「北斎の娘」、林家勝丸師匠の太神楽曲芸、林家たけ平師匠の「源平盛衰記」、三遊亭武蔵丸師匠の漫談 、立花家橘之助師匠の唄いの、三味線弾きの浮世節、弁財天和泉師匠の「匿名主婦只野人子」、林家正蔵師匠の「一文笛」で仲入りとなりました。如月琉さんの手品、林家百栄師匠の「寿司屋水滸伝」、江戸家猫八師匠の動物ものまね、主任は林家つる子師匠の「鴻池の犬」でした。

印象深く、心に残った噺です。三遊亭武蔵丸師匠の漫談はまたとない大爆笑で客席を暖めてくれましたね。弁財天和泉師匠の新作「匿名主婦只野人子」もいい感じ。林家正蔵師匠の「一文笛」はいぶし銀の素晴らしい人情噺。主任の林家つる子師匠の「鴻池の犬」も笑い、泣き、また笑い、堪能しました。ちなみに、つる子版「鴻池の犬」に出てくる犬が人に連れられてではない単独でする伊勢参りとは、本当にあったことらしいですよ。

暗いこの世のつらさ忘れ、寄席は心のオアシスなのです。
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黒澤明監督の『羅生門』をVODで見ました。1950年の日本映画です。

原作は芥川龍之介の『羅生門』ではなく、芥川の『藪の中』。ラストの捨てられた赤ん坊を志村喬の演じる杣売りが自ら育てると受け取るシーンは映画化により付け足された話であると思い、そこはいかにもヒューマニストの黒澤らしい。それ以外のこの映画の話はまったく芥川龍之介らしく、事件の当事者の三船敏郎の演じる盗賊の語ることも、森雅之演じる武士の語ることも、京マチ子演じる武士の妻の語ることも、本質的には交わらず、誰もが孤立した夢の中にいるように思えるのはどうしてだろう? このような話を書いた天才の小説家は、悲劇の最期を遂げるしかなかったようにも思えたのです。

松竹の雨はしとしと降り、大映の雨はざーざー降るといわれたらしいけらど、一級の演出家である黒澤明が『羅生門』に降らせた雨はまったくの豪雨で、曖昧なハッピーエンドでは小雨になっている。

京マチ子は妖艶で、志村喬は悩み、それは後の黒澤作品の『生きる』を先行するかのようだ。そして、盗賊の三船敏郎は『七人の侍』の千代丸を思わせるところもある。

ヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞に輝く名作です。この映画は敗戦国の日本に日本人であることへのある種のプライドを感じさせたというのです。ここから豊穣の日本映画の1950年代が始まったのかもしれません。
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故・宮脇昭先生による宮脇メソッドでの植樹祭に行ってまいりました。秦野の震生湖近くの森の小さな一隅の植樹によってできたそこは、若木たちの楽園ができあがったかのような、そんな夢を見るかのようでした。
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SILENT POETSは下田法晴さんのソロ・プロジェクトで、その最新アルバム“HOPE”がCOOLで素晴らしい。chill outします。SILENT POETSは川村祐介さんによるこのアルバムのライナーノーツによると、「ダブとブレイクビーツ/ダウンテンポを表現の土台としながら映像的な唯一無二のサウンドを紡いできた」とある。さらにライナーノーツを引用します。

「ここ数年、下田個人のSNSには、不公正な社会を作り出す政治、そして紛争によって、激化する暴力(ウクライナ紛争、イスラエルによるパレスチナ・ガザ民衆への一方的な暴力)への憤り、さらにはそうした暴力やはまざまな人権軽視や不公正に対する抵抗運動(BMLや#MeToo、そしてもちろんパレスチナ解放運動 etc.)への連帯へや自らのアクションが綴られている。」

日本にもこのようなミュージシャンがいたのか、と少し驚きつつも、嬉しい。この“HOPE”には平和を願い連帯する世界中のミュージシャン、アーティストも参加し、そのクオリティは抜群に上質です。HOPEを忘れない世界中の見えない何かでつながっている仲間たちの一人でも多くに聴いてほしい傑作なのです。
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町田の柿島屋の馬刺しは美味い。柿島屋は、昔は本屋の久美堂の隣だかにあったんだよな、などと思い出します。光陰矢の如しだよ。店内に入ると半世紀ほど時代をタイム・スリップして、昔に戻るかのようです。
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七月八日、新宿末廣亭令和七年七月上席昼の部を見に行きました。見た演目を書き出してみます。前座の桂伸都くんの「寄合酒」、二つ目の桂しん華さんの「ぞろぞろ」、桂伸衛門師匠の「八五郎出世」、ぴろきさんのウクレレ漫談、神田紫師匠の講談「お富与三郎」、三遊亭愛楽師匠の「猿後家」、宮田陽さんと宮田昇さんのお二人の漫才、桂南なん師匠の「へっつい幽霊」、玉川多福師匠の浪曲「男はつらいよ第20作 寅次郎頑張れ!」、林家今丸師匠の紙切り、滝川鯉朝師匠の「松山鏡」、春雨や雷蔵師匠の「強情灸」で仲入りです。二つ目の桂伸べえくんの「鼻毛カマキリ」、松廼家八好さんの幇間芸 、桂宮治師匠の「権助魚」、三遊亭笑遊師匠の「片棒」江戸家まねき猫師匠の動物ものまね、主任は桂伸治師匠の「ちりとてちん」でした。

印象にとくに残った演目です。桂しん華さんの「ぞろぞろ」ののんびりした感じがいい。桂伸べえくんの「鼻毛カマキリ」のシュールな噺に爆笑してしまいます。松廼家八好さんの幇間芸は幇間芸というものを初めて見ました。幇間芸をする人は浅草に六人しかいないそうです。ばかばかしさに笑えます。桂宮治師匠の「権助魚」と三遊亭笑遊師匠の「片棒」に大爆笑。桂伸治師匠の「ちりとてちん」は大好きな噺でこれも大爆笑。

暗いこの世のつらさ忘れ、寄席は心のオアシスなのです。
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また変なの出てきちゃって、いやな世の中になってきましたな。老いた文学青年たるぼくは、夏目漱石、永井荷風、谷崎潤一郎にならって、これからは日々、過ごしていこうかな? それとも熊谷守一のように猫の絵を描こうか? くしゃみを一つ。画像は、戦中は筆を折っていた熊谷守一の「猫」です。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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