えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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七月二十二日、新宿末廣亭令和七年下席昼の部でございます。見た演目を書き出してみます。前座の桂伸球くんの「饅頭怖い」、二つ目の立川幸朝くんの「雛鍔」、立川幸之進師匠の「狸の恩返し」、きょうこさんの和妻 、三笑亭歌風師匠の「猫の皿」、立川吉幸師匠の「義眼」、国分健二さんの漫才、三遊亭遊喜師匠の「ちりとてちん」、桂文月師匠の「魚根問」、ぴろきさんのウクレレ漫談、桂歌蔵師匠の「鰻屋」、三遊亭遊三師匠の「たがや」で仲入りです。二つ目の桂竹紋くんの「道灌」、ナオキさんのスタンダップ・コメディ、三遊亭遊之介師匠の「青菜」、滝川鯉昇師匠の「粗忽の釘」、鏡見正二郎さんの太神楽曲芸、主任は立川談幸師匠で「抜けねずみ」でした。

とくに印象に残った演目です。きょうこさんの和妻は何か江戸の世にタイムスリップしたかなような、胡散臭さが面白すぎです。ちなみに和妻とは和風の手品のこと。引きこまれてしまいます。三遊亭遊三師匠の「たがや」は江戸の人たちのきっぷのいい粋さが気持ちいい。桂竹紋くんの「道灌」で大爆笑。ナオキさんのスタンダップ・コメディの飄々とした味にぼくはクスクス笑い。滝川鯉昇師匠の鯉昇版「粗忽の釘」のそこはかとない笑いがいい。立川談幸師匠の「抜けねずみ」はぼくの大好きな噺で、ど真ん中の清々しさでした。

暗いこの世のつらさ忘れ、寄席は心のオアシスなのです。
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去年のノーベル文学賞作家である韓国のハン・ガンさんの著した『少年が来る』を読んだ。1980年の光州事件を取材した小説である。光州事件とは当時の韓国の大統領であった朴正熙の暗殺に端を発し、クーデターを起こした全斗煥による全羅南道の光州での民主化運動を弾圧し、虐殺をし、多くの死者を出した事件。韓国の人たちにとってこの事件が起きた5月18日は忘れられない日となった。

光州事件といえば、ぼくには思い出すこともある。当時、高校生であったぼくは、パンク・ロックが好きで、当時、日本のパンク・ロックやニュー・ウェイブ派のロックのコンサートをしていた法政大学の学生会館のホールに何度も聞きに行っていた。そこで「光州ヴァイブレーション」と呼ばれるコンサートが行われ、光州での民衆の蜂起や軍の介入、おびただしい虐待を記録した映画が極秘裏に輸入され上映されたのだった。当時、朴正熙の暗殺後、戒厳令と情報統制により韓国国内で何が起きているのか、まったく外国では分からない状況であった。若いぼくは、石を投げながら、兵士に撃たれ、ピース・サインをする貧しい服装をした韓国の学生に血が騒ぐようなシンパシーを感じつつも、衝撃的であった。ロック・コンサートも行われ、リザードをバックにした白竜のレゲエのリズムの「光州シティ」も、ものすごくかっこよかった。そのころからずっと、おれは韓国や在日(在日韓国人や在日朝鮮人)のシンパよ。

さて、『少年が来る』にもどり、この小説には凄惨で、かつ残酷で、複眼で語られるの物語の中に詩の美しさも輝いている。ハン・ガンさんはこの小説を書くために何年間も調査と現場取材し、悪夢にうなされたという。この小説の訳者である井出俊介さんの「作者あとがき」を引用し、絶賛し、推薦し、この項を了とします。

作家は透徹した視線で、この事件の背後にある人間存在の引き裂かれた二面性―神性と獣性、崇高さと残酷さ―を凝視している。人間が併せ持つ不条理への不信を克復しないままでは前に進めないという切実な思いが、この小説の行間からひしひしと伝わってくる。

少年が来る (新しい韓国の文学 15)
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昨日、オープンマイクの後、ぼくのスライドギターを上手いね、などといってくれて、いらいろ質問されたので、この場で少しだけ、ぼくのスライド・ギターについて述べたい、と思います。チューニングはOpen DかOpen Gしか使っておりません。ジョージ・ハリスンはレギュラー・チューニングでスライド・ギターを弾いているようだけれど、ぼくにはできません。Open Dのチューニング方法は太い方の弦からDADF#ADで、Open Gのチューニング方法は太い方の弦からDGDGBDです。スライド・バーを左の小指か薬指に付けて、弦の上を滑らせますが、その時、きれいな音となるように、左の人差し指で弦をミュートします。これは短い間、指導してくれたブルーズを歌い、弾くジーザス、日倉士歳朗さんに教わりました。スライド・バーはダンロップの陶器製。

ティーン・エイジャーのころ、ローリング・ストーンズの「No Expectations」いう曲を聴き、初めてスライド・ギターの美しさとかっこよさに目覚めました。この曲でのブライアン・ジョーズのスライド・ギターはシンプルでありながら、絶品であります。


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選挙について外国人排斥を主張する極右政党が参院議席でこれだけ伸長することに恐ろしさを感じる。しかし、怖がってばかりもいられない。思い出すのは半世紀前のイギリスの状況。ロックの本場の当時の彼の地では国民戦線(National Front)という極右の政治団体が非常に大きく勢力を伸ばしていたのだが、それに異をとなえ、外国人や移民は決して敵ではない、と声を大きくして歌っていたのがクラッシュのジョー・ストラマーらのパンク・ロック勢であった。クラッシュの「白い暴動(White Riot)」の歌詞の意訳です。

♪♪♪
白い暴動、暴動を起こしたい
白い暴動、おれ自身の暴動
白い暴動、暴動を起こしたい
白い暴動、おれ自身の暴動

黒人は問題をかかえているというが
石を投げるのに躊躇しない
白人は学校に行って
バカになる

誰もがそうして
おれにいう
誰も牢屋には
行きたくねーんだと

白い暴動、暴動を起こしたい
白い暴動、おれ自身の暴動
白い暴動、暴動を起こしたい
白い暴動、おれ自身の暴動

金持ちどもはますます力を得て
何でも買えるという
何も買えないガキどもは
通りをチンケに散歩するだけ

誰もがそうして
おれにいう
誰も牢屋には
行きたくねーんだと

白い暴動、暴動を起こしたい
白い暴動、おれ自身の暴動
白い暴動、暴動を起こしたい
白い暴動、おれ自身の暴動

おまえも列に並んで
著名するのか

白い暴動、暴動を起こしたい
白い暴動、おれ自身の暴動
白い暴動、暴動を起こしたい
白い暴動、おれ自身の暴動♪♪♪


ほかにセックス・ピストルズ、ストラングラーズ、トム・ロビンソン・バンドとかもそうであった。トム・ロビンソン・バンドの「グラッド・トゥ・ビー・ゲイ(Glad to Be Gay)」はライブ録音で、その聴衆のばかでかいコーラスにドキモを抜かれた。詞を意訳。

♪♪♪
この歌は世界保健機構に捧げます
医療に関する歌です
国際基準によりますと302.0番に該当する疾病の歌であります

英国の警察は世界一というが
こんな話を聞いたことがある
何の理由もなく警察はパブに入ってきて
客全員を壁に向かわせ、立たせて
誰かを殴って、殴られたものは崩れ落ち
さらに蹴りあげ、逮捕して
家まで行って、変態と罵り
それはまったく信じられないような話

ゲイであることが楽しけりゃ
みんな、こんなふうに楽しく歌いましょう
ゲイであることが楽しけりゃ
みんな、こんなふうに楽しく歌いましょう

若い女の裸はただの楽しみで
男の裸はプレイボーイにもサンにも、どんな雑誌にも出ていない
すみません、あなたたちは見えない存在なのですよ
ニュース・オブ・ザ・ワールドでもサンデー・エクスプレスでも、猥褻だとどの新聞でも嫌悪され
児童虐待、青少年の堕落
紙の上ではそれは真実に違いない

ゲイであることが楽しけりゃ
みんな、こんなふうに楽しく歌いましょう
ゲイであることが楽しけりゃ
みんな、こんなふうに楽しく歌いましょう

慎重になって、そして、からかわないでくださいね
街を歩く時、あなたの完全な安全のために
はっきりとものごとをいってはなりません
でなけば、暗がりに引っ張り込まれ、いつの間にか殴られ捨てられる
おれのやさしい友だちは歩いているだけで、変態狩りだと、殴られ、歯を折られ
一週間の病院行き

ゲイであることが楽しけりゃ
みんな、こんなふうに楽しく歌いましょう
ゲイであることが楽しけりゃ
みんな、こんなふうに楽しく歌いましょう

クラブで腰掛けているときも気をつけなさい
いつ逮捕されるかもわかってものじゃない
友だちは21 歳以上にしときなさい
そうでなけりゃやられちまう
職場でも友だちにも、どこでも嘘をつき
女王を罵り、同性愛についての冗談をいい
ゲイの自由をからかい、笑いなさい
それが法にはかなうってこと

ゲイであることが楽しけりゃ
みんな、こんなふうに楽しく歌いましょう
ゲイであることが楽しけりゃ
みんな、こんなふうに楽しく歌いましょう♪♪♪


ストラングラーズのジャン・ジャック・バーネルは国民戦線の集会に一人で乱入し、成員を殴り倒していた。ジャムのポール・ウェラーもいたな。アメリカには作家のチャールズ・ブコウスキーもいた。パティ・スミスは現役だ。こうなったら、おれは石破首相がこのまま総理大臣を辞任せず、総理大臣でいればいい、と思う。アメリカにたてつく愛国者は、カルト宗教に毒されたものや、極右よりましだ。おれはOLD PUNKでOLD LEFTなのだ。
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おれは日本国憲法の前文が大好きだ。この前文を思いをいたし、期日前投票はとっくに行いました。高校生のころこの日本国憲法前文を読んで、かっこいい、と思い、その思いは数十年経った今でも変わりません。おれはOLD PUNKで、OLD LEFTなのだ。

「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」
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ちひろ美術館・東京に『ヒロシマトマト 司修展』を見に行きました。同時開催の『アンデルセン生誕220年 ちひろと見つめるアンデルセン』展も見ました。ぼくにとって司修というと書籍の装丁家のイメージが強いのは、若いころに読んだ本の装丁にあまりにたくさんの「司修」という名前を見ていたからなのです。昔、友だちの彼女だかお嫁さんだかに、司修さんの本の装丁の事務所で働いている人から、毎日、終電で帰る日々だと聞かされて、大変だな、などと思っていました。その人はしばらくして、さすがに司修さんのオフィスは辞められたそうです。バブル経済も後半のあの頃は「24時間働けますか」などと栄養ドリンクのCMが喧伝していて、そのような過残業が当たり前の時代でした。人生の短さを近ごろは感じ、もう二度と戻りたくははない、とぼくは考えます。さて、司修さんの話にもどり、この展覧会で原画が展示されていた広島の子どもにみまう原爆禍を描いた絵本『まちんと』は、いつまでも読まれ記憶されるべき本である、と思いました。司修さんが装丁家だけではなく、小説家でもあり、画家でもあって、どの分野でも素晴らしい作品を残していて、今でも現役であることが嬉しい。

ちひろ美術館は岩崎ちひろさんの絵本の原画を残すことを目的に設立された美術館であるとのこと。今では絵本の原画や資料の収集では世界一の美術館であるらしく、35の国と地域228人のアーティストによる約28,000点を所蔵している。青春時代に戦争を体験したちひろさんは「世界中のこども みんなに 平和としあわせを」という言葉を残しています。岩崎ちひろさんの描いた子どもの絵を見ながら、ぼくはこういうのが芸術の根本であるような気もするのです。それは、大切なものを心をこめて描く、ということだと思うのです。
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平塚市美術館で『原良介 サギ子とフナ子 光のそばで』展を見ました。シュールリアリズムとは違っているけれど、森の中で魚が泳いでいて、女子が魚に変容しつつあるというどこか不思議であり、清々しくもある絵にぼくは惹かれてしまいます。



ワークショップの「どうぶつを描こう!」の山内若菜さんが子どもたちに指導した絵も見ました。子どもたちが牛や馬の動物の絵をカードに描いて若菜さんの描いた巨大な牧場の絵に貼り付けてあります。これぞ、子どもが参加する絵だろうか? 大胆にして素晴らしい。


入場料の無料のエリアで岩崎ちひろの展覧会も開催されておりました。閲覧可能なかたちで展示されていた岩崎ちひろの絵本『戦火のなかの子どもたち』をめくってみる。今でもガザなどで、同じことが繰り返されていることに涙が出てくる。ちくしょう。



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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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