えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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東京ドームシティーホールに世界一ブルースギターの上手い夫婦、Susan TedeschiとDerek Truchsのバンド、Tedeschi Trucks Bandを見に行きました。

1960年代から抜け出してきたソウルシンガーのようなSusan Tedeschiが凄いかっこいいです。音楽は黒人とか白人とか黄色人種とか、肌の色なんて関係ない。そして、Derek Trucksの変態みたいなギターはスライドブルース(Derekはほとんどの曲をEオープンのチューニングで弾いているそう)の域をはるかに超える、その多彩なフレーズはMiles Davisのモード奏法のようになってフリーに突き進む。コーラスの三人はSuzanに負けぬソウルの熱さで迫ってきます。ずしんとくるベースと二人のドラム、多彩で土臭さからモダンまで弾きこなすキーボードとぶっ飛ばす三人のフォーン隊。

そんなバンドが南部のどこかの町の町内会で結成されているかのような飾らない風情が素敵です。近所の寄り合いでメンバー同士のこんな昔の会話もあったのではないかしら?

「あなた、トロンボーンをやっていたそうじゃない。ちょっとバンドで吹いてみない。来週、公民館の講堂でみんなで集まって練習しているわ」
「あらあたし10年間吹いていないわ。でもやってみようかしら」

なわけないか。いや、あるかもしれませんぞ。

コンサートのことに戻り、すごく興奮したいいコンサートだった。ラストの一曲はNina Simoneも歌った自由のメッセージの込められたゴスペルみたいな曲で、今の時代にあって、胸に凄く迫るものがあって、目頭が熱くなりました。でも、やっぱ、一曲でいいからオールドブルースを聴きたかったな。
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横浜のサムズ・アップでニヒル・ブラザーズと山内テツを見ました。二部構成で一部も二部も、いつものご機嫌なニヒル・ブラザーズが数曲、30分ほど演奏し、山内テツさんが登場し、真剣でやりあうかのようなセッションに突入します。激しいです。フリーフォームです。まったく本気の切れば血も出ているかのようなセッションに、ぼくは浅川マキのアルバム「ONE」を思い出しもします。すごかった!
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町田のアサノでカレーを食べに出かけると、町田天満宮で秋の例大祭が催されているらしく、足をのばしました。小さな神社は人だかりで、神輿が街に繰り出し、その神輿を見ていると、どこかのお母さんが小さな子どもに、あの中に神様がいるだよなどと教えています。そして、なんだか今日は涼しさも感じられ、「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉も思い出されますな。秋祭りの昼下がりです。
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東京国立博物館に『横尾忠則 寒山百得展』を見に行きました。



中国の唐の時代にいたとされる風狂の禅師、寒山と拾得を百体描いたというもの。(実際は百二体。)寒山拾得は昔、友川カズキの歌「犬」の詞のなかで「寒山拾得の喝」というフレーズを高校生のころ、聴いてずっと気になっていました。山奥に住む脱俗の笑う聖者の二人を横尾さんがたくさんの絵に描いておられます。絵が風狂をするというのは、こういうことなのかとも思い、とても惹かれます。

常設展でも日本や中国の古い禅画の「寒山拾得」が展示されておりました。



不気味で面白い笑い顔の超俗がぼくを惹きつけます。

午後からは鈴本演芸場で落語を聴きました。



今日は二代目橘屋文蔵の二十三回忌追善興行ということで、いつも通りに飄々として楽しい林家正楽師匠の紙切りの後、三代目橘屋文蔵師匠の親子、夫婦の人情噺「子別れ」の下の段。ふと気づくと、ひとつ席をおいて隣の年配の男の方が涙ぐみ、熱くなった目頭を手で押さえておられます。つられたいうことでもなく、しずまった客席でぼくの胸もじーんとしてきます。いい噺だなぁ。

帰りに不忍池の寛永寺の弁天堂に参りました。



御神籤をひくと大吉。

「大吉 運勢

 何をしても あとはよくなる見込みがあり、目的を変えてもよい運です。
 意志を強くもち努力すれば竜が天に昇るように出世します。

 第2番

 おみくじ

  「言」
 聖人は尺の壁を貴ばずして、寸の陰を重んず。
 時は得難くして失い易し。」

ゆめゆめうたがふことなかれ
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佐野元春のコンサートを見に、東京フォーラムのホールAに行きました。最新アルバムからの曲を連発して演奏し、バックのスクリーンもビジュアルが素晴らしく、今の時代のメッセージはビシビシと届きます。バックのCOYOTE BANDも絶好調。すべて、かっこいい。

2回目のアンコールで佐野元春はこんなことをMCしておりました。「大瀧詠一もパンタも清志郎も坂本龍一ももういない。なんていうの、ひとりぼっちって感じ。でもまだやりつづけるから、一緒にこの歌を歌ってくれ」と言って、歌い始めた「サムデイ」。会場中が懐かしさではない何かで唱和する。最新アルバム『今、何処』は最高だった。一緒に行ったぼくの友だちは、「佐野元春はぶれないね」と言っておりました。ますます嫌な時代になって、ロックしつづけるしかないぜ。
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渋谷のWWWへ"SUKIYAKI TOKYO"というイベントを見に行きました。

Frente Cumbieroはコロンビアの最先端のエレクトロニック・クンビア・バンド。ハードエッジな振り切れたリズムが心地よく、かっこいい。ステージのバックのグラフィックも面白くて素敵。クンビアとはコロンビアにある民謡のような演歌のような河内音頭のような昔からあるポップ・ミュージックで、このブラジル、アルゼンチンに次ぐ南米三番目の大きな国の音楽は南米中の音楽に影響を与えているらしい。2018年のフジロックに来ているということだけど、このようなバンドの来日公演が日本で見られる日が来るとは思っていなかった。リズムは世界をつなぐ。

迎える日本からは民謡クルセイダーズ。日本の民謡にラテンのリズムをフュージョンした安定のグルーブ。そして、Frente Cumbieroと民謡クルセイダーズの混成バンド、民謡クンビエロの圧巻のリズムに待望の新曲。会場中が踊りまくり、熱狂の渦となり、満月の一日前の夜はふけていきました。
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Robbie Robertsonが亡くなってしまったという悲しい知らせを受け取りました。The Bandの"Music From Big Pink"と"Northern Lights - Southern Cross"は本当によく聴きました。Robbie RobertsonはドラマーのLevon Helmとの対立など毀誉褒貶もあったけれど、まさしく偉大なミュージシャンだった。カナダのネイティブアメリカンの居留地の極貧の中で育ったRobbieは生粋の南部人であったLevonとは不思議とよく気があったと思うのだけれど、ぼくは二人が天国で和解することを祈るばかり。

The BandはRobbie Robertsonの作った架空のアメリカ南部の物語の中の架空のバンドのようでもあった。そのバンドの旅は"Music From Big Pink"の"The Weight"の歌詞にあるように始まった。敬意を込めて拙くも意訳してみました。

♪♪♪
ナザレに入ってきておれはなかば死にかけていた
どこか休める場所はないかと尋ねると
旦那さん、ベッドの一つでもお探しですかと言い
やつはにたっと笑い、ないねと応える

おかしなやつだな、荷物を置いていけよ
ただで荷物を運んでいるのか
その荷物を置いていけよ
その重たい荷物をおれにあずけちまいな

おれは隠れる場所を探して荷物を持ちあげて
するとカルメンと悪魔が並んで歩いている
カルメンにダウンタウン行こうぜと声をかけると
彼女は友だちってやつにつけまわされているのって言う

おかしなやつだな、荷物を置いていけよ
ただで荷物を運んでいるのか
その荷物を置いていけよ
その重たい荷物をおれにあずけちまいな

ミスモーゼスはもう何も言うことはなくなって
老いたルークは審判の日を待っている
ルークさん、若いアンナリーはどうしかたって聞くと
若いの、親切にありがとうなって、アンナリーの面倒をみてくれないかって

おかしなやつだな、荷物を置いていけよ
ただで荷物を運んでいるのか
その荷物を置いていけよ
その重たい荷物をおれにあずけちまいな

気狂いチェスターがおれについて来て、おれは霧の中でつかまっちまった
犬のジャックをちょっとあずかってくれるなら、あんたのぼろい布団を直してやるぜ
ちょっと待ってくれ、チェスター、おれは平和で穏やかな男だよ
まあ、それでいいさ、ちょっとおれの犬に食いものをくれないか

おかしなやつだな、荷物を置いていけよ
ただで荷物を運んでいるのか
その荷物を置いていけよ
その重たい荷物をおれにあずけちまいな

砲弾に撃たれ、おれは死にかかっている
おれの背中がずきずき痛んでくる
ファニーっていうおかしな女のところに戻るんだろう
あいつだけはおれをきちんと送り届け、みんなによろしくねって言ってくれるのさ

おかしなやつだな、荷物を置いていけよ
ただで荷物を運んでいるのか
その荷物を置いていけよ
その重たい荷物をおれにあずけちまいな♪♪♪

そして、そのバンドは"Northern Lights - Southern Cross"の"Acadian Driftwood"のカナダで旅を終えた。"Northern Lights - Southern Cross"の次のラストアルバム"Ilands"は"Northern Lights - Southern Cross"の補遺のようなもので、それはそれでいいのだけれども…。"Acadian Driftwood"を以前、ぼくは訳したことがあって、記してみます。

♪♪♪
戦争は終わって、精神は壊れてしまった
足をひきずって歩く男たちの丘に煙は立ち込め
俺たちは絶壁にたたずんで
舟がランデブーしながら
静かに沈んでいくのを、じっと見ていた
彼らは条約に著名をし、俺たちの家や故郷は取り上げられ
愛するものも見捨てられたけけど
彼らは何一つくれはしない
家族を守るために
敵に降伏し
アブラハムの平原までやってきた

アカディアの流木よ
ジプシーの追い風よ
彼らは俺の故郷を雪の国だという
カナダの寒冷前線が入ってくるぞ
その道に四つんばにまたがって
その道を進んでいこう

そして、あるものは祖国に帰り
高邁な命令は退けられ
あるものは最後までやりとおし
彼らを分かつことはできなかった
彼らはその道を建設し
俺たちは南の国境線に居をかまえることとなった
彼らも少しは年をとり、けれど、うろつき
少しづつ人生はよくなったと手紙を送ったけれど
賭け金は取り上げられ、子どもたちは打ちひしがれていった

マイナス15度の冷気に脅かされ
衣服は湿り凍てつき、骨の髄まで濡れていった
氷上の釣りは得るものもなく繰り返され
男は家を出ることを余儀なくされた
セント・ピエロに向かい、湾を目指しけれど
何も明らかにされず
俺たちのすべてはむなしく過ぎていった
海岸ぞいに砕け散り
痛みだけは激しくなっていったけれど
人々は
進みつづけた方がまだましだと言った

終りのない夏に病は充満し
政府は俺たちを足かせや鎖につなぎ、まだ歩かせようというのか
これは俺の芝生でもなくて
俺の季節などは来はしなかった
残っている一つの希望も思わず
俺はニュー・オーリンズの北の砂糖きび畑で働いていたけれど
そこは呪いのような
洪水が来る前までは、永遠と続く緑だったのだ
おまえが行こうとしているところ
北の方角に羅針盤を合わせ
あの冬を俺の血の中に入れてしまおう

アカディアの流木よ
ジプシーの追い風よ
彼らは俺の故郷を雪の国だという
カナダの寒冷前線が入ってくるぞ
その道に馬乗りにまたがって
その道を進んでいこう

Sais tu, A-ca-di-e j'ai le mal du pays(わかるだろう、アカディアよ、すっかりホームシックだよ)
Ta neige, Acadie, fait des larmes au soleil(おまえのあの雪、アカディアよ、涙を太陽に溶かしてくれ)
J'arrive Acadie, teedle um, teedle um, teedle ooh(俺はアカディアにたどり着くよ)♪♪♪

Robieの死の知らせを受け、とても寂しく、敗北と挫折から希望を歌ったロックの世紀が終わっていくような虚無にまたがり、ぼくは泣いています。


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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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