えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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埼玉県立近代美術館の「草間彌生 永遠の永遠の永遠」と題された展覧会に行ってきた。草間彌生さんの最新作を見た。そういえば、かなり、昔、美術館で草間彌生さんの回顧展を見た時、人もまばらで、やっぱ、こういう人は日本では理解されないのかなぁ、と思ったのだけど、今回の埼玉県立近代美術館ではいろんな世代の女性を中心に、本当にたくさんの人たちが草間彌生さんの芸術を鑑賞していた。それから、子どもづれも多かったな。子どもにも大人にも草間彌生さんの芸術は通じそうだし、難しいことを考えずに、驚いて、言葉にできない何かを感じればいいのではなかろうか。

何年間も草間彌生さんの芸術に注目し、どこか近くで展覧会があると必ず見に行っているぼくだけど、ここ数年の彼女の芸術の変化を感ぜずにはいられない。何か絵に喜びが溢れているのです。何度も美術館の中を往復し、この喜びと幸せに浸りたい、と思わずにはいられなかった。いろんな時に何度も見た草間彌生展だけど、こんなふうに感じたのは初めてだ。

地下一階の吹き抜けになったホールに巨大な水玉の女の子の風船のオブジェが、ふわふわと置かれていて、そこでビデオが放映されている。数分間、1960年代の、前衛の、ハプニングの女王を呼ばれた若い草間彌生がモノクロ映像でテレビ・モニターに写る。まぶしいほどに、輝いている。ぼくは五十年前のニューヨーク在住の日本人の若い女性アーティストに恋をしそうになったのかもしれない。

草間彌生、最高!
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数年前、ぼくは初めてオグリ昌也くんのギター弾き語りの歌を小田急相模原のバー、スクールオブロックで聴いたのだった。カントリーブルースでの日本語オリジナルの弾き語りをぼくはいいなと思い、その後も、何度か、スクールオブロックで聴いた。いつか、スクールオブロックにはオグリくんの絵が何枚も飾られていた。ある一枚の絵に惹かれ、オグリくんに、売ってくれないか、と話しかけたことがある。オグリくんに、あれは売り物じゃないですから、とあっさりこ断られた。しかし、数ヶ月後、ぼくが欲しかった絵は、スクールオブロックから無くなっていた。どうしたのだろう、と思った。さらに数ヶ月たち、風の便りでオグリくんは神奈川県から西の方へ帰っていたことを知った。ぼくは心のなかで、ひとりごちた。オグリくんがどういう理由で神奈川から離れていったかはよくは知らないけれど、例えば、オグリくん、放射能からは逃げられても、きみもぼくもブルースからは逃れられないのさ。ぼくたちはそういうやつらなんだ。ブルースは忘れない方がいい。

今でもオグリくんは歌っているというのも風の便りで聞いた。数ヶ月後、スクールオブロックの近所の雑貨屋、ぼくはエルトピートで歌うこととなった。歌う前に、いろんなものが雑然と売られている、大きなおもちゃ箱のような店内を見てまわると、ぼくの欲しかったオグリくんの絵が飾られていた。あれも売っているのですかと尋ねると、売っているとの答え。ぼくは、ずっと心のなかで気になっていたあの絵を手に入れた。今は、ぼくの家の部屋に飾れているのです。

オグリくん、また再び、どこかでいっしょにライブして、お酒を呑もう。その時はおごってあげるよ、きみがブルースを忘れない限りは。ブルースは忘れない方がいい。



オグリ昌也くんのmyspace
http://www.myspace.com/oggy6954

オグリ昌也くんmyspaceの中にある画集のページ
http://www.myspace.com/oggy6954/photos/albums/album/408203#mssrc=SitesPhotos_SP_AlbumCover_ViewAlbum
http://www.myspace.com/oggy6954/photos/albums/album/210639#mssrc=SitesPhotos_SP_AlbumTitle_ViewAlbum


スクールオブロックのブログ
http://blog.goo.ne.jp/ryusisekine

エルトピートのページ
http://www.el-topito.com/
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横浜美術館の「マックス・エルンスト展」に行ってきた。マックス・エルンストは前世紀の前半に活躍したシュールリアリズム絵画の最も有名は一人です。一枚、とても気になり、惹かれる絵があった。それは「自由の賞賛」という絵で、暗い森に真っ白い鳩が光りながら、翼を休めているというもの。エルンストの絵にたくさんの鳥をモチーフにしたものがあるのだけど、ウィキペディアによると、高校生時代(1906年)、愛鳥であるインコのホルネボムが死んだ次の朝に、母親が妹ロニを出産した、少年マックスは妹が鳥の精気を吸収してこの世に生を受けたと信じ、それ以後鳥のイメージが彼の重要なモチーフとなった、ということだ。この「自由の賞賛」の絵の数年後、エルンストの絵は、軽く、明るく、自由になり、ユーモアすら満ちている、そんな自由を謳歌するような絵になるのを、ぼくはこの展覧会で見つけたのだった。その謳歌するような自由をエルンストが絵を描いて見つけたように、ぼくは歌を歌って見つけたい、とふと思った。
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三菱一号館美術館で開催されている「ルドンとその周辺 - 夢見る世紀末展」に見に行った。今日がラストの日で、かなり混んでいました。19世紀から20世紀にかけて生きたこの異端の画家がこれほど人気があるのが意外。

ルドンは19世紀末、木炭を使いモノクロームで描いた不思議で不気味な、今風にいえばビザールな、シュール・レアリズムの祖のような絵で一般的には有名なのですが、20世紀をむかえようとするころ、突然、モノクロームでなく色鮮やかなカラーの絵を描き始める。その人、オディロン・ルドンに何があったのかというと、齢五十歳にして、妻との間に二人目の子どもを授かる。二年前に授かった一人目は半月で亡くなっていた。そのまったく同じ人が描いたとは思えない、繊細で鮮やかな花々が咲き誇る絵を見ると、何かふっきれたかのような新しい画家が誕生したように思えるのだった。けれど、その花の絵も、何か夢の中で咲いているようで、悪夢が夢に変化するかのような化学反応が彼の中で起こったのだろうか。

三菱一号館美術館が新たに所蔵した「グラン・ブーケ(大きな花束)」というとても大きなパステル画も見た。高みの美しさに、これがルドンの到達点であり悟りでもあるような気がしたのだった。
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ぼくの好きな現代の日本の画家に草間彌生という人がいるのだけど、その人は、絵を描かなければ生きていけないような、そんな人ではないのか、と彼女の展覧会を見て、いつも思ってしまう。今日、この人も、そのように絵を描かなければ生きていけないのではないか、と横浜美術館で「松井冬子展 世界中の子と友達になれる Fuyuko MATSUI Becoming Friends with All the Children in the World」を見て思ったのだった。

彼女は新進の日本画家で展覧会の絵を見ながら、ぼくは、鳥肌が立つような驚きの感動すらおぼえた。日本画家というより、その絵は世界的なもので、確かに日本画の形式で描いているのだけど、普遍的な今をすら表しつつ、いつまでもの絵であるつづけるだろう。そして、この新しい画家が今の時代と今の世界によりそい、併走し、どこにいくのか、とても楽しみです。

それから絵というのは、ネットとか本で見るより、実物を見ると、ぜんぜん違いますね。

松井冬子さんのホームページ
http://matsuifuyuko.com/index.html
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『書行無常展』に行ってきた。藤原新也さんの大きな写真、書とともに中国、インド、日本の各地を旅するような展覧会でした。震災地の瓦礫の風景を写した写真には、何か鳥肌が立ちました。福島、春日町の滝桜の写真の美しさに圧倒されました。さて、カメラは記録する装置なのだろうか、記憶する装置なのだろうか、と思いました。

書行無常展のページ
http://www.fujiwarashinya.com/shogyomujo/
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静岡市美術館で「アルプスの画家 セガンティーニ -光と山-」という展覧会を見に行った。ジョバンニ・セガンティーニは、イタリアの南の方で生まれ、幼少のころ、父、母と別れ、青年期、ミラノ移り住み、そこで昼間に仕事をし、夜間は美術学校に学び、その地で伴侶となるルイジアと出会い、自然の光の美しさを求め、スイスのアルプス山地に移り住む。北へ、北へ、山へ、より高い山へ向かう人生であった。41歳での突然の山小屋での最期を迎える。

初期の絵は北イタリアで自然とともに羊を飼ったり、畑を耕している人々を見つめ、土臭い色でその一瞬をとらえたもの。不思議なリアリティーと詩情を感じる。スイスのアルプスでの絵は、点描画ならぬ彼独自の線描画というような技法で描かれ、風景の光が、まぎれもなく絵の上で美しく輝いている。こんな絵の中の舞い踊る光の美しさの中で、ぼくは旅先の美術館にいるのだけれど、なぜか夢の中をまどろむようなのです。

親愛をこめて、ジョバンニ、ありがとう。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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