えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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東京国立博物館の「飛騨の円空 千光寺とその周辺の足跡」展を見に行った。円空というと片手に乗るぐらいの小さな木の仏像を想像していたのだけど、人の丈以上もある大きな仏像は迫力満点でした。木がそのまま神や仏に化身したかのような像に森や山を崇拝し、そして、目覚め、仏陀となるというようなことを思ってしまった。とても簡素、素朴な彫り方は、彫らないことで、何か自然の命を表しているかのようなのです。生涯、山や森を旅した円空の足跡は、例えば、岐阜を旅すれば、そこかしこにある。托鉢のお礼にとみんなの幸せを祈りに込めて木の仏像を置いていったそれは数え切れないらしい。

ぼくの心は昔の飛騨の山の森に入ってゆく。

http://enku2013.jp/
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パナソニック汐留ミュージアムへ「ジョルジュ・ルオー アイ・ラブ・サーカス」展を見に行ってきました。サーカスをテーマにしたジョルジュ・ルオー展です。

ルオーと聞いて思い浮かべるのは荒野をとぼとぼ歩くキリストとその弟子たちや聖骸のようなキリスト像であり、その黒く縁取られ厚く塗りこめられた暗い絵なのだけど、サーカスの絵も、何か、キリストとその弟子たちを同じように描いているようなのでした。そのような絵を描きつづけつづけたルオーだけど、最晩年に近いころの「貴族的なピエロ」という絵は、黒ではなく、青を貴重とし、何か明るく、女のピエロが悲哀や憂鬱ではなく、微笑さえたたえていて、その笑みがが復活したキリストの微笑でもあり、悟りを得た仏陀の微笑のようでもあり、何か、感じ入りました。深い美しさを感じました。

それから、パリの往年のサーカスに関する展示やビデオも上映していて、それも素敵でした。

サーカスに魅せられたジョルジュの詩の一節をご紹介して、今夜はおやすみZZZzzz.....

子供の頃のあのサーカス
貧苦にやつれた小さな顔の
場末の町の貧しい子には
サーカスの光こそは太陽であり、心の夢の故郷だ
それとももしかしたら、失われた楽園の象徴か
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損保ジャパン東郷青児美術館で「アントワープ王立美術館所蔵 ジェームズ・アンソール -写実と幻想の系譜-」と題された展覧会を見る。ジェームズ・アンソールはぼくの好きな奇っ怪なヨーロッパの絵描きなのだけど、今回の展覧会では、そのような奇っ怪な、例えば、骸骨や仮面や群衆を描いた絵はそれほど多くは見られず、むしろ、その前段階の写実的な絵の方が多く展示されていた。しかし、そんな写実的な画にも少しの怪しげな色使いはあるものだけど、ぼくの印象ではある日のある夜、アンソールはシュール・レアリズムの祖となるような絵を描きはじめたらしいのだ。

芸術家と狂気のようなことを思い浮かべてしまう。骸骨や仮面の舞踏会やそれらで街をうめつくす群衆が空からアンソールの頭に、心に下りてきたのだろうか? ぼくのもっとも見たかったのは「キリストのブリュッセル入場」なのだけど、この展覧会では展示されていなかったのは残念ではあった。昔、東京都庭園美術館で見たことがあったのだけど、もう一度見てみたい。ピクチャーはその絵です。おやすみZZZzzz.....

http://www.nhk-p.co.jp/tenran/20120414_130813.html
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府中市美術館へ「ポール・デルヴォ―/夢をめぐる旅」展を見に行ってきました。美術館についたころ自分が風邪気味でちょっと微熱もあるらしいことに気付きましたが、そんなダウナーな時に見るデルヴォーが、また良かったのです。

シュール・レアリズム以前のデルヴォーの印象派的な森の絵やドイツ表現主義的な女性像も良かったです。しかし、デルヴォーといえば、蒸気機関車と宮殿とほんのかすかに微笑むような女たちの絵でしょう。「トンネル」というそんな作品も見ることができました。蒸気機関車と女たちの取り合わせは、微熱の夢の中に漂うとても静かなエロスです。九十六歳まで生きたデルヴォー。筆を置いたのは最愛の妻、タムの死去の時の九十一歳の時1988年。デルヴォーに絵に登場する女たちからユングのいうアニマというようなことを思う。絶筆のシュール・レアリズムを遠くは離れた水彩画もすばらしいけれど、ここで描かれた一人の女。生涯、妻のことを描いたというより妻のために描いたのだろうか。その女たちは虚無のようにすべてを含んでいるのかもしれない、などと思いながら、ぼくはおやすみなさいと言い、夢の世界にまた戻ることにします。

http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/index.html
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東京都写真美術館の鋤田正義展「サウンド・アンド・ヴィジョン」に行ってきた。ミュージシャンのポートレートのオンパレードでした。一番有名なのはデビッド・ボウイのアルバム「ヒーローズ」のジャケット写真かな。有名な写真、多数あり。鋤田さんにとって写真とは憧れであり、美しい思い出なのだと図録でのインタビューで語っていた。鋤田さんの憧れがこちらに伝染してくるようで、大判に引き伸ばされた写真を見ながら、わくわくしてしまう。その原点は初めてカメラを買ってもらって撮った一枚の母の写真。美しい。まったくもって芸術的センスのないぼくだけど、本格的なカメラとか買って、好きなものを撮ってみようか、などと夢見てしまう。

http://syabi.com/contents/exhibition/index-1651.html
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お盆休みを取れなかったのでふいに思い立ちこの八月の十八日と十九日の土曜と日曜に小さな旅に出てしまった。真夏のささやかな思い出つくりで長野県の松本に向かったのは松本市美術館で草間彌生の展覧会が開かれているからです。松本は草間さんの故郷でもあり、松本市美術館はもとから草間彌生のアートのコレクションも充実していて、それも合わせての展覧会ということでおもしろそうだ。鈍行列車にゆられること朝から五時間以上でやっと松本の駅についた。

(ここから少しネタばらしがあります)






「永遠の永遠の永遠」というこの展覧会で始めて、草間さんの十代のころに母を描いた、点々のある素描を見た。これは草間芸術の原点の一つでもあると思う。最新作のカラフルで大きな絵を見て、それが、舞い上がりつづけながら原点に戻ってきたようなそんな感慨を覚えた。十代のころ草間さんは、本当のところは、自分の芸術がこれほどまでに世界に認められ、受け入れられると思っていたのだろうか。「星たちの消滅」と題された大きな作品が二点、展覧会の順路の最後の方に飾られていた。もしかして、星とは点々、ドット、網のことで、もしもそれが消えてしまったら、草間さんもぼくも他の誰一人いなかったことになるのではないですか、と心のなかで草間さんに問いかける。そして、ラストの「魂の灯」の無数の灯り。森羅万象の命たちが星となって明滅しているかのようだ。ぼくの心にうつりました。
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町田市立国際版画美術館に「隆盛する戦後の版画」と題された展覧会に行ってきました。欧米のその時代その時代の最新の版画をたくさん見れました。有名どころでは、やはりアンディー・ウォーホールやロイ・リキテンスタインのいわゆるポップ・アートと呼ばれる大きな原色的色使い版画を見とれました。結構、楽しい感じです。ミック・ジャガーを題材にしたリチャード・ハミルトンの作品とか、どこかで見たことがあると思いましたが、思い出せません。特に惹かれたのはジョナサン・ボロフスキーの自身の夢を描いたものとかホルスト・アンテスのネイティブ・アメリカンのホピ族の神話を描いたもの。版画って美術であると同時に工芸でもあるといつも思います。その手工業のようなところもおもしろい。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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