えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

entry_top_w.png


酔っぱらって新宿駅のホームのところせましといろんなものが並んでいる売店を覗いてみて、思わず買ってしまった忌野清志郎の詩集「エリーゼのために」を読んでいます。この本の清志郎自身のあとがきによると、この本での清志郎はバンド・マンではなくて、ブルース・マンなのだそうだ。バンド・マンからブルース・マンへの距離はどのぐらいあるのだろうか、などと思いをめぐらし、ページをめくっていると、こんな言葉が目に飛び込んできた。

「お前が好きさ おいらそれしか言えない
ほかの言葉しらない
だけど言葉で何が言える」

金子マリのコーラスも聞こえてきそうな素敵なリフレイン。なんてフレッシュなんだろう。けれども、今年もあの日が近づいてきたな。永遠だよ、忌野清志郎。








entry_bottom_w.png
entry_top_w.png


石牟礼道子さんの著した「葭の渚」を読了した。「葭」と書いて「よし」と読みます。

この本は、水俣の公害病について書いた「苦海浄土」が世界的な名著であるとぼくが信じている石牟礼さんのその水俣公害病事件を書くままでの自伝。

ぼくが今、ノーベル文学賞を取ってほしい、もしくは捧げたい人が二人いて、一人はロック・シンガーのボブ・ディラン、もう一人が、詩人でもあり、小説家でもあり、フォークロアの語り部のようでもあり、もちろんすべての生き物を蝕む近代とか現代とかいう時代に対する告発者のようでもある、ジャンルなんて飛び越えてしまった人、ただならぬ言葉を綴る石牟礼道子さんであります。

この本に書かれた石牟礼さんの年代順の思い出の記を読むと、彼女の語る「例えば戦前までは人や草木やけものや海のものたちと牧歌的な関係を保っていて、それが生きている幸せにつながっていた」そんな世界が急速に、瞬く間に失われていった時代、それは生き物たちへの空恐ろしい殺戮の時代でもあったのだ、と思う。再びこの本からの引用になるが、水俣病について書き始めた石牟礼さんは、自分にこう言い聞かせたという。

「一人であることを覚悟せよ、これは容易ならぬことをおっぱじめたぞ。一人であることを再々覚悟せよ」

作家というような人たちがいるとして、石牟礼道子さんこそもっとも勇気のある、遠くにまで行った人、しかも、しっかり地べたを歩きつづけながらの人である、と思い、共感とともに、畏怖のような深い敬意を抱きます。





entry_bottom_w.png
entry_top_w.png


「震災以降 終わらない3・11-3年目の報告」を読了する。総勢24人の人からの震災のその後のレポート。一つのレポートが2段組み4頁となっており、総頁数の奥付の含めて200頁で、もりだくさんでありながら、一つ一つ内容はよく真摯に掘り下げられていて、深い。

その中で、福島県郡山市に在住している安積咲さんの文「物語化された「福島」への抵抗」が、表現するもののはしくれのようなぼくのような人間にとっては、ぶすりと胸に刺さるような内容であった。物語化されたとは何だろうか、とぼくは考えこんでしまう。

ここでいう物語ということから、思い浮かべられるのは、例えば、大江健三郎氏の「反核」の物語でもあるだろうし、その裏側か、向こう側かには、三島由紀夫の「日本神国」の物語もあるような気がする。アメリカの民主主義の物語、ソビエトの共産主義の物語、イスラムの聖戦の物語、世界に物語はあふれていて、人を鼓舞させもし、多くは傷つけてきた。そのような物語に抵抗し、地に足をつけて、「福島」ではなしに、地元を復興させたい、と安積咲さんは、書いておられるようなのだ。

そうか、けれども、東北というと、敗れたものの物語でもある奥羽越列藩同盟の歴史のようなもう一つの物語も懐に抱いてもいるのではなかろうか。だから、ぼくは、安積咲さんの論に深く頷きつつも、物語こそは、力なきぼくたちについに残された、物語を育む想像力とともにある、武器なのではなかろうか、とも思ってしまう。そして、その物語とは、歌とも置き換えても良い。確かに、何々主義というような大きな物語、大きな歌には、つねに裏切られてきた、ということも確かにそうなのだけれども、ぼくはこんなふうに思いいたる。今、現在のホメーロスたちは散り散りながら、むしろ、小さな歌を歌っているのではなかろうか。この本に登場するいろんな東北の人たちのように。

ぼくはその昔、何度も東北を列車の旅をしたことがあったけれど、再び、そんな旅に出たくもなった。それは、この本に書かれていることに、小さな歌と小さな物語、もしくは、希望のような何かが芽吹きつつあるよう感じたから。

地に足をつけ、ありのままを見て、想像力を働かせ、夢見るように、小さな歌を歌う。おやすみ...ZZZzzz.....






entry_bottom_w.png
entry_top_w.png


夏目漱石の「坑夫」を読了。漱石による地獄巡り小説。舞台は鉱毒事件の足尾鉱山。鉱毒による谷中村強制廃村1906年の2年後の発表。自死を望む主人公の冷徹な心理小説で漱石が言いたかったことは如何に。歴史はどこでも、いつでも繰り返しているのでしょうか。









entry_bottom_w.png
entry_top_w.png


細野晴臣さんの著した「HOSONO百景 いつか夢に見た音の旅」をおもしろくて一気読みしました。今だにこの偉大なポップニュージックの大家の3枚のトロピカル・アルバム「トロピカル・ダンディー」、「泰安洋行」、「はらいそ」はぼくの座右の名盤であるのだけど、その細野さんの昨今のインタビューからの聞き書き集というような内容の本であった。

こいういう本は困っちゃいますね。というのも、紹介されているいろんなCDを片っ端から聴きたくなってしまって、散財の元になってしまうじゃないですか、と笑いながら、ぼくは細野さんに抗議とかしたい。

この本の中に最近の細野さんの写真もあるのだけど、恐慌期のアメリカを意識しているらしいよれよれの厚手のスーツとハンチング帽で東京の下町を徘徊する姿は洋風の永井荷風のようでもあり、遊び人の渋い趣がありますな。こんな好好爺、一歩手前にぼくもなりたいものだよ。









entry_bottom_w.png
entry_top_w.png
東アジアのいろんなところに隣人への憎悪や軽蔑を煽る人たちが一杯いるような世界になってしまって、一人ぼっちになったとしても、そんな人たちにくみしたくないと思い、悪魔祓いのような気持ちで「東学農民戦争と日本」という本を読み始めた。けれど、自らの加害の歴史というのは、読んでいて、とても苦しいです。読了まであと少し。

http://amzn.to/1feGVzk
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png


連野城太郎さんの著した「GOTTA!忌野清志郎」を読んだ。この本は1988年に出された今は絶版になっている本で、この本が出された時は、ぼくの近くにいた少なからぬRCサクセションのファンの女の子たちに驚きとショック、センセーションのようなものを与えていた。そんな女の子たちにこの本の内容を居酒屋とか喫茶店で聞かせられていて、その内容をほぼ知っているのに、ぼくは今までなぜか本自体は未読であったのだ。

おもしろくて一気読み。忌野清志郎が山口冨士夫やジョン・レノンのようにロックン・ロール・エイジのみなしごであったことは、よくわかる。この本に引用された湯川れい子さんの言葉をぼくも引用して、今夜は続きとしての1989年からの「GOTTA!忌野清志郎」をぼくの心に書いてみることにします。

「清志郎さま、貴方はヒョーヒョーと奴凧みたいに風を受けながら、何者もおもねることもなく、河を渡り、海を渡り、フリー・ウェイを走って、いつまでも貴方のまま誠実に、優しく、照れながら、率直に、見えない風と戦って生きていらっしゃる。繊細で大胆で、言い訳をしない詞が好きです。誰にも似ていない声が好きです。老成せずに一生きらめき続けるだろう、若い精神が好きです。狂えるほどに均衡の取れたその精神のバランスと公平さが好きです」






entry_bottom_w.png
<< 前のページ   HOME   次のページ >>
[58]  [59]  [60]  [61]  [62]  [63]  [64]  [65]  [66]  [67]  [68
plugin_top_w.png
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 4
9 10
14 16 19
22 23 24 25 26
27 28 29 30
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
えいちゃんのお奨め

ライブのお知らせ

ぼくのTwitter

plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
最新コメント
[12/23 ロンサム・スー]
[07/27 gmail account]
[08/29 えいちゃん]
[08/29 みさき]
[05/18 えいちゃん]
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
ブログ内検索
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
最新トラックバック
plugin_bottom_w.png
Copyright えいちゃん(さかい きよたか) by えいちゃん All Rights Reserved.
Template by テンプレート@忍者ブログ