えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

石牟礼道子さんの著した「葭の渚」を読了した。「葭」と書いて「よし」と読みます。
この本は、水俣の公害病について書いた「苦海浄土」が世界的な名著であるとぼくが信じている石牟礼さんのその水俣公害病事件を書くままでの自伝。
ぼくが今、ノーベル文学賞を取ってほしい、もしくは捧げたい人が二人いて、一人はロック・シンガーのボブ・ディラン、もう一人が、詩人でもあり、小説家でもあり、フォークロアの語り部のようでもあり、もちろんすべての生き物を蝕む近代とか現代とかいう時代に対する告発者のようでもある、ジャンルなんて飛び越えてしまった人、ただならぬ言葉を綴る石牟礼道子さんであります。
この本に書かれた石牟礼さんの年代順の思い出の記を読むと、彼女の語る「例えば戦前までは人や草木やけものや海のものたちと牧歌的な関係を保っていて、それが生きている幸せにつながっていた」そんな世界が急速に、瞬く間に失われていった時代、それは生き物たちへの空恐ろしい殺戮の時代でもあったのだ、と思う。再びこの本からの引用になるが、水俣病について書き始めた石牟礼さんは、自分にこう言い聞かせたという。
「一人であることを覚悟せよ、これは容易ならぬことをおっぱじめたぞ。一人であることを再々覚悟せよ」
作家というような人たちがいるとして、石牟礼道子さんこそもっとも勇気のある、遠くにまで行った人、しかも、しっかり地べたを歩きつづけながらの人である、と思い、共感とともに、畏怖のような深い敬意を抱きます。

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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


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