えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ
この前見た「キャデラック」という映画の中で、レコード・プロデューサー、レーナード・チェスとシンガー、エッタ・ジェームズの別れのシーンでシカゴのチェス・スタジオでエッタが"I'd Rather Go Blind"を歌うのだが、本当はこのようなシーンはあるべくもなく、なぜなら、この曲の入ったアルバムの"Tell Mama"の全曲はアラバマ州マスクル・ショールズにあるフェーム・スタジオで録音されたもの。他にもこの「キャデラック・レコード」にはへんてこなところが少なからず見受けられるように思う。しかし、ウィスキーから手が離せないアル中っぽいマディー・ウォーターズでいいのか?
話をもどして、昔、Janis Joplinが"Farewell Song"というライブ・アルバムの中で"Tell Mama"という曲を歌っていて、この曲をもともと歌っていたEtta Jamesにたどりついた。このEttaの明るいパンチの効いた奔放な歌い方にJanisはかなり影響を受けたのではないかなど想像する。
時は1960年代、サザン・ソウル全盛時。南部はスタックスやフェーム、ゴールド・ワックス、サウンド・セブンなどのソウル・ミュージックのレーベルが群雄割拠していたのだ。アレサ・フランクリンやオーティス・レディングらもこの流れから登場した。ある時、チェス・レコードの社長であるレーナード・チェスはエッタにこんなことを言ったのかもしれない。
「エッタ、次のレコーディングはアラバマ州のマスクル・ショールズってど田舎の町の「フェーム」っていうスタジオで行うことになったから。そこのリック・ホールって男に会うんだ。話はつけてある。きみのその声はあの最近はやりの南部のサウンドにぴったりだと思うんだよ。明日の朝、飛行機で飛んでくれ」
エッタはそのスタジオに着いて驚いた。当時の南部はまだ人種差別が激しいころ、そのスタジオでは、白人と黒人が同じ部屋で混じって、素晴らしい音楽を作りあげようとしていたから。そして、そのサウンドはエッタの声にぴったりだった。
1960年代にはこんな話もある。オーティス・レディングが白人と黒人の混成のバンドで南部を巡演していたころ、黒人はこのホテルには泊められないと拒否されることがままあったそうだ。ああそうかと思い、彼ら、バンドはむかついてツアー・バスの中で寝泊りする。けれど、南部各地にちらばっていたインデペンデントな小さなレコーディング・スタジオの中では人種の壁はすでになくなりつつあった。
この"Tell Mama"というアルバム、アップ・テンポなかっこいい曲が並ぶ中、"I'd Rather Go Blind"は数少ないバラッドで、やっぱ名曲、名演奏、名唱です。こんな詞。
「なにかがわたしに終わりと告げている
あなたが彼女と話しているときそう思った
何か心の深いどこかで泣きなさいと言っている気がする
あなたが彼女とどこかで歩いているのを見た時
わたしは目が見えなくなりたい
あなたがわたしを去っていくのを見るのなら
わたしはあなたが大好きで
あなたがわたしを去っていくのを見つめていたくない
自由になんて、そんなものにもなりたくない
わたしはただ座って
あなたのキスや暖かく抱きしめられたのを思っている
その時、グラスにある飲み物を飲もうとして、くちびるを付けた
すると、涙がわたしからあふれ、ほほにつたわった
わたしは目が見えなくなってもいい
あなたがわたしを去っていくのを見るのなら
わたしは目が見えなくなりたい」
こんな気持ちになったことがありますか? サザン・ソウルの生み出した忘れられない一曲ですだ。チャオ・・・
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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