えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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大島渚監督の「日本春歌考」を見た。1967年作品。見ながら、この感じはジャン=リュック・ゴダール監督のようだと思い、フランスに震源したヌーヴェルヴァーグの波は極東の島国にも確かに来ていたらしいのだ。

わけのわからない映画なのだけど、そんなことより、在日朝鮮人高校生を演じ、「満鉄小唄」を歌う吉田日出子の存在感はすごい。そして、小山明子ってきれいだなぁ。あぁ、彼女は日本のジーン・セバーグでしょうか?

劇中、常にリフレインされる歌は、ひとつでたホイのよさホイのホイと歌われる「よさほい節」なのでした、ホイホイ。

http://youtu.be/GKJiQZXsQ74
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ニール・ブロムカンプ監督の「エリジウム」を見た。監督は南アフリカ出身のニール・ブロムカンプであの大ヒットした「第9地区」の監督でもあって、近未来の逆ユートピアの描き方にリアルな迫力があるのは、実際のヨハネスブルクの黒人ゲットーを知っているからだろう。

ここで描かれた逆ユートピアは映画の創成期の怪作にして名作のフリッツ・ラング監督の「メトロポリス」を用意に思い出させるけれど、やはり、もたざるものともつものの熾烈なドラマが繰り広げられる。それは、SF的未来というよりは、今を照射し、描いてもいるようなのだ。

細かいストーリーを述べるのはよすが、ラストの大演団は苦さを感じつつ、快い。

http://www.elysium-movie.jp/
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ウォルター・サレス監督の「オン・ザ・ロード」を見た。その昔、「路上」と題された日本語訳のジャック・ケルアックの小説は読んだことがあった。ウォルター・サレス監督の若かりしころのチェ・ゲバラを描いた「モーターサイクル・ダイアリーズ」はなかなか良かったし、製作総指揮があの「ゴッド・ファーザー」や「地獄の黙示録」のフランシス・フォード・コッポラということもあり、期待して見に行った。「オン・ザ・ロード」は北米大陸と旅とセックスのリフレインのような映画だったのだけど、ぼくがいささか年をとったのか、時代が変わってしまったのか、描かれる北米大陸にも旅にもセックスにもイコン、聖像として輝きは感じなくなってしまっていた。けれども映画に引用されるケルアックの小説の中の言葉は六十年の時を経ても、何か眩しいところがあって、小説を読みなおしてみようかな、と思った。

いくつか特に気に入ったシーンもあって、オールド・ブル・リー(ウィリアム・バロウズ)と会うシーンで、後に伝説的な前衛SF小説家となるバロウズは、セリーヌの小説を英語の訳文と原文のフランス語で読み比べて、どうだ、違うだろうと主人公のサル・パラダイス(ジャック・ケルアック)に説教を垂れ、広い森のある庭に出て、ズボンを脱いで、癌も撃退するという怪しい吸引器の備られた小部屋に入る。いかれていて、かっこいい。そして、楽しく短いシーンはスリム・ゲイラードがL.A.のクラブでピアノを弾いて、歌って、踊るシーン。

青春賛歌のようなこの映画への評を読みながら、辟易し、青春なんかクソだ、と囁いてみる。すると、おれの中のぼろぼろになったディーン・モリアーティ(ニール・キャサディ)が寂しげに笑い、あばよと合図し、小さくなって遠くへ去っていく姿を思い出したのだった。

http://www.ontheroad-movie.jp/
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この前、テレビでも放映していたのだけれど、レンタルのDVDで和泉聖治監督の「HOME 愛しの座敷わらし」を見る。座敷わらしと聞くと、深沢七郎の小説「みちのくの人形たち」を思い出し、その根底には、間引きという哀しいできごとがあったのだろう、と思っていたら、この映画でも、古老の語るはるか昔の物語として、そのようなことがあったということが出てくるのだった。その間引きされたものたちの精霊をむしろ幸福をもたらす印とした東北、岩手の人たちに心の深さを感じた。

映画「HOME 愛しの座敷わらし」に戻れば、家族が急速に失われていった1970年代のホームドラマのような映画であった。「傷だらけの天使」や「青春の殺人者」の水谷豊が、「熱中時代」や「相棒」を経て、左遷された会社員のお父さん役をやっているぞ。そして、座敷わらしや河童の故郷、柳田國男の「遠野物語」の遠野の景色が本当に美しい。

http://www.warashi.jp/
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ムビックス橋本で妹尾河童原作、降旗康雄監督の「少年H」を見る。子どもの目から見た神戸を舞台にした 第二次世界大戦の映画でした。

神戸大空襲のシーンがリアルで怖かった。夜の空一面が花火にようになるナパーム弾が神戸の街を悪魔のように焼きつくす。そのナパーム弾は燃え盛る鉄の棒でそれが無数に家や道につきささる。まるで木と紙でだきた日本の家屋を焼尽するために作られたもののようだ。

この映画は戦争を描いた映画であるとともにそのような苦しい時代の神戸を生きる少年Hとそのお父さん、お母さん、妹の物語でもある。水谷豊演じる父、妹尾盛夫と伊藤蘭演じる母、妹尾敏子が本当の夫婦のようなのだが、あっ、そうか、実生活でも本当の夫婦なのでした。

二人の自然な名演技が素晴らしいのだけど、水谷豊演じる父の妹尾盛夫が素敵な人で、彼に第二次世界大戦時にドイツ占領下の収容所で過ごすこととなる現代音楽の大作曲家メシアンのことを思い出す。熱心なクリスチャンでもあったメシアンは、その収容所生活について、私はまったく自由であった、何人も私の自由を、私のイエスを奪えなかった、というようなことを言っていたと思う。おおげさと言われるかもしれないけれど、おおげさでもなく、戦争とはなんだろうと思い、そんなことも考えたのです。

http://www.shonen-h.com/
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スタジオ・ジブリの新しい映画「風立ちぬ」を見る。

大きな映画館の画面で見ると、丹念に描きこまれた背景画によって、戦前や戦中の日本に自分が紛れ込み、そこで息をしているかのようだ。映画は昔の松竹の映画へのオマージュかのように淡々と進むのだけど、そこにさしはさまれる幻想的な夢のシーンによって多重奏のような複雑・複眼的な豊かさを感じさせる。

昔の日本や日本人って美しかったのだろうと思った。主人公とフィアンセの淡い恋から愛への移り変わり。

たいしたエピソードもなく淡々と物語は進んでいって、ラストの1分にも満たない夢のシーンでの重いメッセージが胸に刺さり、過去の日本を描いているのに、明日への警告を含んだ近い未来のお話のようでもあった。

そして、ラストに流れるユーミンこと荒井由実(今の松任谷由美)の歌う「ひこうき雲」という歌は大好きな歌です。

http://kazetachinu.jp/
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会社帰りに新百合ヶ丘の川崎アート・センターで「魔女と呼ばれた少女」という映画を見る。カナダの新進気鋭のキム・グエン監督の内戦絶えぬ中部アフリカのとある国を舞台にしたこの映画の重さに打ちのめされてへこむ。ぼくは川崎アート・センターの小さなシアターの一番前の方の席でこの映画を見ていたのだけど、映画が終わり、ふと振り向くと、十人ほどのこの映画を見ていたいた人の表情は沈痛に打ちひしがれていたのだった。

映像も劇中に挟まれるアフリカのポップスも美しかったので、その内容の苛烈さに言葉もないのだけど、いい映画だと思う。エイモス チュツオーラの「やし酒飲み」とかジョゼフ・コンラッドの「闇の奥」といった小説を思い出した。そして、帰り路を急いでいると、ジャマイカのルーツ・レゲエ・シンガー、Burning SpearことWinston Rodneyの歌う"Throw Down Your Arms"が天啓かのように頭の中をめぐり始めたのだった。武器を捨てろ!

http://majo.ayapro.ne.jp/index.html
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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