えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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近頃、金曜日の夜は映画館で映画を見て帰るというのが習い性みたくになってきた。

今夜、見た映画はグレッグ・フレディ・キャマリア監督のドキュメンタリー映画「黄金のメロディ マッスル・ショールズ」。アメリカ南部の片田舎の町、マッスルショールズから発信されたたくさんのソウル・ミュージック、ロック・ミュージックの生まれのゆりかごとなったフェーム・レコーディング・スタジオとそこから分派して発足したマッスルショールズ・サウンド・スタジオの物語。

そのすべての発端となったリック・ホールの山もあり谷もある人生。フェーム・レコーディング・スタジオのオーナーであり、プロデューサでもあったリック・ホールって金持ちのぼんぼんかと思っていたら、ビートルズのジョン・レノンやポール・マッカートニーぐらいには貧乏人の子供で、辛苦を味わった少年時代であったのを、初めて知った。そのリック・ホールの大きな人物ぶり、まさしく人種を超えたソウル・ミュージックの大立者は、なみなみならぬ不屈の野心家で起業家、企業家でもあった。おー、こんな映画を見るとぼくもいい夢を見てしまうよ。

そして、その音楽の聖地、マッスルショールズという町のど田舎ぶりと美しさにも感動のため息をついてしまう。

http://muscleshoals-movie.com
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渋谷のユーロ・スペースでリティ・パニュ監督の映画「消えた画 クメール・ルージュの真実」を見た。1976年から1979年までのポル・ポト率いるクメール・ルージュ(カンボジア共産党)によるカンボジアの人々と社会へのすさまじい暴力を残されていた当時の実写フィルムと虐殺された死者たちの眠る土からつくられた動かない泥人形によって、哲学的、詩的に、そして、リアリスティックに表現していた。事実の悲惨さに打ちのめされ、沈鬱に映画館を出た。極端な原理主義がもたらす社会の非寛容はおそろしい。あっという間に死体の山がそこにできてしまう。ぼくたちは十分に気を付けた方がいい。

動かない泥人形が魂を持ち、生きているかのようだ。苦難を生き、死んでいった、ぼくたちの今の人間たちの先輩は泥人形となって生きているのだろうか。その人たちが幸せに生きてほしい、とぼくたちを思っている。


http://www.u-picc.com/kietae/
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TOHOシネマズ海老名に本多猪四郎監督の「ゴジラ」を見に行く。これは、もちろんハリウッドでのリメイク版ではなく1954年公開のゴジラ・シリーズの第一作目の東宝映画。昔の何かの本で読んだ、ゴジラが表すものは皇軍のわだつみの無念の英霊だというのを思い出した。この映画の中のゴジラは、そのようにあるひとつのところを残し、東京を破壊しつくし、その燃え上がる街が何かリアルで、今にも通じるいろいろな暗喩を含んでいそうだ。ゴジラの鳴き声は、忘れさられようとしている何者かの泣き声のようにも聞こえ、ぼくは心の中でゴジラを殺すな、とも思ったのだった。

http://godzilla1954.jp
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レンタル・ビデオでアルフォンソ・キュアロン監督の「ゼロ・グラビティ」を見る。

原題は"GRAVITY"で重力とか引力という意味。人は重力のあるところに戻っていくのかというような哲学的なことも思ってしまったのだけど、無重力ということを映画で体験できました。無重力空間で涙を流すということは、こういうことなのか、とかそのシーンは不思議な美しさも感じました。それと、宇宙からの地球の美しさですな。90分があっという間で、やっぱ、こういうハリウッドの映画はおもしろいわ。ビデオではなく、大画面のサラウンド・サラウンドで再び見てみたい。

ヒロインのサンドラ・ブロックのリアルな演技、その相手役のジョージ・クルーニーはかっこ良すぎです。アメリカ人って普段からこんなユーモアとウィットにとんだ会話をしてるのかしら。

あぁ、映画を見終えて、夜空を見上げしまう。

http://wwws.warnerbros.co.jp/gravity/#/home
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先週も金曜日の会社帰りには映画館に映画を見に行っていたが、今週も見に行った。有楽町のスバル座で大林宜彦監督の「野のなななのか」を見たのです。大林監督の前作「この空の花 -長岡花火物語」が若々しい傑作だったので、今作も見せてくれるだろうと見に行ったのだけど、その期待は100%、かなえられました。前作の舞台が新潟県長岡だったのに続き、今作の舞台は北海道芦別を舞台にして作られた完全なる地元協力のもとのインディーズ映画で、監督自身が言うところの古里映画は、饒舌な文体で語られる、人々の心にふりつもっいいった近代史を描いていた。もちろんあの大林節が晩節にして枯れることなく炸裂しれていて、北のかの地を舞台にした、ボルヘスの小説を映像化したかのようなマジック・リアリズムでもあり、家族の物語のそれは、目まぐろしくカットされる小津安二郎映画へのオマージュでもあり、21世紀に隔世遺伝されたゴダールのヌーヴェルヴァーグの映画のようにもに感じたのだけれど、それはまさしく大林組の映画そのもの。この「野のなななのか」に続く古里映画の三作目も未定だけれどもきっと傑作を撮ってくれそうだと、変わらぬ奇才、鬼才の巨匠に何か期待してしまいます。

http://www.nononanananoka.com
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金曜日の会社帰りに新宿の老舗映画館、新宿武蔵野館に寄り、コーエン兄弟監督の最新作「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」を見る。

この映画を見ながら、アコースティック・ギターをしまったハード・ケースを抱え、1961年のニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジ界隈を彷徨しているような気分になりました。そして、オスカー・アイザック演じるルーウィン・デイヴィスのだめ人間ぶりに何か愛おしさを感じる。酔っぱらって、ライブハウスで罵詈雑言をわめきちらす姿に昔のぼく自身を思い出したりした。お恥ずかしい。

1961年というと、エルヴィス・プレスリーが兵役に取られ、ロックン・ロールの熱狂が去り、ボブ・ディランもまだメイン・ストリームの出てきてはいない。そんな時のニューヨークをほっつき歩き、シカゴまでヒッチハイクしたりし、ギブソンのギターでを弾き、風に吹かれゆくように、歌を歌っているのです。

キャリー・マリガン演じるヒロインのジーン・バーキーもかわいいですが、主人公といっしょに旅をする猫もかわいいです。

http://www.insidellewyndavis.jp
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レンタルDVDでトリーシャ・ジフ監督の「メキシカン・スーツケース」を見た。ロバート・キャパ、ゲルダ・タロー、デビッド・シーモアの残したスペイン内線のネガ・フィルムがメキシコで見つかったことを糸口に、タブーとなってしまって、語られなくなってしまった戦争の真実を解き明かすというような内容だった。

こういう話が世界にはたくさんあるのか、と改めて思う。1940年代のメキシコってどこか輝いている。スペイン内戦で共和国を支援した国が二つあって、ひとつが今のロシア、当時のソビエト連邦で、もうひとつがメキシコであった。その他の国は見て見ぬふりといったところか。

共和国派、人民戦線政府はイタリアとドイツのファシズム政権に支援を受けた後の独裁者フランコの率いる軍に負けてしまうのだが、はじめて民間人が標的にされた戦争としても記録され、ピカソの「ゲルニカ」はその空襲への抗議の意志をこめた芸術作品。人民戦線側の義勇兵としてアーネスト・ヘミングウェイやアンドレ・マルローなども戦った。ヘミングウェアの「誰がために鐘は鳴る」はまさしくスペイン内戦を描いた名作で後にゲーリー・クーパーとイングリッド・バーグマンの主演で映画にもなった。そう、スペイン内戦で負け、死んでいった兵士や民家人とちりじりになってメキシコに亡命した人々についてこの映画「メキシカン・スーツケース」では語られている。

あぁメキシコよ、亡命者レオン・トロッキーの終焉の地で、ディエゴ・リベラとフリーダ・カーロの砂漠の絵画、勇者である骸骨の国。無数の亡命者のスーツケースがおり重なっている。





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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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