えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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高畑勲監督の「かぐや姫の物語」を見た。この日本最古の物語の映画は、宮崎駿監督の「風立ちぬ」に続く今年二本目のジブリアニメは「風立ちぬ」をしのぐほどの傑作なのだった。アニメーションというより美しい日本の水彩画が命を持って動いているかのようだ。

あの日本人のだれもが知っていると思われるラストシーンでは不覚にも涙が止まらなくなって困った。客席のまわりのいたるところからすすり泣きがこだまして聞こえる。エンドロールの時、近く座っていたどこかのお父さんが、涙の止まらない小さい女の娘に、これはファンタジーだからね、大丈夫だよ、と何度も言っていた。ならば、ファンタジーは真実だ。ぼくたちは誰もがいつか月に帰らねばならないのではないかしら。

http://kaguyahime-monogatari.jp/
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ブライアン・ヘルゲランド監督の「42 ~世界を変えた男~」を見る。初めてメジャー・リーグでプレイした黒人、ジャッキー・ロビンソンを描いた映画です。ジャッキー・ロビンソンを演じるチャドウィック・ボーズマン、ちょっとベイビー・フェースでかっこいいです。ボール・ゲームをする不屈のパイオニアです。ブルックリン・ドジャーズのジェネラル・マネージャー、ブランチ・リッキーを演じるハリソン・フォード、なりきっていて渋いです。昔の気骨あるアメリカ人ってこんなんだったのかなぁ? そのブランチ・リッキーが、いよいよ、ジャッキーをメジャー・リーグに登録する時に球団マネージャーに言うこんなセリフ、われわれはこれから小舟で嵐のど真ん中に突入するんだ、がぐっと来ました。勇気かな、もらったような気がします。ジャッキー・ロビンソンの42番はメージャー・リーグの全球団の永久欠番だそうだ。

http://wwws.warnerbros.co.jp/42movie/
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是枝裕和監督の映画「そして父になる」をムビックス橋本で見る。ヴィム・ヴェンダース監督の「パリ・テキサス」を思い出す。いくつか似たようなシーンがあった。是枝監督は子どもを撮るのが本当にうまい。

この映画、人によっては眠くなるかもしれない。なにげな普通の日常のシーンがかけがえのない大切な美しい詩のようだ。ひさしぶりに映画を見ながら何度か落涙した。

カンヌ国際映画祭審査員賞、おめでとうござます。

http://soshitechichininaru.gaga.ne.jp/
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大島渚監督の「日本春歌考」を見た。1967年作品。見ながら、この感じはジャン=リュック・ゴダール監督のようだと思い、フランスに震源したヌーヴェルヴァーグの波は極東の島国にも確かに来ていたらしいのだ。

わけのわからない映画なのだけど、そんなことより、在日朝鮮人高校生を演じ、「満鉄小唄」を歌う吉田日出子の存在感はすごい。そして、小山明子ってきれいだなぁ。あぁ、彼女は日本のジーン・セバーグでしょうか?

劇中、常にリフレインされる歌は、ひとつでたホイのよさホイのホイと歌われる「よさほい節」なのでした、ホイホイ。

http://youtu.be/GKJiQZXsQ74
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ニール・ブロムカンプ監督の「エリジウム」を見た。監督は南アフリカ出身のニール・ブロムカンプであの大ヒットした「第9地区」の監督でもあって、近未来の逆ユートピアの描き方にリアルな迫力があるのは、実際のヨハネスブルクの黒人ゲットーを知っているからだろう。

ここで描かれた逆ユートピアは映画の創成期の怪作にして名作のフリッツ・ラング監督の「メトロポリス」を用意に思い出させるけれど、やはり、もたざるものともつものの熾烈なドラマが繰り広げられる。それは、SF的未来というよりは、今を照射し、描いてもいるようなのだ。

細かいストーリーを述べるのはよすが、ラストの大演団は苦さを感じつつ、快い。

http://www.elysium-movie.jp/
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ウォルター・サレス監督の「オン・ザ・ロード」を見た。その昔、「路上」と題された日本語訳のジャック・ケルアックの小説は読んだことがあった。ウォルター・サレス監督の若かりしころのチェ・ゲバラを描いた「モーターサイクル・ダイアリーズ」はなかなか良かったし、製作総指揮があの「ゴッド・ファーザー」や「地獄の黙示録」のフランシス・フォード・コッポラということもあり、期待して見に行った。「オン・ザ・ロード」は北米大陸と旅とセックスのリフレインのような映画だったのだけど、ぼくがいささか年をとったのか、時代が変わってしまったのか、描かれる北米大陸にも旅にもセックスにもイコン、聖像として輝きは感じなくなってしまっていた。けれども映画に引用されるケルアックの小説の中の言葉は六十年の時を経ても、何か眩しいところがあって、小説を読みなおしてみようかな、と思った。

いくつか特に気に入ったシーンもあって、オールド・ブル・リー(ウィリアム・バロウズ)と会うシーンで、後に伝説的な前衛SF小説家となるバロウズは、セリーヌの小説を英語の訳文と原文のフランス語で読み比べて、どうだ、違うだろうと主人公のサル・パラダイス(ジャック・ケルアック)に説教を垂れ、広い森のある庭に出て、ズボンを脱いで、癌も撃退するという怪しい吸引器の備られた小部屋に入る。いかれていて、かっこいい。そして、楽しく短いシーンはスリム・ゲイラードがL.A.のクラブでピアノを弾いて、歌って、踊るシーン。

青春賛歌のようなこの映画への評を読みながら、辟易し、青春なんかクソだ、と囁いてみる。すると、おれの中のぼろぼろになったディーン・モリアーティ(ニール・キャサディ)が寂しげに笑い、あばよと合図し、小さくなって遠くへ去っていく姿を思い出したのだった。

http://www.ontheroad-movie.jp/
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この前、テレビでも放映していたのだけれど、レンタルのDVDで和泉聖治監督の「HOME 愛しの座敷わらし」を見る。座敷わらしと聞くと、深沢七郎の小説「みちのくの人形たち」を思い出し、その根底には、間引きという哀しいできごとがあったのだろう、と思っていたら、この映画でも、古老の語るはるか昔の物語として、そのようなことがあったということが出てくるのだった。その間引きされたものたちの精霊をむしろ幸福をもたらす印とした東北、岩手の人たちに心の深さを感じた。

映画「HOME 愛しの座敷わらし」に戻れば、家族が急速に失われていった1970年代のホームドラマのような映画であった。「傷だらけの天使」や「青春の殺人者」の水谷豊が、「熱中時代」や「相棒」を経て、左遷された会社員のお父さん役をやっているぞ。そして、座敷わらしや河童の故郷、柳田國男の「遠野物語」の遠野の景色が本当に美しい。

http://www.warashi.jp/
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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