えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

恵比寿のガーデンシネマに「扉をたたく人(http://www.tobira-movie.jp/)」という映画を見に行った。どんな映画かと聞かれれば、その宣伝コピーには「扉を閉ざしたニューヨーク-移民の青年の出会いと“ジャンベ”の響きが孤独な大学教授の心の扉を開く」とある。音楽っぽい映画はなんだか見に行きたくなるのです。スター不在のこの映画は去年アメリカでわずか4つの映画館で封を切られ、しかしながら口コミで評判となり、最終的には270館で上映されたという。登場人物はわずか4人。大学教授、シリアからの移民してきたパレスチナ人の青年、青年の恋人でセネガルから移民、青年の母親。場所はニューヨーク。
青年の母親がミシガンからニューヨークに青年に会いにきて、青年から恋人を紹介されて、なんて肌の色の黒い人と思うのだが、話しているうちに、わかりあえるというようなシーンがとてもよく、心がほんわかしたりした。ドラムをたたくことは、誰かのハートをノックするということかのように、青年からジャンベを教えてもらい、少しずつ大学教授の心は開き、自らもジャンベをたたく。訪問者の打ち鳴らすアフリカの通信のリズムは誰かの閉じた心をたたいて、扉の開くのを待っている。ぼくも待ってるのだ。


Viniciusと聞いても、以外にみんな知らないのじゃないか? ボサノバという音楽の誕生をさせた3人のミュージシャンがいて、ピアノを弾き作曲をするAntonio Carlos Jobim、ギターを弾き歌を歌うJoao Gilberto、そして、詞を作るVinicius de Moraesなのだ。『ヴィニシウス ~愛とボサノヴァの日々~』というドキュメンタリー映画が上映されていて、見に行った。Viniciusはれっきとしたブラジルの外交官でありながら、詩人であり、作詞すらした。最も有名な詞は"Garota de Ipanema"、「イパネマの娘」。ぼくの一番好きな詞は、"Felicidade"、「かなしみよさようなら」。この映画では出てこなかったけれど、紹介します。国安真奈さんのすばらしい訳で。
「悲しみには終わりがない
幸せには終わりがあるのに
悲しみには終わりがない
幸せには終わりがあるのに
幸せは
花びらに溜まった朝露のよう
落ち着いた輝きを放ち
軽く震えたかと思うと
愛の涙のように 滑り落ちていく
貧しき者の幸せは
カルナヴァルの大きな夢
一年中働き通し
一瞬の夢のために
王の 海賊の 庭師の衣装をまとい
水曜日には跡形もなく散ってしまう
夢のために」
Viniciusは美しい詩や詞を書いた。若いミュージシャンを招いての自宅での毎夜のどんちゃん騒ぎ。この映画でも出てきたBaden Powellらとのホームビデオの映像では、みんな幸せそう。結婚した数は9回の恋多き男。愛を与える人。愛を受け取る人。大酒のみ。作詞する大詩人。不良高級外交官。ボヘミアン。ブラジルの中でもっとも黒い白人。Viniciusは白人は黒人になればいい、黒人は白人になればいい、そうすれば、わかりあえると言う。そして、何より隣人と音楽を愛していた。
(映画館の席はがらがらだった。閉映近し。こういう映画は大画面とサラウンドの大きな音で浸るように鑑賞すべし。急げ)
『ヴィニシウス ~愛とボサノヴァの日々~』の公式ページ
http://www.vinicius.jp/


家に帰って来て、お風呂に入って、ビール飲みながら、夕ご飯食べながら、テレビを付けると、NHKBSでJack Blackというアメリカでは有名らしいコメディアンが主演している"School Of Rock"という映画を放送していて、これが最高。ティーン・エイジャーのころを思い出して、しかも喜んでいる自分があのころに戻った気持ちにもなり、まだある自分の中のきらめいているようなハートを見つけて、気分よくなった。Led Zeppelinがどうの、Sex PstolsがどうのというJack Black演じるにせ教師のセリフにニヤニヤしてしまう。そうなんだ、あのころ、Rockがなければ、まともじゃられなかったのかもしれないし、いまだって、いつだってそうさ。いやな事件がどこかで起こるたびに、いまだに、John Lennonはこの世界をどう歌うのだろうと思ってしまう。John Lennonは、おれは結局、Rock'n' Rollしかできないって言っていた。だから、Rockはガキの遊び、最高の遊びだといって、褒め称えてもいいのさ。劇中でJackは子どもたち、がきどもといっしょに歌っていた。
「いい点数取れたよ
亡霊みたくなって
お愛想笑い
そんなのはもういいさ
Rockし続けるってのは
大変なことだぜ
Rockをきわめるってのは
たいしたことだぜ」


夜、NHKBSで黒澤明監督の「夢」が放映されていた。見始めたら、止められなく、最後まで見てしまった。8つのストーリーのオムニバス形式。すべてのお話は黒澤監督の見た夢だというが、この映画、何度か見ているのだが、昔見た印象と違い、一話目の「日照り雨」と二話目の「桃畑」がいいなぁ。「日照り雨」は天気雨の日、狐の嫁入りを見た少年の話。見てはいけない神聖なものを見てしまった少年が虹のふもとの狐の国に謝りに行く。そこは花畑にかかる虹の向こう。二話目の「桃畑」に出てくる切り倒された桃畑に残った一本の小さな桃の木が愛おしい。三話目以降、物語は陰鬱になり、終末観すら漂わす。八話目の「水車のある村」でちょっと救われる感じ。笠智衆の演じる老人のセリフ「夜は暗いもんじゃ」になるほどと思い、「生きることはおもしろい」にそうかな(?)と思った。
最近、ローリング・ストーンズの映画を撮った監督、マーチン・スコセッシがビンセント・ヴァン・ゴッホ役で出ている。彼にはこうセリフがある。「こんな景色を前にして描かずにはいられない」とゴッホは言う。それはそうだ。描かずにはいられないだろうし、歌わずにはいられないことだっておこるさ。耳に包帯を巻いているゴッホに主人公は聞いてみる。「その包帯はどうしたんですか? 大丈夫ですか?」と。ゴッホは答える。「うまく描けないので耳を切り取ったのだ」と。史実の中のゴッホはその耳を娼婦である恋人に贈ったのだ。
話が映画からそれてしまった。「桃畑」にもどそう。映画とは夢でもある。そしてこの映画は「夢」。きみが見知らぬ女の子に魅かれたなら、その娘は失われた桃畑の桃の精なんだ。きっと、きみだけに舞を踊ってくれるでしょう。
おやすみ。


勤めている会社がeco nogeなどとキャッチ・フレーズまで作って、最近、環境問題に執心してる。昼休みに環境問題を取り上げた映画ということで上映会があり、「北極のナヌー」というドキュメンタリー映画を見た。北極で暮らすシロクマのドキュメンタリーなのだが、地球温暖化で氷が溶けて、生存の危機が迫りつつある。このまま行けば、2040年に北極の氷は溶けて水になる!
映画自体は北極の自然がダイナミックで美しく、お話がわざとらしいお涙頂戴ではなく、淡々と進んでいくところが、とても良かった。よくこんな寒いところで、こんな風に撮影できたものだとエンドロールを見ながら感心もした。
人間の活動がこれほどに他の生き物に多大な苦痛を与えているのだろうか? 善良な無欲な生き物たち、ぼくは、動物たちっていうのは、本当に「足ることを知る」心やさしき善良な知恵者だと思うのだが、例えば満腹のライオンはどんなに獲物が近くにいても狩りをしないではないか。その動物たちに与えている苦痛を思うならば、その罪の代償に、ぼくたちは、罰を受けるべきなのではないだろうか?
最近見つけた中上健次の言葉・・・
「弱いものこそ輝け!」
映画自体は北極の自然がダイナミックで美しく、お話がわざとらしいお涙頂戴ではなく、淡々と進んでいくところが、とても良かった。よくこんな寒いところで、こんな風に撮影できたものだとエンドロールを見ながら感心もした。
人間の活動がこれほどに他の生き物に多大な苦痛を与えているのだろうか? 善良な無欲な生き物たち、ぼくは、動物たちっていうのは、本当に「足ることを知る」心やさしき善良な知恵者だと思うのだが、例えば満腹のライオンはどんなに獲物が近くにいても狩りをしないではないか。その動物たちに与えている苦痛を思うならば、その罪の代償に、ぼくたちは、罰を受けるべきなのではないだろうか?
最近見つけた中上健次の言葉・・・
「弱いものこそ輝け!」


人生の中で、昔聴いた曲が耳のなかで聞こえて、頭の中で歌ってしまうことがある。これはどういうことなんだろう? 昔、日本テレビで「祭ばやしが聞こえる」というのを放映していて、視聴率はまったくふるわなかったらしいが、引き込まれて毎週見ていた。柳ジョージの歌ったそのテーマ曲をなぜか、最近思い出して、頭の中で歌ってしまう。東海林良の作詞、大野克夫の作曲だった。早すぎた日本のR&Bだったのか? 柳ジョージはこの歌の数年後、自身のバンドRainy Woodを率いて大ブレイクしていた。"Weepin' In The Rain"とか、日本語で歌った人だったが、徹底した洋楽への憧れが音と歌に出ていた。「「祭ばやしが聞こえる」のテーマ」。
「そこにおまえが BABY いるだけで あー
哀しみは 消えていく
幸福とは おまえのことさ Oh BABY
身体の傷も癒される
ひとりが似合う奴もいる
だけど俺には 似合わない
だからこの手で 抱きしめる Oh BABY
背中を吹き抜ける Oh BABY
この淋しさは 何だろう BABY
朝の陽ざしも BABY 両手かざして
心に影落とす
あれほど バラ色に輝いた Oh BABY
おまえの青春の日を 忘れたのか
明日が似合う奴もいる
だけど俺には 明日もない
故郷なんか どこにもない Oh BABY
あてもなく旅立つ BABY
きっと誰かに 逢えるさ BABY」
早すぎたロードムービーのような、説明のない外面描写が新鮮だったということもあるし、映像の美しさとあい余って、起伏の少ないストーリーが深くてかっこ良かった。
萩原健一演じる競輪選手が事故を起こして、山梨の温泉地にリハビリに来る、その淡々とした日常が描かれていた。いしだあゆみ演じる温泉宿の娘、内気で婚期を逃しつつある人との恋模様が描かれ、レースに復帰するが、また落車事故を起こし、今度は相手を再起不能にしてしまい、まったくレースに勝てないスランプになってしまう。生き方に迷い、自転車を下りて、温泉町の運送業でアルバイトをはじめたりする小さなエピソードの積み重ね。年老いた両親に代わって温泉宿を必死に切り盛りしていたいしだあゆみ演じる人が過労で倒れ、愛する人のため、守るべき人のため、自分にはやはりレースしかないんだと、競輪の世界に戻ろうとする決意をするのが最終回。
You Tubeにその最終回の意味深長なエンディングーロールがアップされていた。
http://www.youtube.com/watch?v=SqxpAa3ShD4
「そこにおまえが BABY いるだけで あー
哀しみは 消えていく
幸福とは おまえのことさ Oh BABY
身体の傷も癒される
ひとりが似合う奴もいる
だけど俺には 似合わない
だからこの手で 抱きしめる Oh BABY
背中を吹き抜ける Oh BABY
この淋しさは 何だろう BABY
朝の陽ざしも BABY 両手かざして
心に影落とす
あれほど バラ色に輝いた Oh BABY
おまえの青春の日を 忘れたのか
明日が似合う奴もいる
だけど俺には 明日もない
故郷なんか どこにもない Oh BABY
あてもなく旅立つ BABY
きっと誰かに 逢えるさ BABY」
早すぎたロードムービーのような、説明のない外面描写が新鮮だったということもあるし、映像の美しさとあい余って、起伏の少ないストーリーが深くてかっこ良かった。
萩原健一演じる競輪選手が事故を起こして、山梨の温泉地にリハビリに来る、その淡々とした日常が描かれていた。いしだあゆみ演じる温泉宿の娘、内気で婚期を逃しつつある人との恋模様が描かれ、レースに復帰するが、また落車事故を起こし、今度は相手を再起不能にしてしまい、まったくレースに勝てないスランプになってしまう。生き方に迷い、自転車を下りて、温泉町の運送業でアルバイトをはじめたりする小さなエピソードの積み重ね。年老いた両親に代わって温泉宿を必死に切り盛りしていたいしだあゆみ演じる人が過労で倒れ、愛する人のため、守るべき人のため、自分にはやはりレースしかないんだと、競輪の世界に戻ろうとする決意をするのが最終回。
You Tubeにその最終回の意味深長なエンディングーロールがアップされていた。
http://www.youtube.com/watch?v=SqxpAa3ShD4


フィンランドの今では巨匠、アキ・カウリスマキの映画を見に、早稲田松竹に行く。1本目に見たのは「コントラクト・キラー」。ある失業したロンドンで生活しているフランス人の男が殺し屋を雇うという物語。もう18年前の映画になってしまったのかぁ。この映画、大好きなのです。不思議なユーモアの中に、人生を生きていく上でとても大切なものかもしれない深い孤独感をにじませる。全編1950年代の獄中で夭折した黒人リズム・アンド・ブルーズ歌手、Little Willie Johnのムーディでブルーな歌が流れ、生前のJoe Strummerがパブで歌うシーンもかっこいい。
次に見た映画が「街のあかり」。ヘルシンキでの物語。2005年の作品。「コントラクト・キラー」にもあった根底のテーマ、孤独は更に深まり、隔絶なものとなった。
この映画監督、ずっと同じテーマで同じような映画を撮りつづけているのかもしれない。ある種のすぐれた天才的な芸術家にそういうタイプの人がいるものだ。この前、国立西洋美術館で展覧会の開催されていたノルウェーのムンクのような人。夏目漱石もその人生の晩年には同じテーマの不倫小説ばかり書いていたではないか。ぼくはそういう芸術家が好きです。螺旋を描きながら少しづつ高みを目指すみたいな。
早稲田松竹は昔の映画館みたいでかなり気にいりました。
次に見た映画が「街のあかり」。ヘルシンキでの物語。2005年の作品。「コントラクト・キラー」にもあった根底のテーマ、孤独は更に深まり、隔絶なものとなった。
この映画監督、ずっと同じテーマで同じような映画を撮りつづけているのかもしれない。ある種のすぐれた天才的な芸術家にそういうタイプの人がいるものだ。この前、国立西洋美術館で展覧会の開催されていたノルウェーのムンクのような人。夏目漱石もその人生の晩年には同じテーマの不倫小説ばかり書いていたではないか。ぼくはそういう芸術家が好きです。螺旋を描きながら少しづつ高みを目指すみたいな。
早稲田松竹は昔の映画館みたいでかなり気にいりました。


カレンダー


カテゴリー


最新コメント


最新記事
(03/12)
(03/09)
(03/09)
(03/08)
(03/06)
(03/06)
(03/04)


プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


ブログ内検索


最新トラックバック
