えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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ブルースやソウル・ミュージック、ロックン・ロールは悪夢を良い夢に変えるもので、映画はその良い夢を現実にするものかもしれない、とマーチン・スコセッシ監督の最新作「ヒューゴの不思議な発明」を見て思った。ということは、スコセッシ監督が、多分、大のロック・ミュージック好きであるらしいことから、そう思ったのです。近くはローリング・ストーンズのドキュメンタリを手がけているし、ザ・バンドのラスト・コンサートの映画「ラスト・ワルツ」の監督でもあるからだ。

そんなことで、ポップ・ミュージックと映画の関係を連想してしまう。アラン・パーカー監督の「コミットメンツ」やらジム・ジャームイッシュ監督の映画にはトム・ウェイツやイギー・ポップが出ていたし、スタンリー・キューブリック監督の「フルメタル・ジャケット」のラスト・シーンにはローリング・ストーンズの「ペイント・イット・ブラック」がまことに効果的に使われていた。オリバー・ストーン監督にはドアーズのジム・モリソンを主人公にした映画があるし、スパイク・ジョーンズ監督の原点はビョークなどのプロモーション・フィルムだ。数えあげればきりがありません。日本では青山真司監督や岩井俊二監督がロック好きであるだろう。

脱線から戻り、「ヒューゴの不思議な発明」は素敵な映画でした。ストーリーのばらしはやはりやめて、この映画は、人生についてさらりと触れて、ノスタルジックなファンタジーでもあるような映画で、映画による映画賛歌でもある、と思う。そして、映画を見終わったあと、原作の絵本「ユゴーの不思議な発明」も読んでみることもお薦めします。あくまでも、映画を見終わったあと、というのも、ぼくは映画を見るよりも前に原作を読んでしまい、話の展開を知ってしまっていたので、あの良い映画の与えてくれる、この先どうなるんだろう、というわくわくどきどき感が少なくなってしまったからなのです。それから、この原作本、モノクロの絵と詩を感じさせる散文が折り重なり、映画をしのぐほど素敵です。









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二年前に亡くなられた今野雄二さんがミュージック・マガジンで映画評を連載していたのだけど、その連載の中で絶賛していて見逃した映画を見た。新鋭のニール・ブラムカンプ監督の「第9地区」。

SFものなのだけど、舞台が南アフリカのヨハネスブルグで、設定が宇宙からやってきたエイリアンの宇宙船が難破し、地球で座礁していてて、そのエイリアンが難民化して、ある地域に閉じ込められ、虐げられているというもの。と同時にハードなアクション映画でもあり、もう一つのテーマとして、異文化をどうやって受け入れるか、それは可能なのか、というようなこと。

南アフリカ的な状況を描いた映画でもある、とこの映画を撮影した監督自身が言っていた。ふと、パレスチナとかイスラエルとか呼ばれている地域のことを思ってしまった。もちろん、日本の中にも様々な異質がひしめきあっているのではなかろうか。こんな映画を作れてしまう南アフリカ共和国はアパルトヘイトを乗り越えた歴史を持ち、だから、ますます素敵な国になっていって欲しいし、そうなるだろう。あまっちょろいことって言われるかもしれないけれど、みんな、仲良くした方が良いよ。

ぼくも宇宙人とかってよく呼ばれたりするのだけど、宇宙人、万歳。


「第9地区」のホームページ
http://d-9.gaga.ne.jp/
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予告どおり「ALWAYS 三丁目の夕日'64」を見に行きました。予告って何だ? まぁ、いいです。舞台は1964年の東京の東京タワーが間近に見える町。1964年って確かに東京オリンピックの年で、いろんな意味で日本の分岐点だったのかもしれない。これ以上、時代が今に近づくと、映画としての「三丁目の夕日」は成立しずらいのかもしれない、とも思った。なぜだろう? この年以降、日本人は身近なコミュニティーを失いつづけていっている気もする。茶川家に生まれた赤ん坊が、まるで自分であるような気がし、戻せない時と風景を感じ、ラストのシーンは切なくブルーにもなりました。感動しました。

3Dで見たのだけど、3Dというより、懐かしの飛び出す映画という感じ。これはいい意味なんです。あぁ、ノスタルジー。


「ALWAYS 三丁目の夕日'64」のページ
http://www.always3.jp/
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西岸良平の漫画「三丁目の夕日」が好きである。コンビニとかで売っていると、よく買って読んでしまう。その漫画の映画となった山崎貴監督の「ALWAYS 三丁目の夕日」は劇場で数年前、見た。近々、その最新作の映画「ALWAYS 三丁目の夕日 '64」が公開されるというので、ふと旧作の「ALWAYS 三丁目の夕日」を見たい、と思い、つたやに行ってみると、「ALWAYS 三丁目の夕日」の続編「ALWAYS 続・三丁目の夕日」が作られていたのを知って、見たのです。CGと緻密なセットで再現された1960年代の風景のディテイルに目が行ってしまう。そして、これもいい話。

あぁ、やはりノスタルジーとは未来のための夢のようなのだ。

「ALWAYS 三丁目の夕日 '64」も楽しみです。


「ALWAYS 続・三丁目の夕日」のページ
http://2.always3.jp/07/
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劇場で見たいと思いつつ見損なって、数年後にレンタルビデオやらDVDで見るというようなことは、あることだと思うのだが、ヒット作を遅れて見ました。それは三谷幸喜監督の「ザ・マジックアワー」。古き横浜らしきところをモデルにした架空の街を舞台にした2時間以上ものコメディーなのだった。

昔、横浜に勤めていたのだけど、やはり横浜って独特の雰囲気があって、横浜の人って、みんな、横浜が好きらしいことを思い出したりもした。

この映画、ドラマがテンポよく進み、セリフがウィットとユーモアに富んでいておもしろく、あきさせない。それから、絵が昔のカラーになったばかりのころの映画みたいでノスタルジックなんです。そして、今の時代、ノスタルジックがもっともラジカルであるような気もするのだった。どうしてだろうか? ノスタルジーはマジックアワーで、日没後の薄明の一日のうちの最も美しい時間帯のようなことかもしれない。
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映画館で見たいと思っていて見損なった映画をつたやでDVDを借りて見ました。「ドアーズ/まぼろしの世界」という邦題のついた映画はオリジナルの題は"When You're Strange"といい、米国の今でも人気のロックバンド、DOORSの1965年ごろから1970年までの活動時期を追いかけたドキュメンタリなのだった。

ドアーズといえば、詩人でもあるボーカリスト、ジム・モリソンのイメージが強いけれど、たくさんのポップなシングル・ヒット曲はギタリストのロビー・クリガーが書いている。最大のヒット曲"Light My Fire"もそうなのだけど、その始まりは、ジム・モリソンの作ったオリジナルを演奏するバンドのそのメンバーにジムがみんなも曲を書いてくるように促したことからだそうだ。そんな話がこの映画にはたくさんでてきて、例えば、ドアーズの作詞作曲のクレジット名には個人名ではなく、DOORSとクレジットされているのだけど、それはジム・モリソンが言い出したことだそうだ。車のコマーシャルソングに曲を提供する話にジム・モリソンが激怒した話だとか、そんなぼくの知らない話がジョニー・デップのナレーションで進み、ドアーズの音楽と映像があふれる。

スターになってからのジムは酒浸りだったそうだ。そしてステージで暴れまくっていた。神のように怒り泣き叫びながら。本編とは別のおまけの映像にジムのお父さんや妹さんのインタビューが付いていた。ジムのお父さんは、懐かしそうに楽しそうにこんなことを言っていた。
「本好きの子どもでしたよ。高校の卒業祝いに何か欲しいかって聞いて、ニーチェ全集が欲しいって言うんですよ。他の子たちは車だとかそんなことを言うのに、ニーチェ全集ですよ」
ニーチェかぁ、モリソンらしいなぁ。ニーチェの著作に酒の神バッコス、またの名をディオニソスというその神を礼賛した文があったと思う。

ジム・モリソンが歌ったドアーズ名義の最後のアルバムは"L. A. Woman"でその録音の後、ジムはパリに行き、バスタブの中で客死するのだった。死の直前にジムはドアーズのメンバーに電話をかけてきたという。次のアルバムを作りにアメリカに戻ると電話したジムはアメリカに霊となり戻ったのだろうか。ぼくは"L. A. Woman"のつづきのジムの歌とドアーズの演奏を聴いてみたいのだけど、それは夢の向こうにとっておこう。死ぬまで死ぬほど好きなように生きたジム。"L. A. Woman"の中の美しいバラード"Hyacinth House"を訳してお休みなさいZZZzzz.....

ヒアシンスの家で彼らは何をしている?
ヒアシンスの家で彼らは何をしている?
彼らはライオンをいじめている、この日

おれには真新しい友だちが必要だ、おれを悩ませることのない
おれには真新しい友だちが必要だ、おれを悩ませることのない
おれを必要としない特別な誰かが必要だ

バスルームがきれいなのはわかっている
誰かがそばにいると思う
たしかに誰かがおれについてきてくれる

どうしてハートのジャックを捨ててしまったんだい
どうしてハートのジャックを捨ててしまったんだい
それはおれがデッキに残しておいた最後のカードだった

おれには真新しい友だちが必要だってもう一度言う
おれには真新しい友だちが必要だってもう一度言う
おれには真新しい友だちが必要だってもう一度言う、おしまいの友だちが必要なのさ







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新藤兼人監督が齢九十九歳にして、この映画を自分の撮る最後の映画にしようと決意して製作した、そんな映画「一枚のハガキ」を見た。戦争をテーマにしながら、どのような戦争をテーマにした映画とも違うこのような映画は、新藤監督にしか撮れないだろうと思わせ、映画「一枚のハガキ」ぼくに衝撃と感動を与えてくれました。急展開する終盤の物語と映像という絵は、まさしく新藤兼人監督の新藤兼人的世界を最も美しい形で昇華するようでした。新藤監督のこの映画についてのコメントです。

「この作品のテーマは「戦争反対」です。何故戦争のようなバカバカしいことをやるのだと。私が体験したことを脚色し、監督をしました」

そして、プレミアム試写会のお見えになった天皇陛下とこんなやりとりがあった、という。

上映後、新藤監督が「天皇陛下、ありがとうございました!」と力強く感謝の意を述べると、天皇陛下は「最後に救いがあるのがいいですね」とおっしゃり、新藤監督は「新しい日本に生まれ変わりました!」と答え、握手をかわしました。映画のワンシーンのように感動的な光景に、会場からは惜しみない拍手が起こり、ご退場後もしばらく鳴りやみませんでした。

ストーリーはふせておきます。興味を持ったならば、この映画を見てみてください。

「一枚のハガキ」のホームページ
http://www.ichimai-no-hagaki.jp/
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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