えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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ヴィム・ヴェンダース監督の最新作「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」を見た。この映画を見て、ピナ・バウシュという偉大な舞踏家がドイツにいたことを知った。彼女の死後、ピナの主催する舞踏集団、ヴッパタール舞踏団の団員たちが、ピナ・バウシュの思い出を語り、彼ら、彼女らの自由を歌うような、エモーショナルな、そして、圧倒的なダンスが3D映像で飛び出してくる。そのダンスとは、もしかしてクラシック・バレイから出発しているのかもしれないけれど、クラシックバレーの枠を越え、奔放に自由で、むしり日本の大野一雄の舞踏を思い出させもする。映画の中で、団員の一人が、ピナも死んで、大野一雄も死んでしまった、と語っていた。同時代を併走するものとして、ピナと大野一雄は影響を与えあったのだろうか。やはり、そんな彼らの舞踏を生で見てみたい、と思った。そして、映画については、ヴェンダースの映像だけれど、やっぱ、なんかかっこいいんだよ。久しぶりに見たヴェンダースの映画にうれしくなってしまった。
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今年のアカデミー賞が全編モノクロのサイレント映画だという。ノスタルジックなものの好きなぼくは見に行ってしまった。その映画ミシェル・アザナヴィシウス監督の「アーティスト」の題名の意味は映画の途中であかされるのだけど、この前に見た「ヒューゴの不思議な発明」と同じく、この「アーティスト」も自己言及的なテーマで、それは、映画による映画についての映画なのであることを考えると、もしかして、映画という芸術表現は終焉を迎えつつあるのかもしれない、と思った。それんついては、こういうことです。例えば、ジャズという音楽表現を思い出し、1970年代にアート・オブ・アンサンブル・オブ・シカゴがジャズによるジャズについての、総括をするような音を奏でていたことを連想したからでもある。いいや、そういことでもないのかな、と考えなおすのは、フェリーニ監督の「8 1/2」もフランソワ・トリフォーの「アメリカの夜」も映画による映画の映画ではないか。そして、この「アーティスト」という映画を見すすめてていくと、この映画が古いサイレント、モノクロ映画の焼き直しではなくて、むしろ、アバンギャルドな実験的な映画でもるような気がしてきた。あっ、初めの方に出てくるシーンは、明らかにフリッツ・ラングへのオマージュだ。けれども、この映画のシンプルでスウィートな物語はとても素敵だ。映画は時代を映す鏡のようなものでもあって、世界の未明はノスタルジーによって明けるのかもしれません。ビューティフルなラスト・シーンに乾杯。おやすみZZZzzz.....
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見そこねていた映画をDVDで借りて見た。クリント・イーストウッド監督の「インビクタス‐負けざる者たち‐」です。アパルトヘイト廃止後の初代大統領となったネルソン・マンデーラのラグビー・ワールド・カップにかける実話のエピソードを通して、南アフリカの未来、それは、ぼくたちの希望でもあるような何かでもあるのだが、そのような何かを見通す感動の物語でした。やはり、ネルソン・マンデーラって、偉大な人なのです。あと、マット・デーモン演じるタグビー選手、フランソワ・ピナールも讃えたい。ぼくが、ある歌で、ガンジーが行進しているよ、キング牧師も行進しているよ、ネルソン・マンデーラも行進しているよ、と歌ったのは、きっと正しかったのだ、と思う。
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アイルランドのダブリンの街にはソウル・ミュージックがよく合うなぁ。アラン・パーカー監督の「ザ・コミットメンツ」をつたやで借りて見たのです。

ダブリンって、こんな大都市だったのか、とも思った。アラン・パーカーは出演者を探すためにダブリンのライブ・ハウスをくまなく見て回ったそうです。ダブリンでは一晩で三千ものバンドがどこかのライブ・ハウスで演奏しているそうだが、本当だろうか? その中で選ばれたミュージシャンがオーディションをし、またその中で選ばれた人たち、演技者としては素人の人たちが演技しているのだけど、ライブのシーンは、すべて生演奏なのだそうだ。その演奏がかっこいい。

こんな印象的なセリフもある。

「アイルランド人はヨーロッパの黒人なんだよ。だからおれたちにはソウル・ミュージックができる。おれは黒人だ、おれはそれを誇っているって言える」

初めの方に出てくるあるシーンで、ぼくは、アラン・パーカーは映画監督ではなくて、バンドのマネージャーになりたかったのかな、と思った。

見た後、ぼくの昔を思い出し、明日の夢を見ました。そして、無性にオーティス・レディングが聴きたくなったのです。
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ブルースやソウル・ミュージック、ロックン・ロールは悪夢を良い夢に変えるもので、映画はその良い夢を現実にするものかもしれない、とマーチン・スコセッシ監督の最新作「ヒューゴの不思議な発明」を見て思った。ということは、スコセッシ監督が、多分、大のロック・ミュージック好きであるらしいことから、そう思ったのです。近くはローリング・ストーンズのドキュメンタリを手がけているし、ザ・バンドのラスト・コンサートの映画「ラスト・ワルツ」の監督でもあるからだ。

そんなことで、ポップ・ミュージックと映画の関係を連想してしまう。アラン・パーカー監督の「コミットメンツ」やらジム・ジャームイッシュ監督の映画にはトム・ウェイツやイギー・ポップが出ていたし、スタンリー・キューブリック監督の「フルメタル・ジャケット」のラスト・シーンにはローリング・ストーンズの「ペイント・イット・ブラック」がまことに効果的に使われていた。オリバー・ストーン監督にはドアーズのジム・モリソンを主人公にした映画があるし、スパイク・ジョーンズ監督の原点はビョークなどのプロモーション・フィルムだ。数えあげればきりがありません。日本では青山真司監督や岩井俊二監督がロック好きであるだろう。

脱線から戻り、「ヒューゴの不思議な発明」は素敵な映画でした。ストーリーのばらしはやはりやめて、この映画は、人生についてさらりと触れて、ノスタルジックなファンタジーでもあるような映画で、映画による映画賛歌でもある、と思う。そして、映画を見終わったあと、原作の絵本「ユゴーの不思議な発明」も読んでみることもお薦めします。あくまでも、映画を見終わったあと、というのも、ぼくは映画を見るよりも前に原作を読んでしまい、話の展開を知ってしまっていたので、あの良い映画の与えてくれる、この先どうなるんだろう、というわくわくどきどき感が少なくなってしまったからなのです。それから、この原作本、モノクロの絵と詩を感じさせる散文が折り重なり、映画をしのぐほど素敵です。









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二年前に亡くなられた今野雄二さんがミュージック・マガジンで映画評を連載していたのだけど、その連載の中で絶賛していて見逃した映画を見た。新鋭のニール・ブラムカンプ監督の「第9地区」。

SFものなのだけど、舞台が南アフリカのヨハネスブルグで、設定が宇宙からやってきたエイリアンの宇宙船が難破し、地球で座礁していてて、そのエイリアンが難民化して、ある地域に閉じ込められ、虐げられているというもの。と同時にハードなアクション映画でもあり、もう一つのテーマとして、異文化をどうやって受け入れるか、それは可能なのか、というようなこと。

南アフリカ的な状況を描いた映画でもある、とこの映画を撮影した監督自身が言っていた。ふと、パレスチナとかイスラエルとか呼ばれている地域のことを思ってしまった。もちろん、日本の中にも様々な異質がひしめきあっているのではなかろうか。こんな映画を作れてしまう南アフリカ共和国はアパルトヘイトを乗り越えた歴史を持ち、だから、ますます素敵な国になっていって欲しいし、そうなるだろう。あまっちょろいことって言われるかもしれないけれど、みんな、仲良くした方が良いよ。

ぼくも宇宙人とかってよく呼ばれたりするのだけど、宇宙人、万歳。


「第9地区」のホームページ
http://d-9.gaga.ne.jp/
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予告どおり「ALWAYS 三丁目の夕日'64」を見に行きました。予告って何だ? まぁ、いいです。舞台は1964年の東京の東京タワーが間近に見える町。1964年って確かに東京オリンピックの年で、いろんな意味で日本の分岐点だったのかもしれない。これ以上、時代が今に近づくと、映画としての「三丁目の夕日」は成立しずらいのかもしれない、とも思った。なぜだろう? この年以降、日本人は身近なコミュニティーを失いつづけていっている気もする。茶川家に生まれた赤ん坊が、まるで自分であるような気がし、戻せない時と風景を感じ、ラストのシーンは切なくブルーにもなりました。感動しました。

3Dで見たのだけど、3Dというより、懐かしの飛び出す映画という感じ。これはいい意味なんです。あぁ、ノスタルジー。


「ALWAYS 三丁目の夕日'64」のページ
http://www.always3.jp/
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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