えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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会社帰りに映画館に立ち寄り、クリント・イーストウッド監督の「アメリカン・スナイパー」を見ました。映画を見終えたその後からふといろんなシーンが思い出され、胸にひっかかってくるのは、この映画が単純な勧善懲悪の話になっていないからだと思います。なんともすっきりしない感じが残るのはこの映画が抱えるテーマの重さと、それが複眼的に表出されているからでしょうか。なんなのだろうと、思いをめぐらし、何かを考えてしまう。

しかし、砂漠の都市での市街戦のシーンはすさまじい限りです。民間や敵味方の兵士の死者たち、負傷者たち、戦地を離れPTSDに悩まされる兵士たち。

嘘ばかりついている今の日本の総理大臣は日本人や日本の自衛隊をこのようなところに送り出そうとしているらしいのですが、本当に真剣に考え抜いているのでしょうかは、やはりとても疑わしい。

さて、映画に戻ると、無声のエンドロールは死者たちへの追悼を含む言葉にはできない複雑で矛盾した心からのメッセージだと思いました。その言葉にできないメッセージにぼくは共感するものです。

http://wwws.warnerbros.co.jp/americansniper/
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会社帰りに100円ショップに寄ってみると、100円で映画のDVDが売っていて、その中にジョージ・スティーヴンス監督の古典のような西部劇「シェーン」があったので、買って見てしまった。

シェーンを演じるアラン・ラッドの抑えた名演技と勧善懲悪が美しいです。

それから、アメリカの西部ってこんな所だったのだろうか。泥だらけの広いあぜ道に掘立小屋のよろず屋兼バーがあって、男たちは立ってコーン・ウィスキーを飲んでいる。外では痩せた草原に砂ぼこりが舞っている。そんなところで、孤独な男が悪いやつらをやっつける。

あこがれますなぁ。ぼくもそんな主人公になって、悪いやつらをやっつけて、この町から出ていき、二度と戻らない、そんなことも想像してしまった。はっはっは、ばかだね。もう、この町には銃は必要ないとか、言い残して、そして、子どもと犬に別れを告げ、'Fine'となるのです。

めでたし、めでたしで、おやすみZZZzzz.....
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川崎のチネチッタでウベルト・パゾリーニ監督の「おみおくりの作法」を見る。なんとも、静かでさびしい映画なんだけれども、このラストは、ぼくは美しいと思った。アキ・カウリスマキ監督の大好きな映画「コントラクト・キラー」を思い出しもした。ちょっとだけ似たシーンや展開もあった。いつまでも心に引っ掛かりつづける小さなお話です。

http://bitters.co.jp/omiokuri/
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会社帰りに新宿のミニ・シアター、ケーズシネマに寄りヴィンセント・ムーン監督の「花々の過失」を見る。

映画の前に少し時間があり、昭和二十四年からの老舗のバー「どん底」に行ってみた。ここに三島由紀夫も来ていたのかと思うと、その古い昭和というより終戦直後といった店のの雰囲気もあり、ちょっとわくわくしてしまった。ぼくは、ぼくが三島由紀夫のミーハー的なファンであるらしいことを発見した。お金のある時にもう一度、来てみたい。

カクテルやバーボンちょっと酔っぱらって、映画「花々の過失」を見ていた。この「花々の過失」はヴィンセント・ムーンというフランスの新進気鋭の映像作家、ドキュメンタリー映画監督が日本のシンガー、友川カズキをとらまえたもので、デンマークのコペンハーゲン国際ドキュメンタリー映画祭2009にて「音と映像」部門最優秀賞を受賞している。

映画の上映後、映画の中で歌を歌い、歌を絶叫し、競輪を打ってもいた友川さんのドキュメンタリー作家、ドキュメタリー映画監督の森達也さんとの対談があり、この映画について、ヨーロッパのスピード感のあるスタイリッシュな映像美が後退し、日本のなにわぶしみたいになっていて、ラッシュの後、ヴィンセント・ムーンに編集しなおせと抗議したそうなのだけど、編集しなおされることはなかったという。それでも、ぼくはもう十分過ぎておもしろかったし、かっこよかった。

対談の時、友川カズキさんはしきりに森達也さんがオーム真理教を撮った映画「A」と「A2」を衝撃を持って受けとめた、としきりに褒めていた。友川さんは、森さんの最近の新聞のコラムの言葉、今の日本は右傾化というより集団化しているとという言葉に共感し、そんな日本が気持ち悪い、と言っていた。

対談の後、4曲ほど友川さんの弾き語りが聴けた。ど迫力に小さなシアターに満席になった客席が演奏後、一瞬、静まりかえる。

会場のチケット売り場の小さなホールでは最新の本「友川カズキ 独白禄 生きてるって言ってみろ」と最新アルバム「復讐バーボン」、上映された映画のDVD「花々の過失」が売られていて、ぼくは「友川カズキ 独白禄 生きてるって言ってみろ」を買い、サインをしてもらい、握手をしてもらった。その握手はかたく、力強かった。

友川カズキさん、今度、また、ライブを聴きにいきます。

ここで紹介しているムービーは「花々の過失」のオフィシャルに公開されているアウトテークです。

https://vimeo.com/7161029
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渋谷のパルコPart3の8階にあるシネクイントにジョン・カーニー監督の「はじまりのうた」を見に行く。すばらしかったです。

ギターとか弾いたりして、プロにしろアマチュアにしろ、この映画を音楽をやる人が見たら、そうそう、そうなんだよと、うなずき拍手したくなるのではないかしら。全編、ニューヨークのロケなんだけど、ライブ・ハウスでのオープン・マイクでのシーンでは、土曜とか日曜に、ぼくがふらふらしている地元のライブ・バーなぞを思う浮かべてしまいもしました。冒頭のこんなセリフからして引き込まれます。マーク・ラファロ演じるアル中の落ち目の音楽プロデューサー、ダンが、キーラ・ナイトレイ演じるライブ・バーで磨く前のダイヤモンド原石のようなフォーク歌手、グレタの唄を聴き、声をかけます。

「いい歌、歌うじゃないか。おれはこういうもので、契約しないか? その男の子みたいなかっこはやめて、かわいらしい服着て、歌、歌えばスターになれるぜ」
「歌と服装は関係ないわ。あんたに服のことなんか指図されるつもりはないし、歌と服なんて、関係ない。わたしは歌を歌いたいだけなの」
「歌を歌いたいだけ? で、例えばどんな歌手が好きなんだ?」
「ディラン」
「ディラン? あいつこそ、かっこ重視で、10年ごとに飽きられないようにファッションを変えているぜ」
「ランディー・ニューマン」
「ランディー・ニューマンか、確かにあいつはいい」

いきなり、音楽好きのぼくのつぼにきました。

それから、マルーン5のボーカリスト、アダム・レヴィーンも出ていますね。かっこいいですが、よれた不良中年役を演じきったマーク・ラファロにはかないません。そして、ぱっぱり、キーラ・ナイトレイ、きれいでかわいかった。

近頃、見た映画の中では「アバウト・タイム」をも超える大好きな映画、とても、とてもよかった映画です。

映画を見ていると、誰かのこんな声が聞こえてくるようでした。

歌いたい歌を歌おうぜ。バンド、やろうぜ。

http://hajimarinouta.com
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会社帰りに有楽町の映画館に寄り、馬志翔監督の台湾映画「KANO 1931海の向こうの甲子園」を見た。

台湾が中華民国ではなく日本であったころの1931年の甲子園に出場し準優勝までした本当に実在した嘉義農林学校の野球部を主人公にした物語でした。これは日本の映画ではなく、台湾の映画で、日本統治下の台湾を美しいノスタルジーとして描いていて、台湾で大ヒットした映画だそうなのだ。

というと、ぼくは少しだけ歴史を紐解きたくなり、1895年から1945年までの間、台湾は確かに日本であった。植民地支配の功罪という言葉はよく使われ、その当時の台湾の治水事業に多大に貢献した八田與一という人物はいまだに台湾で尊敬されているらしいのだけれど、それはこの映画にも登場していた。そして、1945年に日本は敗戦し、毛沢東の共産党の軍隊に負けた蒋介石の国民党が台湾にやってきて、比較的に不正の少なかった日本の統治に比べ、その彼らの悪政に台湾の人々は立ち上げり抗議をし、内戦のような状況になり、多くの人が死んでいった。そこらへんのことは、機会があれば、侯孝賢監督の名作「悲情城市」を見てください。まぁ、映画を見る前に、このぐらいを知っておいた方が、楽しめると思い、おせっかいにも書いてしまった次第です。

歴史とか人の人生とか心とか、そういうもろもろのことって、黒か白かじゃなくって、無限のグラディエーションをもつ灰色というか、解き明かせない虹のような色のものだと思うのだけど、どうかしら?

さて、少しねたばれ的に映画に話をもどると、これは政治とか歴史の話ではなく、アジアに根付いた野球の話で、球を追いかけるその時は、理屈とかではなく、人種とか民族とか国とか地域とか関係なくなりながら、自分がやってきたどこかを深く思ってしまう。そして、海の向こうに帰っていこうとするそこは、中国という国でもなく日本という国でもない、国名すらも忘れられているかもしれない台湾という島が立ち現れくるような気がしたのです。ぼくはそこにむしろ未来を見てしまいます。

あと、日本人の野球監督を演じた永瀬正敏さんが、なかなか良かったのですよ。

http://kano1931.com
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ウィル・グラック監督のミュージカル・映画「アニー」を見に、新百合ヶ丘の映画館、イオンシネマ新百合ヶ丘に行った。楽しい、いい映画でした。となりにすわっていた高校生の女の子は、ラストのハッピー・エンドにうれし涙の号泣をしていたし。

何か、ぼくの大好きなミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」を思い出したりした。「サウンド・オブ・ミュージック」での堅物のクリストファー・プラマー演じるゲオルク大佐が、「アニー」でのジェイミー・フォックス演じる誰にも心を開かない衛生恐怖症か何のような大富豪の社長で、「サウンド・オブ・ミュージック」での赴任し来た家庭教師のジュリー・アンドリュースの演じるマリアが、「アニー」でのクワベンジャネ・ウォレス演じるアニー、「サウンド・オブ・ミュージック」でのゲオルク大佐に抑圧されている子どもたちが、「アニー」での資本主義で本当は人生で何が大切なのかわからなくなっている大人たち、そんなことを映画を見た帰りの電車の中で考えてしまった。

「アニー」での大富豪の社長を演じるジェイミー・フォックスもおもしろくてよいのだけど、この映画の魅力はアニーを演じるクワベンジャネ・ウォレスのまぶしい歌と演技につきるでしょう。本当にかわいい、いい子なんだわ。そして、もう一人、この映画には特別な主役がいて、それはニューヨークの街そのものが本当の主役なのかもしれない。映画の大きな画面とサラウンドの音につつまれれて、今のニューヨークに行けてしまえるような感じ。だから、ニューヨークに行きたくなってしまいます。

映画は今の社会を移す鏡のようなものでもあると思えるのだけど、「アニー」の冒頭のシーンが第二次世界大戦前のフランクリン・ルーズベルト大統領の「ニューディール政策」を称揚する大胆なミュージカル・シーンで、今のアメリカ合衆国の社会の空気はこうなっているのかな、などと想像した。

映画のエンドロールを見ていると、プロデューサのウィル・スミスの名があった。DJ・ジャジー・ジェフ&ザ・フレッシュ・プリンスのラッパー、フレッシュ・プリンスがウィル・スミスという役者となり、今はプロデューサです。出世したなぁ。

家族で楽しめるミュージカル映画の傑作として、ジュディ・ガーランドの「オズの魔法使い」、ジュリー・アンドリュースの「サウンド・オブ・ミュージック」に続き、クワベンジャネ・ウォレスの「アニー」が付け加わりました。

もう一つ余談で、アニーの飼い始める犬がしっぽがくるくる巻いている日本犬でかわいいです。

http://www.annie-movie.jp
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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