えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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中学生になったころ、アメリカやイギリスのロックという音楽に目覚めて、ロックのミニコミ誌みたいな雑誌"Rockin' On"の編集長をしたり、レコードのライナー・ノーツを書いていた渋谷陽一さんのNHKFMの番組「ヤング・ジョッキー」を聴き始めた。

夜の10時ぐらいからのラジオ番組でぼくの初めて知るロック・ミュージックを渋谷さんは聞かしてくれたのだけど、そこで初めて聞いたJanis Joplinというシンガーの"Summer Time"という曲とそのしゃがれた歌声が、あまりに強烈で、これは何だと思い、"Cheap Thrills"というレコードを近所のレコード屋さんで見つけて買い、毎日、聴いていた。同じそのころ、古本屋で「ジャニス ブルースに死す」という本も見つけて、買い、何度もその本を繰り返し読みながら、"Cheap Thrills"を聴いていた。

彼女がデビューしたかのような"Monterey Pop Festival"の映画もどこかの自主上映会で、そのころ見た。今日のロック・フェスティバルの源流といわれるそこでJanis Joplinを見たPaul McCartneyは、なんだあのものすげー、ビッグ・ファット・ママは、と称賛したそう。

あー、そのころからロックはとびきり自由なぼくの友だちで、ブルースは泣いているぼくをなぐさめてくれる、ぼくの本当にやさしい友だちで、Janis Joplinは、こんな世界に幻滅してしまうぼくに、とても面白いいたずらをして笑わせてくれる永遠の二十七歳のぼくの恋人なのかもしれません。

毎年、暑い夏が来ると、Janisの"Summer Time"を聞きたくなります。







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小学校の五年生の頃から、夜にテレビで映画を見るのが好きになって、それで見た映画「イージー・ライダー」の中で、The Jimi Hendrix Experienceの音楽も使われていて、その使われた曲"If 6 Was 9"が入っているアルバム"Axis: Bold As Love"をティーンエイジャーになったぼくは、いつも学校から帰ると何度も聴いていたのだった。

あー、「イージー・ライダー」のデニス・ホッパー、かっこよかたな。あのころは、年齢による視聴制限とかも緩くて、アメリカン・ニュー・シネマなどとも呼ばれていた、やばい映画を子どもの分際で夜のテレビでいっぱい見たのを思い出す。「俺たちに明日はない」とか「真夜中のカーボーイ」、「明日に向って撃て!」。どの映画も衝撃的に刺激的で、アウトロウの主人公が、みんな、死んでいくとこがいい、などと明くる朝、友だちと学校で話していた。

そんな時代の空気をめいっぱいつめこんだこの"Axis: Bold As Love"の中の"Little Wing"は、あの時代の映画の中のあっなく死んでいくアンチヒーローへのお別れの歌にも聞こえてしまう。あっけなく旅立つJimi Hendrix自らの追悼の歌のようでもあり、天使に手を引かれて空の向こうに昇っていく、過ぎてしまった時代遅れのアウトロウの姿が今でも見えるかのようだよ。










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邦題で「ジョンの魂」とされていたこのアルバムの出会いはぼくが中学生だったころで、ティーンエイジャーだったあのころ、毎日、聴いていました。

生々しい詞と音楽、そのたった3人でのバンド演奏、ジョン・レノンのボーカル、ギター、ピアノ、オルガン、クラウス・フォアマンのベース、リンゴ・スターのドラムスが衝撃でした。一曲づつビリー・プレストンとフィル・スペクターがピアノで参加していて、 なんと、オノ・ヨーコは空気担当。

このアルバム直後のジョン・レノンのインタビューを掲載した、後に「回想するジョン・レノン―ジョン・レノンの告白」、「レノン・リメンバーズ」として改版される片岡義男さんの訳した「ビートルズ革命―ジョン・レノンの告白」をむさぼるようにして読み、毎日、毎日、「ジョンの魂」を聴き、感動に打ちのめされていました。










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1968年にリリースされたThe Rolling Stonesの"Beggars Banquet"は、ぼくのもっともよく聞いたStonesの色褪せない名作です。

"Sympathy for the Devil"での悪魔への共感に始まり、"Salt of the Earth"の労働者階級への賛歌でフィナーレを迎える乞食たちの祝宴なのです。間に散りばめられたカントリー・ブルーズやカントリー・ゴスペルも素晴らしい。"Street Fighting Man"はベトナム反戦運動の熱い夏を助長するとして、少なからぬラジオ局で放送禁止となりました。

昔、NHKFMでの渋谷陽一か坂本龍一のロックの番組に出た村上龍が、フランスの五月革命、ナンテールやソルボンヌでの学生運動やゼネストでのデモにMick Jaggerが先頭で参加している写真を音楽雑誌で見つけて、自分たちも高校をバリケード封鎖したと話していたのを思い出す。中上健次との対談でもそのことは語られて、龍さんは、自分たちは謹慎処分となり、明けたころは1970年で何にもなくなっていたと言っていた。ぼくが「ロック」の「ロ」の字も知らない子どもだったころ、にいちゃんたちはみんな、長髪だったな。

さて、"Beggars Banquet"に戻り、この祝宴はBrian Jonesへのお別れの晩餐会になってしまう。ここで聴くことのできる"No Expectations"のBrianのあまりに美しいスライド・ギター、"Jig-Saw Puzzle"のあまりにかっこいいスライド・ギターにぼくは泣いてしまうのです。









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Jim Morrison在籍のDoorsのスタジオアルバムを発売日順に並べてみるのです。"The Doors"、"Strange Days"、 "Waiting for the Sun"、 "The Soft Parade"、 "Hard Rock Cafe - Morrison Hotel"、 "L.A. Woman"。なんという見事な句点の打ち方なのだろう。

Jim Morrison、27才でDoorsでの音楽活動は5年間、1971年のある夏の日にフランスのパリで客死。

けれども、やはり、その句点の次の文章をぼくは読みたかった、と思い、その後のJim Morrisonを空想してしまう。多分、彼はもの静かな詩人になり、何冊もの本を出版し、愛妻、Pamela Coursonと世界中をいつも旅をしていて、日本の京都は彼のお気に入りで、どこにも属さない異邦の目で詩をつづっている。Doorsのメンバーと本当に稀にレコーディングして、2枚のブルースアルバムを出している。

などと想像していると、"L.A. Woman"の句点は永遠の問いかけをする読点のように思えてきたよ。








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巷で流行っているのかもしれないぼくの(わたしの)十枚をぼくもやってみます。一枚目はDoorsの"Strange Days"。あのころは、フランシス・フォード・コッポラ監督の「地獄の黙示録が公開されて、Doorsのリバイバル・ブームでした。そういえば、芥川賞を取った村上龍の「限りなく透明に近いブルー」にDoorsのこのアルバムのラストを飾る曲" When The Music's Over"の歌詞が訳され引用されています。高校生のころ読んだ「限りなく透明に近いブルー」にこんな文章も出てきます。なぜか、今でも覚えている。

「いつか君にも黒い鳥が見えるさ、まだ見てないんだろう、君は、黒い鳥を見れるよ、そういう目をしてる、俺と同じさ、そう言って僕の手を握った」

詩のような小説だった。中上健次や大江健三郎、丸山健二の小説が好きだったな。明るくもなく、楽しくもないティーンエイジャーの日々でよかったとも思う。







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おはよー、春が終わり夏がまだ来ない今の季節にぴったりなこんなの聴いています。Eric Dolphyの"Last Date"。このアルバムのラストに入っているエリックの言葉もなんだかとても素敵なのです。

"When you hear music, after it's over, it's gone in the air. You can never capture it again."

自分なりに意訳してみます。

「音楽を聴いた時には、それはもう終わっていて、からっぽな空気に中に溶け、空に消えていき、もう二度とそれをつかまえることはできない」








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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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