えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ
藤原新也さんの新しい文庫本「黄泉(よみ)の犬」を一気に読み終えてしまった。一気に読み終えてしまえるほど、この本はおもしろかった。オーム真理教、麻原彰晃と水俣病の関係性(?)、神戸の震災から著者の若かりしころのインド放浪へと遡行する旅と思索のドキュメントは、ところどころに本当に心の浄められるかのような出会いの物語すら含んでいる。この本に出てくるインドの船頭の即興の舟歌、アスマーサン/・・・あぁ、アスマーサン/おいらはこうして、ゆっくりとアスマーサンに向かって舟を漕いでるよと歌い始められるその歌のアスマーサンとは、火葬場という意味なんだけど、その歌は本当に美しい。そして、歌の続きはこの本を読んでみてくださいと言っておこう。付け加えるに、藤原氏の初期の代表作である「メメント・モリ」の種明かしのようなところもあり、興味深い。この本を読む前に「メメント・モリ」という写真集をじっくり眺めて見ることもお奨めします。
しかし、藤原新也さんはこう言うのではなかろうか? 藤原新也を読んだごときで世界を分かった気になるんじゃねーよ、と。生きるって何だ? 死ぬってどういうことだ? その答えはこの本にははっきりとは書かれてはいないけれど、この本に出てくる乞食同然の修行僧の平穏なやさしさに感じてしまう。すべては火葬場で焼かれて灰になるとしても、自分の人生が例えば、この本に出てくるような毎朝毎晩の山羊の乳搾りでしかなくても、死ぬことより、生きていった方が良いのかもしれないと、ぼんやりと思ってしまう。どうですか、藤原さんと尋ねても、答えてはくれない。それでいいんだ。
藤原新也さんのページ
http://www.fujiwarashinya.com/
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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