えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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「山口冨士夫 天国のひまつぶし」を読了した。いろんな人からの山口冨士夫へのトリビュートブック、言葉による山口冨士夫賛歌の本なのであった。

ミュージシャンはもちろんこと、小説家、詩人、、文学者、写真家、思想家、新聞記者、いろんな人たちが、彼の死を悼み、言葉を寄せている。なんと言えばいいにだろうか、山口冨士夫はミュージシャンという狭い職業範囲を超えて、ロックンローラーも踏み越えて、山口冨士夫たるような存在だったのだと思う。

山口冨士夫がギターを弾いていた日本の日本人による日本語の日本人のための初めてで最高のロック・バンドたる村八分について、いしいしんじさんはあるエピソードをこの本の中で披露しているのだが、やはりこういうのがアティテュードとしてロックではないのか。若いかね? 青臭いかね? 空の向こうではジョン・レノンや忌野清志郎はどう言っているのかね? ここに書かれたチャー坊こと柴田和志や山口冨士夫の空の向こうからのやさしい笑い顔が浮かびはしないかね? 引用して、山口冨士夫は永遠なのだなーと見上げてしまう。

「なに、これ」
 と三歳の息子がやってきた。・・・<中略>・・・
「むらはちぶ、きいてみよか」
 といって、A面の一曲目に針を落とす。・・・<中略>・・・
「これ、だれがうたってんのん」
「さあ、だれやとおもう?」
 息子はしばらく耳をかたむけ、見つめたまま、
「おに」
 といった。
「すっごく、やさしい、おに」
 唖然とする僕を置き去りに、冨士夫のギターソロがうねりだす。
「これ、キター?」
「うん、ギター」
「だれがひいてんのん」
「さあ、だれやとおもう?」
 息子はやはりじっと耳をかたむけ、そうして晴れやかな顔をゆっくりとこっちに向け、ひとこと、
「どろぼう」
 とささやいた。
「すっごい、やさしい、うれしい、どろぼう」








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えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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