えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

コンラート・ローレンツの「ソロモンの指輪」を読んだ。「動物行動学入門」という副題ももったこの本は、動物行動学という学問領域を打ち立て、ノーベル賞も受賞したオーストリアの博士のまず初めの著作だという。学問としてはもう古くなってしまった箇所もあるそうだが、その動物たちに向けられた愛にみちた眼ざしが文から伝わってきて、なんとも暖かい気持ちになります。
犬について書かれたところなどは、死んでしまった愛犬のレオを思い出し、ほろりと涙しそうになりました。
終章に書かれた「モラルと武器」は、激動の二つ戦争のを生き延びたヨーロッパ人の苦しい警句のようでもある。ナチスに入党し、軍医となり、ソビエト軍の捕虜となった過去を持つ彼が、戦後どう生きようとしたのかは、暗喩のようにこの「モラルと武器」に表されているのかもしれない。
ともあれ、動物好きには楽しい古典的名著であると思います。

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