えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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世界中を舞台に八面六臂の活躍をされている尺八奏者の中村明一さん、その人の著した「倍音 音・ことば・身体の文化誌」がおもしろくて、一気に読めてしまう。

今は和楽器の大家である中村さんが若かりしころ、まず惹きつけられた音楽は、ロックの、特にジミ・ヘンドリックスだったそうだ。そのギターの音色に惹きつけられ、自らギターを手に、アンプにエフェクターを通してつなげ、どうしたらジミ・ヘンドリックスのようなギターの音が出るのか、日夜、爆音をアンプから出し、両親から睨まれながら、格闘したこともあったそう。そんな中村さんは、ある日、ふと、クラシックの現代音楽世界的の巨匠、武満徹の「ノベンバー・ステップ」を聴いてしまい、武満徹の聞いたこともないような音楽とそこで鳴らされている楽器、尺八の音に引きつけられ、電話帳をめくって見つけた有名な尺八奏者である横山勝也師に即座に弟子入りした。そんな人が中村明一さん。

ジミ・ヘンドリックスのギターの音と日本古来の尺八という楽器の音の共通点とは何でしょう? それが豊かな倍音であるそうだ。この本は倍音を切り口に日本の文化の深層やら音楽の不思議に多方面から迫っていく。何せ、東洋の果ての果ての島国の住民たちは、もちろん、それは私たちなのだが、彼らは、音を聞く時、西洋人とは全く異なった脳の使い方をしているという。西洋人には秋の鈴虫の鳴き声は雑音にしか聞こえないらしいのだけど、日本人にとっては、心地良い音楽として響き、その違いの理由の一つが、倍音に体する日本人の感受性にあるという。そんなことからこの本での話はいろんなところに行き来し、ぼくは、音って不思議だなぁ、その音を起点としてめぐる日本、その日本の文化っておもしろいなぁと再発見した気持ちにもなったのです。そして、デジタル処理されていない、生の演奏が、どんなに豊かさを含むのか、そんなことも再確認したようなのです。

濁った音色、音響の音楽が好きなぼくも、昔から倍音に惹きつけられていたのかもしれない。ぼくは今夜はギターを持って池袋のポルカ・ドッツに歌いにゆくぞ。そうか、アコースティック・ギターもたくさん倍音の鳴る楽器なのか。











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えいちゃん
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S.E.
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音楽
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音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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